●特別企画
 潟\リッド・エクスチェンジ
 代表取締役社長
 加藤 治彦氏


ソリッド・エクスチェンジがブロードバンドユーザー
向けの新サービス「BBMODETM」を提供開始


■インタラクティブな要素を加えてユーザーに臨場感、緊張感を提供


―はじめに、4月から試行サービスを開始したブロードバンドユーザー向けコンテンツ配信サービス「BBMODETM(以下、BBMODE)」について、これまでの経緯についてお聞かせください。

加藤 従来のブロードバンドコンテンツは、ビデオオンデマンドをはじめとするユーザーが自分で閲覧しにいくタイプのものがほとんどでした。しかしこれでは、コンテンツを単にユーザーに提供するというところでビジネスが終わってしまい、それからの拡がりを期待することが難しくなります。そこで、我々ソリッド・エクスチェンジでは、コンテンツに送り手と受け手とが相互にやりとりできる状態、いわゆるインタラクティブな要素を付加価値として加えることを考えました。コンテンツがインタラクティブになることで、ユーザーは番組に参加しているという“ライブ感”や“緊張感”をもつことができるようになります。このような臨場感のある番組(コンテンツ)は、これまでにない新鮮なものとして楽しめるはずですし、eラーニングをはじめとしたユーザー参加型のビジネスへとその利用範囲がより一層拡がっていくと思います。たとえば、いくつかのプランの中からユーザーに人気のあるものだけを実際に製品化することもできますし、モニターを募集してユーザーの声を反映した製品をつくることも可能です。これからデビューするアイドルのPR番組をインタラクティブなものにすることで、「自分たちの育てたアイドルだ」というような楽しみも提供することができるでしょう。

 このようなことを実現するために、既存のコンテンツにインタラクティブな要素である掲示板やチャット、アンケート、エアメッセージといったものを付け加える手法として、BBMODEの提供を決めたのです。

■「IWS」の豊富な機能によりコンテンツを魅力的に演出

―BBMODEのサービスの概要についてお聞かせください。

加藤 BBMODEとは、コンテンツとコミュニティ、そしてアニメーションキャラクターを一体化したコンテンツ配信のプラットフォーム「Interactive Web StageTM(IWS)」を利用したサービスです。このIWS は、劾TTデータと潟Cメージリンクが共同開発したコンテンツライブ演出支援システムで、既に国内外のテレビ番組などで実績のある潟Cメージリンクのリアルタイムキャラクターシステム「VIRTUALCAST」の技術をベースに、ブロードバンド向けに開発したものです。単にアニメキャラクターを動かすのではなく、それをコンテンツと同期させて配信する機能や、テキストはもちろん効果音などを自在にライブ演出する機能、ユーザー(視聴者)が番組に参加できるコミュニティ機能が装備されています。さらに、コンテンツホルダーが、配信や課金などの面倒なシステムを気にすることなく、BBMODEにコンテンツをお預けいただくだけで、多くのアクセスライン事業者やISPを経由して、ユーザーにワンストップでコンテンツ配信サービスを提供することを実現しましたので、コンテンツホルダーの新たなビジネスチャンスとしてご利用いただくことも可能です。

―配信される番組の内容について、教えていただけますか。

加藤 番組の構成としては、リアルタイムでコントロールできるアニメキャラクターがナビゲーターとなって番組を進行していきます。視聴者参加型のコンテンツを作成するには、ナビゲーターの存在は不可欠です。その役目を簡単にコントロールできるアニメキャラクターに割り振ります。アニメキャラクターの操作は、IWS専用スタジオ内のDJ が送られてくるメッセージなどに対応してリアルタイムで行うので、視聴者の反応によって番組の流れが変化していきます。そして、視聴者が生番組に参加したり、同じコンテンツを観ながらチャットなどで視聴者同士のコミュニケーションを図ったりと、これまでのメディアにない時間共有や参加意識をもてる付加価値の高いコンテンツの配信を実現できます。さらに視聴者からのメッセージの内容については、きちんとフィルタリングして紹介しますので、不適切な言葉がそのまま流れてしまうとことはありません。

 このような機能を利用して、同じコンテンツを楽しむユーザーを個々の集合体としてではなく、コミュニティとして機能させていくことが、このBBMODEの目的です。そして、番組ごとのユーザーが集合した「Community of Interest(COI)」を形成することで、ユーザーの意見をダイレクトに反映した商品展開やニーズに応じたショッピングコンテンツといったものが可能となり、ビジネスの幅が拡がっていきます。

■コアなファンの獲得を目指す

―どのような企業とのパートナーシップがありますか?

加藤 BBMODEにおけるパートナー企業とは、キラーコンテンツをもつコンテンツホルダーとコンテンツを配信する配信網に分けることができます。配信網としては、アットネットホーム、ALLといったCATV系のI SPや、ドリームネット、NECといったISPに加えて、NTT東日本、NTT西日本のフレッツシリーズがあります。各種の配信網は新しいコンテンツを配信することで、既存の顧客の満足感を高めることができるとともに、新規顧客を獲得する魅力にもなります。

 コンテンツホルダーとしては、大きくアニメ系、映画系、音楽系、アイドル系に分けることができるでしょう。アニメ系ではBBMODE用の最初のオリジナル番組となる「機動戦士ガンダム」のバンダイグループをはじめ、フロンティアワークス、ゴンゾ・ディジメーションなど。映画系ではMedia Design Institute、音楽系では音楽情報サイトBARKS、アイドル系ではArtist Gate などを予定しています。

 アニメ系やアイドル系といった分野は比較的、情報や価値に対して高額な料金を支払う意思を持つコアなファンが多いので、BBMODEでのコンテンツ配信に適していると思います。もちろん、映画や音楽にも解説やコミュニティといった要素を加えることで新しいユーザーをつかめるはずです。

―今後の展開についてお聞かせください。

加藤 ターゲットとしては、よりコアなファンを獲得していくニッチな市場を狙って行きます。一つのコンテンツに対して「ある程度の料金を支払ってもかまわない」というユーザーは100人に1人か2人だと思います。このようなユーザーに対して中身の濃いコミュニティをつくることを目的とした展開を進めていきます。ユーザー数の拡張にポイントを置いたのでは、BBMODEの特徴を活かした展開はできないと思います。

 具体的には、2005年度までに合計25万人の会員獲得をめざします。この数字は、有料コンテンツを利用するユーザー数です。ブロードバンドビジネスとして考えた場合、付加価値の高いサービスを提供していくのには妥当な数字だと捉えています。

―本日はありがとうございました。

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(こちらは2003年5月号になります)

(この続きの内容)
新技術「IWS」とブロードバンドの特性を活かして
“コンテンツ&コミュニティ”を実現していく〜「BBMODETM」のサービス概要〜

 

 


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