●より快適なモバイル環境の実現に向けて前進するNTTドコモ関西●
インタビュー2:法人サービス 「知識」と「知恵」から生まれたソリューションで 企業モバイルを拡大していきたい ■モバイルの特性を目で見てわかりやすく提案していく ―はじめに、関西地域における法人サービスの動向について、お話していただけますか。 横井 世の中はまだ不況の常態にあり、関西地域においても深刻な不況が続いています。しかし、このような状況だからこそ、そこを乗り越えたいという気持ちが高まっているようにもうかがえます。その糸口として、モバイルを本格的にビジネスに活用し始める企業が多くなってきているように感じます。タイミングよくFOMAがエリアを伸ばし、本格導入への展開がより活発に行えるようになってきました。 横井 企業では、ファッションとしてのモバイルの導入は決してありません。明確なコストダウンや利便性、商品力アップといったことがなければ、導入へと結びつきません。また、目に見える効果も重要です。モバイルソリューションは、その特性上なかなか目に見える部分が少ないのですが、これからは、目に見える形でわかりやすく提案していくことが不可欠だと思います。ソリューションの導入にあたっては、構築、運用、保守の3つが最適であるものが選ばれるわけですが、それらをどのようにして見せていくかが大きな鍵を握っています。そこで、NTTドコモ関西(以下、ドコモ関西)では、法人向けショールーム「Solution Frontier」内にシステム構築に至る各段階のミーティングやシステムの検証を行う「テスティングエリア」を設置しました。 ―このテスティングエリア内には、実機の確認やソリューションの検査・測定を行う「検証ルーム」が設置されているとお聞きしましたが。横井 目に見える形での提案を実際に行えるよう、独立したVLAN環境をもつ「検証ルーム」をつくりました。これまでの検証では、たとえば導入を予定している企業で検証しようとすると、「光回線がすぐに引けない」「臨時専用線がすぐに準備できない」というようなことが生じてきます。このようなことを防ぐためにも、各ソリューションに合った検証構成をつくり、実際の使用環境に近い状態での検証を行っていただく。また、オペレーションを行う我々と導入の可否を決める企業の方とが一緒に検証に立ち会えるので、その場で製品を「選ぶ」、導入を「決める」ということが行えます。 横井 お客さまに対する知識、ノウハウをたくさん蓄積している点だと思います。ドコモのネットワークやサービス、製品を使用してお客さまに付加価値を提供していくモバイルソリューションの提案を、3年以上にわたって取り組んできました。今年は、その取組みで得た知識、ノウハウをベースとした提案を行えるようになり、企業モバイルが飛躍的に拡大していく手ごたえを感じています。 ■モバイルを活用した新たなビジネススタイル 横井 フレキシブルな体制の中でお客さまのニーズに応えたサービスを提案していくことが必要だと思います。このフレキシブルな環境でのビジネスの実現に向けて、ドコモ関西では、モバイルオフィスの実現に注力しています。モバイルオフィスのコンセプトは、「知の集合と創造」です。ここでいう「知」には、知識と知恵の2
つがあります。自分や仲間、お客さまの知識に、発想や工夫ということを加えることで知恵が生まれてきます。つまり、新たな知恵が生まれることで、自分だけではできなかったことができるようになります。 ―最近の法人サービスについて、代表的なサービスと事例についてご紹介していただけますか。 横井 昨今、ビジネスとプライベートで別々の携帯電話をもつとコストがかかることから、社員本人の携帯電話をビジネスでも使用するという企業が増えています。しかし、ビジネスで利用した通話料金を企業側が支給するようになると、用途別の集計や請求書の分割発行など、煩雑な手間がかかってしまいます。このような問題を解決するものとして、「公私区分サービス」があります。このサービスを利用していただくことで簡単に解決し、料金の支払がスムーズに行えます。 横井 検証ルームの設置については、企業の皆さまからもたくさんの要望がありました。なかなか時間のない企業のトップの方にソリューションを理解していただくには、その場で見てわかっていただくことがベストです。ただし、ミスを犯すと一瞬で誤解されますし、その誤解をとくにはかなりの時間を要しますので、検証はより真剣に行わなければなりません。これと同じように、ドコモ関西における法人サービスも常に厳しい視線を浴びています。企業におけるサービスやソリューションの良し悪しは、当然、一般コンシューマを対象としたビジネスにも大きな影響を与えます。その反面、良いものも一瞬のうちに広まりますので、我々が果たす役割は、とても大きなものなのです。これら法人の新しい拠点が、社員とお客さまにどれだけ活用されるか、そこからどれほど多くの創造性のある目に見えるソリューションが生まれてくるかが大きなポイントになるでしょう。 ―本日はありがとうございました。 |
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