●巨大な販売チャネルを活用し業容拡大への新たなチャレンジ領域を創出するNTTマーケティングアクト
(株)NTTマーケティングアクト
代表取締役社長


自ら行動する営業で
「情報流通総合商社」を目指す

昨年5月、反転攻勢を目指したNTT西日本の構造改革によって生まれたNTTマーケティングアクトグループ。NTT西日本グループの営業系会社として、グループ17社が一体となって独自のソリューションブランドも含め新しいビジネス領域での業容拡大に向け積極的に取り組んでいる。グループが発足して1年強、マーケティングアクトグループ2万1,000人を率いに、業容拡大に向けた最近の取組み状況を聞いた。

■創立初年度は、自ら行動(ACT)する
営業力の強化に注力

グループを発足し1年強経過した現在の思いからお聞かせください

 昨年5月にNTT西日本の構造改革の一環として、NTTマーケティングアクトグループ(以下、アクトグループ)を営業系会社として発足したわけですが、設立時の課題として「業容拡大等を通じた収益力の向上」「コスト競争力の強化」並びに「雇用確保」という3つの高い目標を掲げ、それに向け全力投球をしてまいりました。
 この構造改革を機会に、ぜひともNTT西日本グループの自立化を図らなければという思いの中、試行錯誤を重ねながら進めてきましたが、あっという間の1年でしたし、また激動の1年でした。その結果として、初年度からアクトグループ全体で収支均衡を達成するという目標を掲げて取り組んでまいりましたが、21,000人の社員の努力でなんとか目標がクリアできたので、まずまずの手応えを感じています。今後は、さらにグループ一体となって営業力の強化・充実と、独自サービスも含めた新たなサービス・商材の開発に努め、ベースロード業務に加えた新規ビジネス領域での業容拡大を図っていきたいと考えています。

■創お客様に最適なソリューションを提供する
「情報流通総合商社」を目指す


―どのようなビジネス展開を目指しておられるのですか。

 アクトグループの強みは、西日本の各エリアに展開している営業力にあります。これら営業力を如何に活かしていくかが、最も大きな課題であり、そのために重要となるのが、扱うサービス・商材です。NTTでは扱えないアクトグループ独自のサービスを開発することは勿論ですが、NTTグループ内外とのアライアンス提携も重要です。それを単なる販売代理店という形ではなく、自ら行動する営業でお客様ニーズを汲み取り、それに対していろんな商材を組み合わせて最適なソリューションを提供する「情報流通総合商社」を目指します。営業・販売会社というよりは、ソリューション提供会社、お客様から何でも安心して任せられる会社という方向でビジネスを展開していきたいという思いが一番強いですね。

―売上に占めるベースロード業務の割合はどの程度ですか。

 現在、アクトグループ全体の約2 /3がNTT西日本からの116番対応等のベースロード業務によるもので、残り1/3が業容拡大によるものです。特に、今後私たちの方向性として、ベースロード業務の生産性を向上させつつ、業容拡大による売上の割合を50%程度まで伸ばしていきたいと考えています。これは、アクトグループの巨大な販売チャネルを活用することによって、充分達成可能であると思います(図1参照)。


      図1 NTT マーケティングアクトグループ各社の営業エリア


■ブロードバンド推進と、グループ独自の強みを活かした業容拡大に注力

――具体的に、どのようなビジョンを描かれているのですか。

 3ヶ年程度の中期を展望した取組みの柱として、1つはNTT西日本グループの一員としてのブロードバンドの積極的な推進です。特に主要戦略商品である、Bフレッツについては、NTTグループ全体のけん引者となり、販売目標達成に貢献していきたいと思っています。もう1つは、先ほどお話ししたように業容拡大の分野でいかに売上を伸ばしていくかです。まず、テレマーケティング・人材派遣等のマーケティング事業をはじめ、コーラスライン等のネットワークサービスを継続して展開していきます。さらにこれら事業を基盤として、ブロードバンド時代に対応したソリューション提供やコンテンツの創造・流通なども含め、新たなビジネスの創出に向けた取組みを積極的に推進していきます。
 新サービス・新商品の開発にあたっては、私たち自らが新しいビジネスモデルを作りアクトブランドとしての展開を進めるだけでなく、NTT西日本をはじめとしたNTTグループ内の知恵も積極的に取り入れていかなければなりません。
また、新たにサービス・商材を開発することも重要ですが、併せて、社会に流通しているサービスや商品を目利きしながら活用していくことも、重要な選択肢です。これまでにもNTTグループ内外の企業といろいろなアライアンスを行ってきました。そうして蓄積した商品ラインナップが50ほどあります。今後、さらに商品ラインナップを充実させながら、ブロードバンド回線を基軸としたアクトグループ独自のブランドパッケージを作り、売上の拡大を図りたいと思っています。

―どのような業容拡大メニューを展開されておられるのですか。

 先程お話ししたとおり、アクトグループの最大の強みは営業力ですが、さらに販売チャネルを拡大していくことも重要です。その一環で、今年6月からCRM活動の展開の一つとして、Webを活用した会員制プログラム「ACTOS Member」を開始しました。各企業様とのアライアンス商材をこのCRM機能により販売し、事業展開を図っていくこととしています。すでに、20万人以上が会員登録しており、今年度中には100万人、3年後には500万人の会員獲得を目指しています。
 また、こういった独自サービスを強力に推進するため、対外的な訴求力とアクトグループ内の求心力の向上を目的に「ACTOS」というグループブランドを作りました。このブランドを作ったことで、アクトグループ内の自社ブランドに対する愛着や一体感が醸成され、社員のモチベーション向上にもつながる結果となりました。
 さらに、NTT西日本の光サービスであるBフレッツを強力に販売展開するツールとして、「ACTOS“Bフレ”パック」を今年6月より提供していますが、スタート当時から見ると、約5倍近い販売数の伸びとなりました。これ以外にも、アクセス回線や端末機器などをパッケージ化して提供する、「ACTOS キット」、携帯電話と二次元バーコードを組み合せた「ACTOS モバイルC」などの商品ラインナップを行っているところです。また、地域密着型企業としての特徴を活かし、地域のポータル事業も積極的に推進していきます。この地域ポータルをアクトグループの商品・サービスの拡販に上手く結びつけていきたいと思います。

―16地域会社をリードする統括会社の責任は重いですね。

 統括会社として、新規ビジネスの開発をはじめ、先導的に各種施策を展開していくことが重要ですが、各社が地域特性にあった形で自立した経営基盤が確立できるように環境条件を整えバックアップしていくことがより重要だと考えています。

―本日はありがとうございました。

(聞き手:本誌編集長 河西義人)


NTTマーケティングアクトグループの業容拡大■

最良のサービスと最適なソリューションの提供を
目指した「ACTOS」ブランド戦略

「ACTOS」ブランドの創出

 アクトグループでは、その発足以来、ブロードバンドCRMをはじめとして、パッケージ商品や独自開発サービスを提供してきた。また、業容拡大推進に向けてNTTグループ企業やNTTグループ以外の企業とさまざまなアライアンスを組み、売りやすく収益性の高い商品販売に注力してきた。そのようにして商品ラインナップも拡充されてきたが、それらの商品の中にはアライアンス企業の商品名がそのまま付いているものや、テレマーケティング会社時代の商品名が付いているものなどがあり、アクトグループの商品としての統一性や明確性に欠けるという課題があった。


          図2 ACTOSブランド戦略

 そこで、アクトグループでは、商品の認知度の向上や統一的なラインナップの訴求、自社商品としての明確化を図るため、「ACTOS」というブランドを創出した。
 このブランドを活用することにより、お客様に対しては、商品理解の向上や他社商品との識別化、商品イメージの向上などを図ることができ、結果として顧客化の促進につなげることができる。また、アクトグループ内では、自社ブランドに対する愛着や一体感が醸成され、社員のモチベーションも向上し、販売機会の増大と販売力の向上につなげることができる(図2参照)



最良のサービスと最適なソリューションの提供を目指す

 ブランド名「ACTOS」の創出に際しては、アクトグループのイメージに合い、かつ商品・サービスとの親和性、独自性を備え、浸透しやすく覚えやすい名称といった条件で社内公募が行われ、多数の応募の中からこの名称が採択された。ACTOSとは、「Actualize CustomerOriented Services&Solutions」という意味だ。つまり、「お客様のことを第一に考え、お客様に満足していただけるようなサービスやソリューションを提供する」といった意味であり、また、配色に関しても「企業エネルギー」を表す色であるオレンジを使用している(図3参照)。

販売活動において幅広く展開されるブランド戦略

 アクトグループでは、同グループが提供する商品・サービスにACTOSブランドを冠して販売していく方針を打ち出している(図4参照)。


         図4 ACTOSブランドの利用展開

 現在、このブランドを使用している例としては、ブロードバンドCRMの「ACTOS Member」や、パッケージ商品の「ACTOS キット」、そして、アクト独自サービスである「ACTOS モバイルC」などがある。
 また、Bフレッツ販売キャンペーンの「ACTOS “Bフレ”パック」などにおいても使用されている。
 今後の展開としては、アクトグループの商品・サービスであることを明示・浸透させるためのブランドとして、営業資料や総合パンフレット、名刺などの販売ツールにも幅広く使用していく。そうすることにより、ブランドの認知度や信頼性を向上させ、顧客獲得の促進および顧客との関係の強化につなげていく方針だ。

販CRM の実践に向けた会員プログラム
「ACTOS Member(http://www.e-actos.com)

業容拡大の中心となる「ACTOS Member」プログラム

 近年、お客様サービスの充実や業務効率の向上を目的としたIP 技術の活用は、驚くべきスピードで各企業に浸透している。特に、法人ではなく個人顧客に向けた、いわゆるOne to OneマーケティングがIP技術により可能となり、同手法を活用して、お客様の一企業にもたらす生涯利益(LTV:ライフタイムバリュー)の最大化を図るための、CRM活動がトレンドとなっている。
 これまで、アクトグループでは、コンタクトセンター構築運営、企業のマーケティング活動をサポートするCRM関連ソリューションの提供に取り組んできた。こうした取組みを通して培ったCRMノウハウを活用し、前述のようなビジネス環境の変化に対応すべく、個人向け会員プログラム「ACTOS Member」の運用を6月30日より開始した( 図5 参照)。

        図5 ACTOS Member 会員向けサイト

 ACTOS Memberプログラムは、アクトグループが扱うさまざまな商品を、会員特別価格で提供するとともに、会員に役に立つ情報を提供し、商品購入の際の割引や懸賞応募等に利用できるポイントプログラムを備えた個人向け会員プログラムだ。インターネットを利用できる環境にあり、PC用のメールアドレスを所有していれば、誰でも入会することができ、入会金や会費は無料となっている(図6参照)。

             図6 ACTOS Member のしくみ

販売対象商品・サービスは、以下のとおり。

・NTT 東西フレッツ申込取次

・ISP入会取次

・パソコン・モデム・ルータなどのブロードバンド関連機器

・情報家電

・ブロードバンドコンテンツ

上記の他にも、16の地域会社の特産品を全国規模で幅広く販売できることは、ACTOS Memberプログラムの大きな特徴であり強みでもある。
 また、ACTOS Memberプログラムでは、Webツールを活用したコンタクトにより、会員の趣味趣向に合った情報提供や、買い替えなどの時期を捉えた販売活動を行っているが、今後はさらに特典などを充実させるとともに、オンラインショッピング機能や、モバイル対応機能を組み込んでいく予定だ(図7参照)


図7 ACTOS Member 向けHTML メール配信イメージ

企業向けCRMの実践に向けた取組み

 ACTOS Memberプログラムは、個人顧客に対するLTVの最大化を図るだけでなく、アクトグループの既存事業であるテレマーケティング事業やデータマイニング等と組み合わせ、SI ・MI・NIを手がける同社のソリューション営業部門と連携することにより、企業におけるCRM受託ビジネスとして活用することが可能だ。
 また、ACTOS Memberプログラムで使用する最新のIT 技術を活用したコンタクト設備やコミュニケーターなどのオペレーションリソースを活用することも可能だ。
 このようにACTOS Memberプログラムを有効活用することにより、個人向け・企業向けCRMソリューションの提供を拡充していくことができる。

企NTT西日本のCRMをマーケティングアクトが運営

 NTTマーケティングアクトは、企業向けCRMソリューションの先駆けとして、NTT 西日本が目指す「NTT顧客のLTVの最大化とお客様サービスの強化」を実現するために、5月30日に福岡県北九州市に開設したFRC(フレッツ・カスタマリレーションセンタ)の運営を受託した。
 FRCは、Web受付サービス部門とフレッツCRM部門から構成されており、Web受付サービス部門では、NTT西日本が提供する各種商品・サービスの申込受付等を行っている。
 一方、フレッツCRM部門においては、CRM年間プログラムを企画し、お客様のライフサイクルに合わせた最適なサービス提案を継続的に展開することによって、お客様とのリレーション強化を図っている。また、NTT西日本が運営するフレッツユーザー向けの会員プログラム「West with You」と連携し、タイムリーなメールマガジンの配信やアンケートなどを実施している。
 NTTマーケティングアクトでは、このFRC運営受託により、更にCRMノウハウを蓄積するとともに、そのノウハウをACTOS Memberプログラムへ活用することにより、今後の業容拡大の中心として、多様化する顧客ニーズに対応していく方針だ。

■お問い合わせ先■
ACTOS Member 申込事務局
TEL:0120-861910
(受付時間 平日9:00〜17:30)
URL:http://www.e-actos.com



Bフレッツの工事費無料のキャンペーン商品
ACTOS“B フレ”パック」

ACTOS Memberの入会特典として
Bフレッツのキャンペー
ンを展開

 現在、インターネット上で流通するコンテンツは、ますますブロードバンド対応化が進んでおり、映画やテレビ番組の高画質での映像再生や、大容量ファイルの高速転送などを可能にする、光ファイバーを利用した超高速インターネットアクセスサービス「Bフレッツ」に対する関心が高まっている。
 こうした中、アクトグループでは、Bフレッツの工事費が無料となるキャンペーン「ACTOS “Bフレ”パック」を6 月1 日より展開している
(図8参照)。



       図8 ACTOS“B フレ”パック

 ACTOS“Bフレ”パックは、キャンペーン期間中に「ACTOSMember」に入会し、NTT西日本が提供する「Bフレッツファミリー100」または「Bフレッツマンションタイプ」を新規で申し込むと、Bフレッツの工事費が無料になるというものだ。工事費無料対象エリアは、西日本の30府県である。
 お客様からはたいへん好評を得ており、キャンペーン開始時から右肩上がりに申込みが増えているといった状況だ。このため、アクトグループでは、当初7月31日( 木)までと予定していたキャンペーン期間を、
9月30日(火)まで延長することを決定した。
 このサービスでは、現在利用中のISPをそのまま利用することができ、また、阪神タイガース公式戦のライブ中継が見られる「Tigers-net.com」等、好みのISPとも自由に契約できることが、他社のサービスにはない大きなメリットとなっている。
 なお、対象となっているBフレッツのサービス内容は下記のとおり。

●Bフレッツファミリー100

 最大100Mbpsでインターネットに接続するベストエフォート型サービス。最大接続台数5台で、お客様の家庭やオフィスで利用することができ、低価格で手軽に光ファイバーによるインターネットを始めたいお客様にぴったりのサービスとなっている。

●Bフレッツマンションタイプ

 同じマンションに住むBフレッツ利用者と光ファイバーを共用利用することによって月額料金を安く設定したプラン。低価格で最大100Mbpsの超高速インターネットを利用できる。プロバイダが限定されるマンション単位の契約ではないため、加入者ごとにプロバイダを選択できる。

■お問い合わせ先■
キャンペーン事務局
TEL:0120-820894
<NTT西日本エリア限定>
(受付時間 平日9:00〜17:00)
URL:http://www.e-actos.com



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