・「価格競争」から「品質競争」の
フェーズへとシフトしてきたVoIP、IP電話市場


株式会社エヌ・ティ・ティ エムイー 
取締役 VoIP&ソリューションビジネス本部長 矢野 厚


VoIPを取り巻く市場の動向

 最近「IP電話」や「VoIP」という言葉が広く知られるようになり、通信コストを大幅に削減できる技術として注目されています。IP電話とは、音声をIPパケットに埋め込んでIP 網に乗せることで通信をするものです。
 目立って取り上げられるようになったのは個人向け市場からですが、今年度になって各社から「IPセントレックス」サービスが提供されたのを契機に、法人向けサービスとして急激に注目されてきました。
 企業はこれまで2000 年のマイライン競争を皮切りに大幅な通信コストダウンの恩恵に浴してきました。しかし、ここにきて技術・品質の向上と、さらに一段のコスト削減の可能性をIP電話に見出したのです。
 現在IP電話を利用しているユーザー数は、個人向けは300万、企業数では1万社といわれていますが、ここ2年でその数は2〜3倍にも伸びるであろうと想定されています(図1参照)


             図1 IP電話市場

1.個人向け市場の変化

 2001 年、(株)エヌ・ティ・ティエムイー(以下、NTT-ME)やフュージョンコミュニケーションズ(株)が、中継回線にVoIP技術を活用した市外通話割引サービスで個人向け市場に参入しました。当時はVoIPサービス間競争ではなく、固定電話を含めたマイラインによる顧客の囲い込み競争が中心でした。
 マイライン戦争もほぼ終焉になった2001年9月に、NTT-MEやYahooBB が加入者間の通話料金が無料となるIP電話サービス(Phone ToPhone型)を開始しました。
 YahooBBは、街頭でのモデム配布や無料キャンペーンで、月20万のADSLユーザーを獲得し、個人向けIP電話の火付け役となりました。これにより、ブロードバンドのアプリケーションとして「IP 電話」の認知度が高まり、ISP各社は、相次ぎ提携を行い、IP電話サービスの提供を開始しました。遂に2003年3月、NTT東西がIP電話対応機器を発売し、多くのISPが「IP 電話サービス」を提供開始し、本格競争が始まったといえます。
 「IP電話サービス」は、月額定額制で加入者間相互通話が無料の上、既存電話との通話料金は、「3分8円」が標準的にもかかわらず、公衆網へのアクセスチャージの支払いが必要なことから、ISP各社にとって、設備投資の回収に時間がかかる事業構造となっています。したがって中小ISPは、設備を自前で用意するのではなく、VoIPサービス提供者から「IP 電話網サービス」を仕入れ、サービス提供を行うアウトソース提供が多く見受けられます。ISP各社にとって「VoIPサービス」は顧客囲い込みのサービスの1つとして提供されているわけです。
 しかし、今秋10月頃といわれている「固定電話から050番号への着信」が可能になると、利便性が向上し、本格的な普及に拍車がかかってくると考えられます。


           図2 IP電話サービス分類図

2.法人向け市場の変化

 2003年4月に?NTTデータが、東京ガス?向けにIP電話サービスの提供開始を発表したことなどを機に、キャリアやメーカー各社がIPセントレックスサービスを引っ提げ、法人向けIP電話市場に参入し始めました。
 「IPセントレックス」とは、ユーザー側で保有していたPBX(機能)をセンター側に置き、一切の運用・保守をアウトソーシングすることであり、トータルコストの削減を実現できる点が期待されています。これまで活用していた大規模な法人向け電話サービスの機能をほぼフルに活用できるという点で、IP電話の導入のハードルをまた1つ下げることになったといえます。さらに、これまでの法人向けIP電話サービス同様、社内通話料が無料であることや、それ以外への通話についても全国3分8円程度の定額通話料金であることなど、コスト的メリットもあります。
 法人向けのサービスは、中継型電話サービス、VoIP Gatewayタイプ、そしてこのIPセントレックスの登場により、小〜大企業まで、各企業規模別に適したラインナップがほぼ出揃い、デフレ経済環境下にある各法人の事業運営コスト削減圧力等も鑑みると、IP電話の導入も急速に進展する可能性が高いと思われます (図2参照)。

3.ベンダー・機器メーカーの動向

 VoIP機器のベンダー・機器メーカーは、大きく2つに分けられます。以前から従来型PBX・ビジネスホンなどを提供してきた企業群と、インターネットとIPプロトコル技術によって新規に市場に参入してきた企業群です。多角度からの製品PRが各種メディアを通じて行われていますが、参入企業の思惑はさまざまといえます。

(1)既存の企業群

 従来型の電話システムを提供するかたわら、電話システムのVoIP化を望む先進ユーザー向けにIP-PBXの販売を行っています。企業の電話システムへIPセントレックス導入を検討する時、一度にVoIP化させるには大きな投資を伴うため、本格的な導入までのつなぎとして、IPPBXが利用されるのです。

 IPセントレックスへの取組みとしては、各社とも最新の標準プロトコルであるSIPをベースに基本呼処理を実現した上で、グループライン、話中転送、代表番号などの拡張部分を独自に設計・提供するスキームが実用化段階に入りつつあります。国内の主要通信機器ベンダーは、一般企業に対してもアウトソーシング型のサービスの提供開始していますが、安価なコストで安定的なサービス提供に向け、運用面を含めた努力が行われつつあります。

(2)新規参入の企業群

 アナログ電話・回線を不要とし、端末に至るまでの全ての機器をIP電話にすることで、多くのビジネスチャンスを捕えることができる状態になりつつあります。既存の電話サービスへの先入観がないことから、音声とアプリケーションを組み合わせたサービスなど柔軟な発想が可能です。反面ユーザーが慣れ親しんでき
た電話文化への理解度は、これまでサービス提供をしてきた企業に比べると低く、また、IP環境ではあたり前の知識(認証等)がユーザー側には存在しないことなどが法人ビジネス展開の大きな壁となっています。

(3)各社の戦略

 「固定電話から050番号への着信」に向けた各社の開発は、先行逃げ切り型か、追従型かに分かれています。特にSIP環境では、どこが事実上のスタンダードとなるのか、そのアプローチはどのような営業スタイルになるのかを、お互い虎視眈々とうかがいながら、SIP電話環境で動作するアプリケーションサーバおよび運用支援システムの開発にしのぎを削っている状況でもあります。さらに、これらの音声アプリケーションサービス展開も、使用されるプログラム言語が、XML・VXMLなどの新技術主体のものとなるのか、既存システムの連結スタイルになるのか今後明らかになっていくポイントです。

VoIP、IP電話の普及と課題

 
IP電話サービスの普及に向けては多様な取組みが行なわれていますが、IP電話普及に向けた具体的な取組みを、「1.新サービス」、「2.相互接続」、「3.電気通信事業法改正」、「4.価格競争から品質競争へ」の4つの観点からご紹介します。

1.新サービス

 IP電話サービスは現在まさに発展中のサービスです。お客様のより幅広いニーズに応えるべく新サービスが続々と発表されており、この活気がIP電話サービスの普及を促進する大きな要因になっています。

(1)法人向けIP電話サービス「IPセントレックスサービス」

 昨年から今年にかけてコンシューマ向けのIP 電話サービスやそうしたサービスを提供するインターネットサービスプロバイダ(ISP)各社の提携が話題になりましたが、最近は法人向けのIP電話サービスに各社が力を入れています。
 特に保留機能や転送機能といったPBXがもつ各種付加機能までも合わせてサービスとして提供する、いわゆるIPセントレックスサービスの提供をここのところ各社が競って発表しています。中には、?NTTデータやNTT-MEのサービスのように、既に法人のお客様が実際に利用を開始しているサービスもあります。またNTT東日本およびNTT西日本も同様のサービスの提供を今年10月頃に開始する旨を、8月8日に発表をしています。今後、キャリア、ベンダー、機器メーカー等によるシェア確保競争の激化は間違いないでしょう。

(2)050着信サービス(Phone to IP)

 さらに、今年10月頃には、NTT東日本およびNTT西日本の一般の電話から、050で始まる番号をもつIP電話に通信を着信させることができるようになります(こちらも8月8日にNTT東日本およびNTT西日本が発表)。
 これまではIP電話といえば一般の電話への手頃な通話料金や同じサービスのIP電話同士でかけ放題であることが主な特徴でしたが、これに加え一般の電話からの着信が可能になることで、050で始まる番号が「もうひとつのパーソナルID」として今後幅広く認知されていくことになるでしょう。既に番号の払い出しは700万といわれており、050の番号でお互いに電話をしあう環境は整ってきたといえるでしょう。

2.相互接続

 IP電話サービスの普及を妨げている大きな要因の一つが相互接続性の問題です。相互接続性の問題は大きくふたつに分けることができます。1つは各ベンダーのIP電話機器を各社のIP電話サービスで利用することができないという機器の相互性の問題です。もう1つは、各社のIP電話ネットワークが相互に接続されていないという問題です。機器の互換利用・相互接続やネットワークの相互接続は一般の電話サービスではあたり前のことのように思われていますが、IP電話サービスでは、これらがまだ実現できていません。しかし、これらの問題についても具体的な取組みが始まっています。

(1)ネットワークサービスの相互接続

 IP電話サービス間の相互接続については、各IP電話サービス提供事業者の間で調整が進められています。たとえば、IP電話サービスを提供する8つのISPが中心となって2003年4月に設立された「IP電話普及ISP連絡会」では、相互接続するための基準を(1)通話品質(エンド・ツー・エンドで携帯電話並の通話品質、総務省のIPネットワーク技術に関する研究会が定めたIP電話品質クラス分類のクラスB)、(2)電話番号(050で始まる番号)、(3)通信規約(SIP)、(3)音声符号化方式(G.711)などの観点から定め、他ISPにもこうした基準に則った相互接続に賛同するよう呼びかけています。
 また、KDDI(株)、日本テレコム(株)、(株)パワードコムの3社は2003年6月24日からIP電話ネットワークの相互接続を行うなど、IP電話サービス間の相互接続が今後より幅広く行われ、IP電話サービスの利便性をより高めることになるでしょう。

(2)機器の互換性・相互接続

 各社のIP電話サービスで用いられている通信規約(プロトコル)は一般の電話のように一種類ではありません。これまでH.323というプロトコルが一般的でしたが、最近ではSIPというプロトコルの普及が加速しています。さらに、同じSIPというプロトコルを利用している機器同士でも、ベンダーが異なると設定の細部が異なり、通信できないのが一般的です。そのため異なるベンダーの機器の間で通信を可能にするためには個々に検証が必要となります。
 こうした検証には高度なノウハウが必要ですが、そうしたノウハウを提供するビジネスを始めるベンダーも登場し、異なるベンダーの機器の相互接続を後押ししています。たとえば、沖電気工業?では「IP電話普及促進センタ( IPTPC=IPTelephony Promotion Center)」を開設し、こうしたノウハウの提供を行っています。

3.電気通信事業法の改正

 今年7月17日に国会で電気通信事法の改正が可決され、2004年には改正電気通信事業法が施行される見通しになりました。今回の改正によって電気通信回線設備の設置の有無による第一種、第二種という電気通信事業者の区分が消滅することになり、より一層の事業者間の競争が促進されることになります。たとえば、これまで第一種電気通信事業者のみが取得できた市外局番で始まる電話番号(0AB〜J番号)を、IP電話サービスを提供している現在の第二種電気通信事業者も取得できるようにする検討が進められています。
 ただ取得にあたっては、一般の電話と同等のサービスを提供することが条件になる見込みです。たとえば、市外局番で始まる電話番号はその市外局番を見るだけで地域が特定できるという特徴をもつ番号ですから、番号を取得するためには同様の特徴を維持するための仕組みを備えるといった要件を満足することが求められます。そのため、市外局番で始まる電話番号がむやみに多量に発行されることにはならないと思われますが、用いている技術に係わり無く必要な要件を満たせば一般の電話でもIP電話でも同じような番号が利用できる道が開かれることになり、IP電話サービスの普及にさらに拍車がかかることは間違いありません。




4.価格競争から品質競争へ

 1876 年にグラハム・ベルが発明した電話は、100年以上の年月を経て、世界中にクリスタルクリアな品質を実現する音声通信を実現しました。しかし、世界中の任意の2地点間に、瞬時に64Kビットの双方向回線を設定し、通話が終了するまでこの回線を保持し続けるには、大変コスト高な仕組みの維持が必要になります。この品質とコストのトレードオフは、世界中の通信事業者を長年、悩ませ続けてきた課題でした。

 IP電話サービスは、データ通信に始まり、LANやインターネットで長足の進歩を遂げた「情報をパケット(小包)という小さなブロックに区分して、順次蓄積転送する」技術をベースとしています。コンピュータのメモリやプロセッサ、そしてそれら相互間をつなぐ回線を光ファイバー化し、高速・大容量・安価にパケットをリアルタイム転送できるようになってからはじめて実用化されてきた音声通信、ブロードバンドの最初の大きなリアルタイムアプリケーションがIP電話です。
 近年のブロードバンドの普及により、パケット化された音声データの順次蓄積転送でも、IP電話サービスに必要十分な品質を、低価格で実現できるようになりました。しかしながら、IP電話の普及の拡大とともに、「声を荒げる上司の叱責に沈黙で応える部下の声にならない間合い」や「電話口から聞こえる恋人たちの会話にあるささやき」など、今までの電話ではごくあたり前に伝えることのできた会話情報以外の部分の「音声の品質」価値についてもより一層高い品質面での満足度が求められることになり、今までの価格競争のフェーズから品質競争のフェーズへシフトしていくことになるでしょう。

■VoIP、IP電話が創り出す新たなIPコミュニケーション

 
これまでIP電話サービスは、ブロードバンドアクセス回線( 主にADSL)を用いた格安の通話が主な特徴でしたが、今後はADSL以外のアクセス回線の利用やIP電話以外のIPアプリケーションと連携した付加価値利用へと広がっていきます。こうした展開を先取りする例を以下ご紹介します。

1.無線LANサービスを用いたIP電話

 ブロードバンドでいつでもどこからでも、固定から移動までアクセス可能な「ユビキタスコミュニケーション」が将来の通信イメージとして広く受け入れられつつあります。その第一歩として、駅や空港、ファーストフードの店内で携帯情報端末(PDA)やノートパソコンからインターネットを高速で利用可能にする無線LANサービスが徐々に広がりを見せています。

 NTT-ME でもネオモバイル(NeoMobile)という名前で東海道新幹線「のぞみ」停車駅全駅などで有料のトライアルサービスを提供していますが、この無線LANサービスと合わせてご利用いただくIP電話サービスについて昨年から今年にかけて試験サービスの提供を実施してきました。試験サービスをご利用いただいた方からはご好評をいただいており、現在本サービスの提供に向けて準備中です(図3参照)。


      図3 NTT-MEのネオモバイルネットワークモデル




2.他のIPアプリケーションとの連携

 IP電話サービスと連携するアプリケーションとしては、まず他のメッセージングアプリケーションがあげられます。たとえば、ネットワークに接続している相手と相互にテキストメッセージをリアルタイムで交換すること(チャット)や、ファイル転送を行うことができるインスタントメッセンジャーとIP電話サービスとの連携や、ボイスメールなどのメッセージを管理するグループウェアとIP 電話サービスの連携などが模索されています。たとえば、NTTコミュニケーションズ(株)と日本IBM(株)は、IP電話サービスとグループウェアを連携させるソリューションの開発・提供について提携した旨発表しています。
 その他にもパソコンの画面を共有(ドキュメント共有、アプリケーション共有)しながらIP電話で電話会議を行うことや、IPネットワークを用いてテレビ会議を行なうことがより一般的になることでしょう。既にNTT-MEでは、IP電話サービスと電話会議やドキュメント共有、アプリケーション共有を組み合わせたサービス「TOCSR(トクスル)(R)」の提供を始めています(図4参照)





NTTグループのブロードバンドIT戦略会社として
信頼性の高い企業向けVoIPサービスを提供


高い品質と豊富な実績を誇るNTT-MEのVoIP事業

 (株)エヌ・ティ・ティエムイー(以下、NTT-ME)は、今年4月からNTTグループのブロードバンドIT戦略会社として新たな体制でスタートをした。具体的には、よりIP・ブロードバンド市場に注力していく観点から、「WAN」(XePhion<ゼフィオン>を核としたネットワークソリューション)、「VoIP」、「データセンター」をコアに、グローバルな視点から、サービス・商材・商品のシナジーを創出し、市場動向、お客様ニーズに対して迅速かつ柔軟な対応を実施している。
 NTT-MEのIP電話サービスの最初の取組みは、1997年にNTTマルチメディアビジネス開発部(当時)で実施した「インターネット電話社内フィールドトライアル」である。このトライアルの結果をもとに、高信頼性を要するビジネス向けのVoIPサービスには、インターネットではなくVoIPサービス用の閉域IP網の必要性を認識し、「XePhion音声IPプラットフォーム」という全国をカバーする広帯域ATMネットワークをベースとする音声専用のIP網の構築を行うに至った。

 NTT-MEでは現在、この音声IPプラットフォームを利用し、企業向けを主とするIP電話サービス「XePhionコール」「XePhionコールPro」「XePhionコールダイレクト」「XePhion コールIP セントレックス」を提供している(図1 参照)。


          図1 NTT-MEのVoIPサービスラインナップ

 これらのサービスは高品質かつ豊富な実績、そしてNTTグループが提供する信頼感により、ご利用のお客様から高い評価をいただいている。
 NTT-MEとして、現在最も注力しているサービスが「XePhionコールIPセントレックス」だ。ユーザーの事業所にPBXを設置することなく、高速・高品質なIP ネットワーク「XePhion」を経由して、その機能が利用できるPBXのアウトソーシングサービスである。

 NTT-MEでは、2002年10月よりXePhionコールIPセントレックスサービスを専用型メニューとして提供、さらに2003年7月28日に共用型メニューを追加したばかりだが、お客様からは既に多数の問い合わせが寄せられている。中でも、本格的な導入の前に「通話品質や使い勝手は現状と比べてどうなのか試してみたい」というご要望が特に多い。
 そこで、NTT-MEでは、このようなお客様の声を受け、「XePhionコールIPセントレックスおためしパック」を本年8月に発売した。これは、「XePhionコールIPセントレックス」の品質・操作性・運用性・経済効果を本格導入前に確認するため、多機能IP電話機5台・スイッチングハブ1台・VPNルータ1台をセットにし、お得なキャンペーン価格で提供するものである。期間限定で先着予約販売を行い、大変好評をいただいている。

VoIP認定資格制度「VSCP」を導入

 法人のお客様から見た場合、IP電話サービスの導入を安心して任せるには、エンド・ツー・エンドでの品質保持はもちろん、幅広い知識、ノウハウ、実績がキーポイントになってくる。その点、NTT-MEは、ネットワークから端末までをワンストップで安心して任せていただける数少ない事業者の一つであると自負している。たとえば、XePhion音声IPプラットフォームを利用しているので、企業向け通話に耐えうる高い品質を提供することができる。前述のおためしパックでは、ネットワーク、LAN、端末まで、全てQoSを採用し、安心してお使いいただける。
 品質保持にはそれらの構築を支える人材ももちろん重要なポイントだ。ユーザーの音声設備の内容や代表の組み方、ダイヤルインの着信の仕方などは、ユーザーごとに独自の利用方法を運用していることが多く、それを調査し、設計するだけでも、相当なノウハウとスキルが必要となる。IPという比較的新しい知識はもちろん、レガシーな電話システムに関する知識と構築経験についても極めて重要となる。
 NTT-MEでは、IP電話サービスの提供に伴い、サービス品質を高めるため、社員教育体制にも力を入れている。これまでも自ら社内にIP電話システムを導入し、運用ノウハウの蓄積とVoIPの基幹システムを扱う技術者の養成を行ってきたが、お客様対応をさらに強化するため、VoIPの認定資格制度「VSCP」(VoIPSkill Certified Professional)を制定した。ルータ、VoIPアダプターの設定などの実技をはじめ、H.323やSIP等のプロトコルに対しての知識の習得に取り組んでおり、試験に合格した社員、関連会社社員のみがVSCP資格を得ることができる。2002年2月からこの制度をスタートし、現在約500名がVSCPを取得した。今後さらに増員し、サービスのグレードを高めていく考えである。
 PBX/ビジネスホンの技術も熟知し、さらにVoIPにもいち早く取り組み、導入から運用まで豊富なノウハウを蓄積しているNTT-MEにとって、電話設備のIP 化から音声通信とデータ通信を融合させた高度なアプリケーションの実現まで、お客様のあらゆる要望に応えることができる点は大きな強みといえる。

利用形態の柔軟化を推進

 数多くのIP電話事業者の中で、NTT-MEでは、当初から法人を主体にIP電話サービスの提供に注力してきた。IP電話の本格導入前の品質確認から始まったXePhionコールの利用は、不特定多数のお客さまへコールアウトする大手企業へと急速に広がってきている。また、ビジネスホンでの内線通話を全国的に利用するため、VPN サービスとXePhionコールProの組み合わせを導入されるお客様が2003年度に入って益々増えてきている。NTT東西会社の法人向けIP電話サービス開始のアナウンスなどのインパクトもあり、XePhionコールIPセントレックスに対するお客さまの引き合いも急増している。


         図2 IPセントレックスのメリット

 NTT-MEは、電話のプロフェッショナルとして、企業ユーザーの規模・現状の課題等を十分に理解し、安心してビジネス活動に利用できる高い品質のIP電話ソリューションを引き続き、迅速に提供していく。今後はIP電話サービス間の相互接続を進めていくことや、サービスに接続できるアクセス回線の多様化、また、IPセントレックスでPHS端末を利用できるようにするなどの利用形態の柔軟化を進めていく予定である。さらに、法人企業向けには、単なる音声通話のコスト削減に留まらず、コミュニケーション手段の見直しを機会とした、ERPソリューションやIPネットワークシステムへの移行等、ITソリューションの提供を積極的にご提案していきたいと考えている。


■お問い合わせ先■
(株)エヌ・ティ・ティエムイー
VoIP&ソリューションビジネス本部
TEL:03-5217-9072
E-Mail:voip-info@ntt-me.co.jp
URL:http://www.ntt-me.co.jp/




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