【NTT 東日本】

BizTalk Server 2004を利用した外食産業向け
受発注ソリューションを提供開始

 NTT東日本は、マイクロソフトのMicrosoft BizTalk Server 2004(以下、BizTalk Server 2004)を基盤とする外食産業(外食、中食、ホテル、飲料食品メーカ、卸商社)向けの受発注ソリューションの提供を本年4月28日より開始している。
 本ソリューションは、外食、中食、ホテルといった買い手事業者と、飲料食品メーカ、卸商社といった売り手事業者との間で日々発生する受発注処理、ならびに各企業内に存在する基幹システムとの連携を自動化するものである(図1参照)。


  図1 外食産業向け受発注ソリューションのシステム構成概要

■背景

 企業と取引先との受発注業務は、電話やFAX中心から、情報を電子化してネットワークでやりとりするEDI(Electronic Data Interchange)、さらにはインターネットを利用したWebEDIというものがある。
 WebEDIは、Webブラウザを操作し、インターネットを利用して受発注データの交換を行う仕組みであり、受発注業務の電子化が業務の効率化やコスト削減につながることはわかっていても、システムの導入や運用管理にかかるコスト等がネックとなってなかなか実現が困難だった企業にとって、魅力的なソリューションだ。
 通常のEDIに比べると取り決めが緩やかで、かつ専用設備が不要であり、パソコンとインターネット環境があれば手軽に始められるため、外食産業等を始めとして様々な業界において広がりを見せ始めている。
 現在の受発注処理は、電話、FAX、WebEDIといった方式が主流であり、別途、人手を介して受発注情報を社内の基幹系システムへ入力し直している企業も少なくない。外食産業においては、人手を介することによる入力ミス等の損失が、多いところでは月に数百万円にもおよぶケースがあり、受発注処理に関するデータ交換の自動化への要望が高まっている。しかし実際には、セキュリティ及び信頼性への不安、また取引先毎に応じたシステム化や専用トランスレータ(取引先のデータ形式を自社のデータ形式へと変換するシステム)の必要性等の課題が存在し、これまではこうした要望への対応が困難であった。
 このような背景を踏まえ、NTT東日本では上記課題に応えられるソリューションとして、BizTalk Server 2004を基盤とし、主要受発注ASP( Application Service Provider)やパッケージソフトウェアのインタフェースを搭載したプラットフォームを開発した。これを利用することで、自社システムと取引先システムとの間で行われるWebEDIによる受発注処理を自動化し、人手による煩雑な作業を解消することで、ヒューマンミスによる損失を防ぐことが可能となる。
 BizTalk Server 2004は、BPM(Business Process Management)やEAI(Enterprise Application Integration)、B2B(企業間取引)、インターネットEDIなどの各種ソリューションを実現するプラットフォームだ。SOA(Service Oriented Architecture;サービス指向アーキテクチャ)をベースとしながら、XML Web サービスなどの業界標準に準拠したソリューションや、企業に点在する様々なミドルウェア、ホストデータ、ERP パッケージ、データソースなどをつなげ、顧客やパートナーも含めた、企業内/企業間のビジネスプロセスの可視化と最適化を実現する。SOAとは、アーキテクチャやインタフェースの違いを気にすることなく、あらゆるアプリケーションをネットワーク経由で「サービス」として自由に組み合わせて利用できるようにするためのシステム設計上の手法のことだ。最近の米IDC社の発表では、IT サービス各社でWebサービス関連のプロジェクトが着実に増えており、SOAが同市場に重要な影響を与え始めているという。

■サービスの特長

 
本ソリューションは、買い手と売り手との間でやり取りされる発注データや出荷予定データ等の送受信を自社基幹システムと連携させ、受発注処理に関する一連の流れを自動化するものである。また、外食産業において最近増加しているASPを利用する形態にも適用できることが特長となっている。
 さらに、BizTalk Server 2004を含むWindows Server Systemによるプラットフォームの提供と、外食産業でも普及が期待されるXMLを含む各種インタフェースの標準搭載は、高いコストパフォーマンスを発揮し、エンドユーザーへの安価なソリューションの提供を実現している。
 現在、受発注ASPとのインタフェースは「ASPIT」、「FOODS Info Mart」、「WRSH」、「BistroMate」に対応しているが、このような標準ASPでなくても、CSVやテキストファイル型であればWebもしくはメール添付の場合でも対応可能である。また、パッケージソフトウェアは、オープンソースの飲食業向け「セルベッサ」、「ハイパーレストラン」に対応している。

■提供価格

 基本的な機能のみのプラットフォーム導入価格は500万円程度。通常は別途、カスタマイズ費用等が発生するので、具体的な価格については個別見積り対応となっている。

■販売ターゲット

 
本ソリューションは、WebEDIを利用した受注業務において人件費等の課題を抱えている売り手企業、及びFAX等を利用した従来の発注業務をインターネット経由の発注へ一元的に統合したいと考えている買い手企業を想定。年間販売目標は20社を目標にしている。

■両社の役割

 NTT東日本が本ソリューションの提供及び販売を、マイクロソフトがBizTalk Server を中心とした技術的な支援を担当。プロモーションについては、両社共同で行う。

■今後の展開

 
今後、プラットフォーム化しておくASPやパッケージソフトの追加、及び既存インタフェースのバージョンアップを行っていく。また、交換できるデータ種類の追加とパッケージ標準フォーマットの改良も同時に行っていく予定という。
 なおNTT東日本では、流通サービス及び製造業の受発注に関するソリューション展開を全般的に行っており、実績も豊富なため、若干ソリューションの内容と異なる案件に対しても柔軟に対応していく方針だ。

お問い合わせ先

東日本電信電話株式会社
法人営業本部
ビジネスインテグレーション営業部
eSCM担当 小林/守屋

E-mail:scm-call@ml.bch.east.ntt.co.jp

TEL:03-3830-5931

 


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