【NTTソフトウェア】

リッチ・クライアントで
高セキュリティWeb アプリ
ケーションを
簡単に構築できる
Curl 開発環境

「CipherCraft (R)/Curl」を共同開発し、販売開始

 NTTソフトウェアと米国カール社は、高生産性を誇る次世代Web言語「Curl(カール)」にセキュリティ機能を拡充したシステム開発・実行環境である「CipherCraft/Curl(サイファークラフト/カール)」の販売を開始した。これは、純国産次世代暗号アルゴリズムである「Camellia(カメリア)」*1を採用した暗号エンジン「CipherCraft(R)(サイファークラフト)」に対応した独自セキュリティAPIを両社が共同開発し、Curl 開発・実行環境に搭載したものである。

■次世代Web 言語「Curl」とは

 「Curl」は、米国マサチューセッツ工科大学で開発された次世代Web開発言語で、Web上での情報流通の際に、ネットワークサイドのサーバとの通信を最低限に減らし、クライアントサイドで処理を行うことにより、従来では実現できなかった高速処理を可能とするリッチ・クライアントを実現するのが大きな特長である。また、Webの構築を行う場合、豊かなグラフィック機能による操作性の高いGUIを実現するほか、描画・処理・ハンドリングの全てを「Curl」単独で実現できるため、複数の言語を組み合わせる場合よりも容易に開発・保守が可能となる。


           図1 Web 系言語の比較

■「CipherCraft」とは

 「CipherCraft」は、NTTソフトウェアが2003年3月に販売開始した暗号エンジンである。2003年2月末に、EU(欧州連合)認定の標準暗号方式検討団体(NESSIE)により次世代推奨暗号方式として選定された「Camellia」と「PSEC-KEM」*2に、暗号エンジンとしては業界で初めて対応している。「Cipher Craft」は「Camellia」、「PSEC-KEM」の他にも、次世代米国政府標準暗号の「AES」、「3-DES」など大部分の暗号にも対応している。
 NTTソフトウェアでは、「Cipher Craft」を基盤とする暗号セキュリティソリューションを「CipherCraft シリーズ」として製品化しており、2003年3月には第一弾として、VPN機能を搭載した暗号通信パッケージ「CipherCraft/VPN」、同年10月には第二弾として、暗号メールパッケージ「CipherCraft/Mail(サイファークラフト/メール)」を販売。
 そして2004年2月には第三弾として、次世代Web開発言語「Curl(カール)」にセキュリティ機能を拡充したシステム開発・実行環境「Cipher Craft/Curl(サイファークラフト/カール)」の販売を開始した。

■「CipherCraft/Curl」の特長

 「Curl」は、Web上の様々なシステムを構築する際の言語として、今後大幅な普及が期待されている。「Curl」の開発・実行環境に、世界最高水準の安全性と効率性を誇る「Camellia」に対応した暗号エンジン「CipherCraft」をセキュリティ機能として組み込む共同開発を行うことにより、「Curl」を利用して開発したシステムにおけるセキュリティ機能を大幅に向上させることができる。具体的には、「Curl」で構築したWebアプリケーションで扱う情報を「CipherCraft」で暗号・復号することでクライアントデータや通信データ等の盗聴・改ざんを防止することができるほか、クライアント認証やアクセス制御機能により、なりすましの防止や認証ユーザーごとにコンテンツの制限をかけること等が可能となる。


     図2 「CipherCraft/Curl」が生み出すメリット

 また、Webを活用したシステム構築時には、操作性が重要視されるため、ユーザーインタフェースやグラフィックスなどを充実させる、様々なWeb系言語を習得する必要があるが、今回販売開始した「Cipher Craft/Curl」は、JavaScript、JavaApplet、HTMLなど既存の言語のブラウザテクノロジーを包括しており、テキスト・データの構造化からマルチメディア・コンテンツの作成、スクリプトの記述、オブジェクト指向プログラミングまでをカバーしている。これにより、複数の言語を組み合わせるよりも容易にかつ短期間で、高生産性・高セキュリティなWebアプリケーションの構築ができる。
 「CipherCraft/Curl」は、オブジェクト指向開発等に強いシステムインテグレーター、ASPサービス企業、パッケージソフトウェア販売企業等の各企業が利用することによって、リッチ・クライアントで高セキュリティのシステムを構築しエンドユーザーに提供することができる。
 NTTソフトウェアでは「CipherCraft/Curl」の販売において、直販のほか、カールアジアパシフィック(以下CAPC)と協調し、代理店販売での展開を予定している。また、「Curl」の日本・韓国の総販売代理店であるCAPCとは、日本および韓国地域のマーケット開拓についても協力しながら展開していく。

*1:Camellia
 NTTと三菱電機が共同開発した、128 ビットブロック長の共通鍵ブロック暗号アルゴリズム。鍵長は128 、192、256 ビットに対応している。次期米国政府標準暗号AESの候補として最終選定されたRijndael と比較し、より高い安全性を実現している。また、低コスト型IC カード(8 ビットCPU)からPC(32 ビットCPU)、サーバ系(64ビットCPU)まで実装環境に応じた高速なソフトウェア実装、並びに世界最小かつ最高水準の処理効率をもつハードウェア実装が可能であるなど、優れた実装性能も兼ね備えた暗号方式。

*2:PSEC-KEM
 NTTが開発した、楕円曲線上の離散対数問題に基づく鍵共有のために使用できる公開鍵暗号方式。楕円エルガマル暗号と同等の性能を持ち合わせており、安全性の証明がなされている。



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