(株)NTTデータ
ビジネスイノベーション本部 
COI ビジネスユニット長
上野山 英樹氏
 
 Web を中心とするインタラクティブメディアを利用し、企業のマーケティングやプロモーションの企画・制作・運用・R&D等を行う「(株ウェブプロデュース」kをNTT東日本と設立したNTTデータのビジネスイノベーション本部COIビジネスユニット(以下、COI-BU)。NTT グループのシナジーを最大限に発揮し、市場展開とECソリューションのワンストップを目指すNTTデータの取組みについて、COI-BUの上野山英樹BU長にうかがった。

企業のネットビジネスを
ワンストップでサポート

―まず初めに、COI ビジネスユニットが手がけてきたビジネスからお聞かせください。

上野山 私どもCOI-BU(Community Of Interest - Business Unit)は、生活者の視点で新しいビジョンを考えて、インターネットを活用したコミュニティから発生する様々なバリューを基にビジネスの開拓を行っています。例えばIT 社会におけるCSR(Corporate Social Responsibility)のあり方や、企業と生活者との新しいコミュニケーションデザインなどについて考え、提唱してきました。従来COI-BUは、NTTデータの新規事業を行う部門から事業の根底はスタートしています。インターネットが広まりだしてきた1995年位から、NTTデータでは、「まちこ」「マグネット」などのインターネット上での電子商取引の場であるEM(Electronic Marketplace)やコミュニティサイトの運営に取組んできました。
 10年前は特定の企業やベンチャー企業がトライしていましたが、10年を経て現在では、一般の企業や個人が情報を発信するようになり、商店街の小売店や個人がECサイトを開設するようになりました。例えばホームページにおいても、従来は企業の情報発信が中心でしたが、現在では、ブログで代表されるように、一人一人が情報を発信できるようになっています。
 このように、インターネットが、この10年で生活者すべてのライフラインになってきたといえます。従って、現在はトライアルではなく、インターネットを活用したコミュニティが本当のビジネスとして利用されるようになった時期と捉えています。

―インターネットを利用したコミュニティの環境や市場が大きく変化した中で企業のネットビジネスへの新たな取組みをお聞かせください。

上野山 COI-BUでは、これまでコミュニティに特化して事業に取組んできました。しかし、今後は、ネットキャンペーン、映像配信などマーケティング領域、システムコンサルティングなどのEC/Web−SI領域や、物を販売した後の決済・物流・コールセンターなどフルフィルメント領域のECトータルソリューションを整備することにより、COI-BUを中心として、今後、企業が取組むネットビジネスをワンストップでサポートする体制を創り上げていきたいと考えています(図1参照)。


      図1 企業のネットビジネスをワンストップでサポート

 そのために、この度組織を整備して、新たにWebを中心とするインタラクティブメディアを利用し、企業のマーケティングやプロモーションの企画・制作・運用・R&Dなどを行う「(株)ウェブプロデュース」(以下、WPC)を設立しました。同時にECソリューションを提供する関連会社をCOI-BUに連結していくことをNTTデータでは取組んでいます(図2参照)。


          
図2 各ソリューションの連携による事業拡大

関連会社の機動力を活かし、事業価値の最大化を目指す

―新会社ウェブプロデュースの特長をお聞かせください。

上野山 新たに設立したWPCの事業領域については、従来NTTデータは持っていなかった分野です。これらの事業領域については、NTT東日本とNTT-MEが持っていたソリューションを新会社に集結しています。今回の新会社は、会社の枠を超えたこれまでにないNTTグループとしてのシナジーの出しかたであると考えています。
 WPCにおいては、NTTグループフォーメーションを活用し、NTTデータ、NTT東日本及びNTTデータ関連会社等と連携を図り、WPC関連の各種サービス、ソリューションを提供しつつ、携帯電話・テレビなどと連携した新しいマーケティング手法・サービスを提供して参ります。これにより、従来の営業範囲を超えて幅広い側面からお客様への提案が可能となり、その結果、NTTグループ全体での更なる収益拡大へ繋げること目指します。
 これからのECソリューションやネットビジネスにおいては、ITインフラの普及により、規模への対応が重要であると考えています。大規模システムへの対応力については、従来からのNTTデータの経験とノウハウで対応して参ります。また、小規模システムについては、関連会社を活用し、きめ細かな対応力を活かして生きたいと考えています。それぞれの関連会社についての詳細は、この後の各論で紹介します。

各ソリューションの連携による事業拡大を狙う

―関連会社間の連携や関連会社の求心力についてはどのようにお考えですか。

上野山 今後の企業のネットビジネスは、大規模投資や技術的リスクなどが伴います。これらの投資について、引き続きCOI-BUが行うことが関連会社への求心力であると考えています。そして、マーケティング、EC・WEB-SI、フルフィルメント各領域のソリューションとCOI-BUを連携させることで新領域での受注獲得を狙っていきたいと思います。

―本日は有り難うございました。





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