【NTTアドバンステクノロジ】

高性能電磁波シールドルームを経済的・短期に
構築可能な「E.S.D.工法」を開発

 NTTアドバンステクノロジは、福井県工業技術センターの指導のもと、有限会社デフォルメと共同開発を行い、経済的かつ高性能な電磁波シールドルームを構築できるE.S.D.(Enhanced Shield Design)工法を開発した。
 E.S.D.工法は、高度な電磁波セキュリティが要求されるサーバ室や、工場における電磁ノイズを嫌う生産設備、電磁波シールドが必要な実験設備等に対して、経済的かつ短期間にシールド室を構築することができる新しい工法である。
 今後、NTT-ATでは、セキュリティ対策用フィルタやシールドラック、iDCシールドバウルトとともに電磁波セキュリティ対策ソリューションのラインアップに加え、提供をすすめていく。

■開発の経緯

 近年、コンピュータから放射する意図しない電波によって、モニタ画面などの情報が外部から盗み見られる通称TEMPESTや、外部から強力な電磁波を発射してサーバなどの誤動作誘発、故障に至らしめる電磁波攻撃への対策の重要性が問われている。そのため、国内外を問わず、電磁波攻撃や電磁波による情報漏洩の対策に関する規格化やJIS化がすすめられている。


            E.S.D.工法の機能部分外観写真

 また、精密加工や高周波回路の調整等の工業分野においても生産ラインの周囲からの電磁ノイズが精度や歩留まりを低下させるなど、電磁ノイズ対策や高周波試験設備、実験設備などで経済的なシールドルームの必要性が高まってきている。
 しかし、従来の電磁波シールドは構築に多額な費用が掛かる上、建物内壁とシールドルーム外壁の間に施工用の空間が必要だったり、簡易シールドでは十分な性能が得られない、などの問題点があった。
 このような社会的な要請に対して、有限会社デフォルメが特許を取得したシールド工法に対して、福井県工業技術センターの指導のもと、NTT-ATのEMC評価技術、電磁波対策技術、フィルタ技術を駆使して改良を行い、E.S.D.工法を開発した。また、シールド素材や構造部材についても福井県工業技術センターを中心に福井県のメーカの協力体制を構築し、高性能なシールドルーム工法の商品化を実現させた。

■E.S.D.工法の特徴

 
従来の工法では、ねじ止め部では強力に圧着できても、ねじ止め部とねじ止め部の中間に隙間ができ、電磁波が漏れるという欠点があった。
 これに対して本工法は、内装工事における二重ボード支持骨材にシールドシートを貼り付ける構造で、骨材の溝にバネでシールドシートを密着する構造をとっている( 特許3626489号)。そのため、シールドシートの取り付け部分に隙間ができず、高いシールド特性を安定的に得られる特徴がある。現時点で採用しているシールドシートでは、50dB以上の電磁波シールド性能が30MHzから7GHzの広い周波数帯域で実現している。
 また、工事はすべてシールド室の内側から施工できるので、建物壁との間に作業スペースを作らずに工事ができ、既存の部屋の内部に最大限のシールドスペースを確保することが可能となる。更に、内装もフレキシブルに変更可能であり、防音特性や断熱特性を強化したり、質感にこだわった内装を施すような要望にも容易に対応できる。附属するシールド部品の経済化を図り、トータルコストも抑えられる。

お問い合わせ先

NTTアドバンステクノロジ株式会社
アクセスネットワーク事業本部
EMCセンタ 担当:小野
TEL:0422-51-9811

E-mail:toshiaki.ono@ntt-at.co.jp

 


Copyright:(C) 2005 BUSINESS COMMUNICATION All Rights Reserved