NTTデータは国土交通省が推進する空港手続きの電子化に関する実証実験「SPT（Simplifying Passenger Travel）トライアル2007」に参加・協力を行う。この実証実験では、ICカード技術及びバイオメトリクス技術（生体認証技術）を活用した安全・迅速な旅客手続きモデルとして、指紋情報を登録したICカードを用いて出国審査手続きと航空会社の搭乗手続きを集約して行う仕組みを構築し、2007年１月30日より成田国際空港にて運用検証を行う。

国際空港における渡航に関わる諸手続きをITを活用して簡素化する取組みは、各国政府機関などで構成される協同体により国際的に推進されている。国土交通省では関係府省、関係機関との連携により航空の安全を確保しつつ搭乗手続きの簡略化・迅速化を目指すための検討が進められている。今回の実証実験は、こうした取組みの一環として、国土交通省と法務省入国管理局が連携し、全日本空輸（ANA）、日本航空インターナショナル（JAL）、成田国際空港、及びNTTデータの協力の下で行われる。

空港における渡航手続きの迅速化と出国審査における確実な本人確認の実現のために、本実証実験では、指紋情報を登録した実験用ICカードを用いて出国審査手続きと航空会社の搭乗手続きを集約して行う仕組みを構築。実験を通じて、仕組みの運用性の検証、バイオメトリクス情報の利用において検討すべき問題点等の把握を行う。実証期間は、　2007年１月30日～2007年３月23日の予定で、実施場所は成田国際空港第１旅客ターミナル、第２旅客ターミナルとなっている。

実証実験の概要を図に示す。成田国際空港より出発するANAもしくはJALの運航する国際便を利用する旅客を対象にモニターを募集（2007年１月中旬以降、ANA及びJALにおいてモニターの募集を開始する予定）。成田国際空港でモニターに対して、指紋情報が登録された実験用ICカード「SPTトライアルカード」を発行する。出国審査場に設置される自動化ゲートにて、SPTトライアルカードを利用した本人認証を行い、優先レーンを用いて優先的に出国審査を受けてもらう。また、出国審査場内で航空会社の搭乗手続きを併せて行う。モニターにアンケート調査を行い、回収したアンケート等から評価・分析を行う。

SPTトライアル2007の概要（クリックして拡大）

NTTデータは、今回の実証実験で、実証実験プロジェクトの企画、立案、運営、ICカード・PKI・生体情報の登録といったセキュリティ技術の提供を行う。NTTデータではこれまで国際空港の高度IT化を先導する「e-エアポート」構想の一環として実証実験や検討会への参加などを行っている。