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ICTソリューション総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

ビジネスコミュニケーション

情報システム基盤の実現要求を顧客視点で見える化する共同検討会発足

-6社でシステムの非機能要求に関する要求認識の共通化を促進-

NTTデータ

NTTデータ、富士通、日本電気、日立製作所、三菱電機インフォメーションシステムズ、沖電気工業の6社は4月14日、「システム基盤の発注者要求を見える化する非機能要求グレード検討会(略称、非機能要求グレード検討会)」を発足すると発表した。

非機能要求とは、「性能」「可用性」「セキュリティ」「移行」「運用」「拡張」など、システムの機能要求(業務フローなど実現する業務自体を示す要求)と比較して従来は表しにくかったシステムの強度や品質を示すもの。非機能要求の多くは特定の機能をどの程度の速さで処理するか、どの程度の問題が起きても機能を継続して提供するかなど、機能を実行する際の実現レベルを示す。

情報システムを開発する際には、受発注者の双方が要求を正確に認識することに多大な労力を使っている。中でも「非機能要求」と呼ばれる要求はその認識共有が難しい。さらに、その手段が確立していない。そこで本検討会は、非機能要求の選択肢を提示し、メニュー化する非機能要求グレードの標準案を策定して開発ベンダーのみならず、発注者企業を含む業界全体へ広くその利用を働きかける。

国内主要SI事業者6社が結集した本検討会では、これまで企業ごとやプロジェクトごとに行われていた情報システムの非機能要求の見える化と確認方法について、顧客(発注者)と開発ベンダー(受注者)の両者で共通の認識を持てるようにする方法を検討し、IT業界ならびに顧客企業まで広く利用されることを目指す。

本検討会で期待される効果は、顧客(発注者)と開発ベンダー(受注者)間のコミュニケーションが円滑化され、さらに、具体的な内容で受発注者が共通の認識を持つことで、情報システムが支える業務を目的通りに実現できることだ(図1参照)。

図1 期待される効果
図1 期待される効果

検討の内容

本検討会では、参加各社が持つ事例や知見を持ち寄り、情報システムを開発する中で、顧客と開発ベンダとで確認し合意することが望ましいシステム基盤に関わる非機能要求について、「要求項目」と「グレード(要求項目の実現レベルの差を示す)」の2つを見える化する。

具体的には、非機能要求の要求項目ごとに選択肢を示しメニュー化することにより見えにくかったシステム化実現要求の「見える化」を図り、受発注者双方で共通認識を図るための水準を策定し、両者が理解し確認しやすい成果物体系として開発するとともにその普及展開を図る。また、非機能要求の要求項目ごとに選択肢を示しメニュー化する成果物のイメージは、図2のようになる。

図2 非機能要求をメニュー化するグレードの概要
図2 非機能要求をメニュー化するグレードの概要

検討会の活動予定

2008年上期に、6社によるシステムの非機能要求の事例や知見を持ち寄り、効果的な表現方法の検討から順次着手する。1年後の2009年4月を目処に標準案を策定してホームページなどで公開し、その後、他の関連団体への働きかけや出版等の手段を中心に普及展開を行い、2009年9月末をもって活動を終了する予定である。

お問い合わせ先

株式会社NTTデータ
技術開発本部
TEL:050-5546-2303

NEWS(2008年5月)

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