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ICTソリューション総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

ビジネスコミュニケーション

慶應義塾大学とNTTが、4K超高精細映像による多地点テレビ会議の実演に成功

-超高精細映像を利用したネットワーク協業の実現に向けて-

慶応義塾大学/NTT

慶應義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構(以下DMC機構)とNTTは、カリフォルニア大学サンディエゴ校とイリノイ大学シカゴ校の協力のもと、2008年12月8日(月)~10日(水)に米国サンディエゴで開催された、超高速ネットワーク環境における超高品質メディアの応用を実証する国際的な研究コミュニティであるCineGrid(http://www.cinegrid.org/)・ワークショップにおいて、東京、サンディエゴ及びシカゴを10GbpsのIPネットワークで結び、4K超高精細映像(ハイビジョン映像の4倍の解像度)と2K映像(ハイビジョン)の映像設備が混在した遠隔協調環境において、4Kカメラ映像を用いた多地点テレビ会議を実演することに世界で初めて成功した。

4K超高精細映像は、横方向に約4000、縦方向に約2000の1画面あたり約800万の画素を持つ映像。一方2K映像は、横方向に約2000、縦方向に約1000の1画面あたり約200万の画素を持つ映像である。デジタルシネマの規格では、4K映像の画素数を4096×2160、2K映像の画素数を2048×1080と定めている。なお、ハイビジョン放送(HD)は1920×1080の画素数で規格化されている。

今回の実演は、地球規模のIPネットワークを介して複数拠点間で超高精細映像をリアルタイム共有する遠隔協調環境の実現、及び移動に伴う環境負荷を低減しつつ、学術・教育・医療・文化・娯楽など幅広い分野での新たな協業活動の可能性を実証するもの。

実証実験の詳細

今回の実演では、NTT未来ねっと研究所(以下NTT研究所)が開発した、4K映像成分と2K映像成分に分離して4K映像を符号化伝送する4K/2K階層化配信技術、IPマルチキャスト機能を持たないネットワークにも対応したFlexcastストリーム分岐技術、及び映像同期信号の高精度配信技術と、DMC機構が確立してきた4Kや2Kの高精細映像制作技術、地球規模のネットワークにおける4K映像配信技術を組み合わせることで、未来の遠隔協調環境の実現に成功した。また、高品質映像素材の伝送技術として2K24P映像のRGB4:4:4非圧縮伝送の実演、動きの速い映像素材を扱うための技術としてJPEG2000コーデックを用いた4K60P映像のリアルタイムストリーミングの実験、及びリアルタイム性を必要とするネットワークアプリケーションのためのパケット単位の通信遅延時間の計測を行った。

4K超高精細映像による多地点テレビ会議実験の概要
4K超高精細映像による多地点テレビ会議実験の概要

(1)4K超高精細映像を用いた3地点間遠隔協調環境の実現

4K超高精細映像を2地点で用いた世界初のテレビ会議システムの実証実験に成功。また、映像配信方式にJPEG2000コーデックの4K/2K階層化配信技術を新たに採用することで、4K映像設備を持つ拠点間のみならず、4K映像設備を持たず2K映像設備のみを有する拠点と4K映像設備を持つ拠点との遠隔コラボレーションを可能にした。多地点配信にはFlexcastプロトコルを採用し、ネットワーク内にストリーム分岐装置を設置することで、IPマルチキャスト機能を持たないネットワークにも対応している。遠隔協調環境として、各地点でカメラと他の2地点の映像を表示する2つのディスプレイを工夫して配置し、表示される映像が等身大のサイズになるように撮影・表示することで、あたかも3人が向き合って話をしているかのような環境を実現した。

さらに、よりスムーズな会話を実現するために、複数の教育研究用の広帯域ネットワークを相互接続し最短の遅延時間で通信が行えるようにネットワークを構築した。これらにより、4K超高精細映像を用いたテレビ会議システムの実現可能性、またその高い解像感がもたらす豊かな臨場感を伴うテレビ会議システムにより未来の遠隔協調環境への展望が実証された。

(2)2K RGB4:4:4映像の豊かな色彩を劣化なく伝送する技術の実現

映画などに代表される高品質映像制作の現場で利用されている、2K(2048×1080画素)、毎秒24フレーム・プログレッシブ、RGB4:4:4のデジタル映像(以下2K24P映像)を、圧縮せずに約3GbpsのIPパケットストリームとして伝送することに成功した。

DMC機構がHD24P映像を出力するカメラ及び2K非圧縮映像素材を用意し、NTT研究所が開発した非圧縮映像多重伝送装置(i-Visto gateway XG)にDual-Link HD-SDIで入力し、これをカリフォルニア大学サンディエゴ校にIPパケットストリームとして送信、現地で受信再生し、映像品質の劣化や符号化遅延のない映像を表示した。これにより、映画制作の現場などで、ロケ地で撮影した映像をリアルタイムに制作スタジオに伝送し、編集作業を行うといったネットワーク分散編集環境の実現可能性が実証された。

(3)4K60Pの動きの速い映像をリアルタイムに伝送する技術の検証

毎秒60フレーム・プログレッシブの4K映像(以下4K60P映像)のJPEG2000によるリアルタイムストリーミングの実験を行った。4K60P映像は、4Kの高い解像度と通常の2倍のフレームレートを兼ね備えた映像で、空間解像度と時間解像度の両方に関して優れた映像再現性を持っている。今回の実験では、DMC機構が制作した4K60P YCbCr4:2:2〔輝度信号(Y)のみ74.25MHzで、色差信号(Cb、Cr)は半分の37.125MHzでサンプリングする方式〕の非圧縮収録映像(非圧縮時約12Gbps)を、慶應義塾大学からカリフォルニア大学サンディエゴ校に向けて、NTT研究所が開発したJPEG2000コーデックを用いて最大800Mbpsに圧縮してストリーミング配信を行った。この技術により、スポーツなど動きの速い映像の遠隔地での大画面ライブ視聴やより臨場感のあるテレビ会議など、ネットワークを使った新しい映像サービスが可能になる。

(4)高精度同期クロック配信を用いた4K映像伝送の補助技術の検証

今回の実証実験では、映像・音声信号だけではなく高精度な同期クロックも配信し、これが4K映像のリアルタイム伝送の実現を支えている。高精度同期クロック配信技術には、NTT研究所が開発したNTPハードウェア実装技術(標準SNTPプロトコルのハードウェア処理)を利用し、非同期IPネットワーク経由ながら同期ネットワーク並(精度サブマイクロ秒)の日米間クロック同期を実現した。これを用いることで、まずデジタル映像・音声機材に必要なリファレンス同期信号を送信元と受信先で同期させることが可能になった。さらに、パケットの通過時刻を記録するプローブ装置に高精度の同期クロック機能を搭載、これを送信側と受信側に配置することで、ネットワークを通過する際に4K映像等のデータパケットがどの程度遅延するのかをリアルタイムに計測することに成功した。これにより、IP網では避けられないパケットごとの伝送遅延時間の微小な揺らぎを、GPSなどの外部クロック入力なしに簡単に計測できることが実証された。

この技術はネットワークの品質評価や高いリアルタイム性を必要とする通信アプリケーションの動作検証に有効である。

今後の展開

DMC機構、NTTは、今後も高速ネットワークを用いた高品質デジタルコンテンツの流通や制作に関する研究や、学術・教育・医療・文化面での利用技術に関する研究を進めていく予定である。

お問い合わせ先

慶應義塾広報室 兒玉
TEL:03-5427-1541
Email:m-koho@adst.keio.ac.jp
日本電信電話株式会社
先端技術総合研究所 広報担当 飯塚
TEL:046-240-5157
URL:http://www.ntt.co.jp/sclab/contact.html

NEWS(2009年2月)

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