ミラクル・リナックスは、インテルAtomプロセッサ対応の組込み型Linux OS「Embedded MIRACLE」の提供を３月10日から開始する。

Embedded MIRACLEは、モバイル・インターネット・デバイスやNetbookだけでなく、一般の組込みボード等にも利用可能な組込み型のLinux OSである。その大きな特長は、オープンソースプロジェクト「moblin.org」の成果を活用した高速起動技術「Fast Boot」である。このFast BootによりOS起動時のI/O待ちを短縮し、CPUの稼働率を向上させることが可能になった。これにより、ブートローダからデスクトップ画面描画までの起動時間が11.7秒となり、従来のデスクトップ向けLinuxの起動時間と比べ、約1/7にまで短縮することに成功した。またFast Bootは、①インテル社に所属しているArjan van de Ven氏が提案・作成した方式（パッチ）を採用し、従来シーケンシャルで処理していたデバイスの初期化を平行処理、②OS起動に必要なサービスの起動順序を変更、③Super Read Ahead機能を活用し、OS起動に必要なファイル・リードを先行処理、といった技術を採用している。

Fast Bootは、サスペンド／レジューム等のスナップショット情報を利用した高速起動技術とは異なり、純粋なコールド・ブートからの高速起動技術である。これにより、組込製品開発において大きなカスタマイズ作業を要することなく、簡単に利用することができるようになった。

今後、ミラクル・リナックスでは、インテルAtomプロセッサを搭載した様々なハードウェアに対し、ハードウェア・アクセラレーション機能への対応などの最適化を進めていく。