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ICTソリューション総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

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GaN系エピタキシャルウエハ製造を三菱化学に委託、量産化に対応へ

NTTアドバンステクノロジ

NTTアドバンステクノロジ(以下:NTT-AT)は、ユビキタスネットワーク時代を支える高性能電子デバイスの製造に向けてキー素材となる窒化ガリウム(以下「GaN」)系エピタキシャルウエハ*1の生産能力を拡大するため、三菱化学株式会社(以下:三菱化学)への製造委託を本格的に開始した。これにより、GaN系エピタキシャルウエハを活用した高性能電子デバイスの開発とその普及促進に貢献する。

写真 GaNエピタキシャルウエハ(6インチ)
写真 GaNエピタキシャルウエハ(6インチ)

ユビキタスNW時代を支えるキー素材

来るべき、いつでもどこでもネットワークに繋がるユビキタスNW時代に必要となる超高速・大容量の無線通信システムを実用化するためには、パワーアンプなど高周波で動作する高性能な電子デバイスが不可欠である。また、電子機器の省エネルギー化・小型化も必須の課題であり、その新しい実現手段、高温環境下かつ低消費電力での動作が可能な電圧変換素子としてGaN系電子デバイスに注目が集まっている。このため、GaN系電子デバイスを製造するときのキー素材であるGaN系エピタキシャルウエハを安定供給できる体制を作ることが急務であった。

オリジナル製造技術に基づく量産体制確立

このような社会的な状況を視野に入れ、NTT研究所が開発したGaN系エピタキシャルウエハの基盤技術を基に、NTT-ATでは顧客ニーズに合わせたカスタマイズを行い、2005年から当該ウエハの製造・販売を行ってGaN系電子デバイスの発展に貢献してきた。このたび、予測されるさらなる市場拡大に素早く対応できる十分な生産能力を確保することを目的として、三菱化学へ製造を委託することを決定した。三菱化学がこれまで培ってきたMOCVD*2装置によるLED製造用GaN系エピタキシャルウエハの量産技術とNTT-ATの製造ノウハウを融合させ、電子デバイスへの利用が可能なGaN系エピタキシャルウエハの量産体制を確立したことによって、今後のGaN系高性能電子デバイスの発展を強力にサポートできるようになった。

下地基板にもGaNを採用、さらなる高性能化へ

また、GaN系電子デバイスのさらなる高性能化に貢献するため、三菱化学が白色LED用部材として製造・販売しているGaNを下地基板とする新しいタイプのGaNエピタキシャルウエハを、電子デバイスにも利用するため、必要な研究開発についても共同で進めていく予定である。

【用語解説】

*1:窒化ガリウム系エピタキシャルウエハ
シリコン(Si)やサファイア(Al2O3)等の下地基板の上に、窒化ガリウム(GaN)を薄膜状に結晶成長させたもの。携帯基地局用パワーアンプやインバータ(電源回路)などに利用されるパワースイッチング素子の部材などに使われている。
*2:MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相成長)
有機金属ガスを用いた化学蒸着による半導体結晶成長のこと。

お問い合わせ先

NTTアドバンステクノロジ株式会社
先端プロダクツ事業本部
ナノテクビジネスユニット
TEL:046-250-3344
FAX:046-270-2439

NEWS(2010年2月)

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