EMCジャパンは、大規模データの分散アプリケーションに使用されるオープンソースソフトウェアであるApache Hadoopと100%の互換性を有し、ビッグデータを超高速に分析処理する「EMC Greenplum HD Enterprise Edition」（以下、Greenplum HD EE）の販売を開始した。

ビッグデータを超高速に分析処理するGreenplum HD EEは、Apache Hadoopとの互換性を維持しつつ革新的に再設計された実装を核に、インストール、トレーニング、導入から保守・運用に至るサポートなどを付加した包括的なHadoopプラットフォームである。

Greenplum HD EEは、ビジネスインテリジェンスやデータ転送などのテクノロジーを提供する多数の主要パートナーによる製品の認定を受けている。それらの製品を活用することにより、リアルタイムなデータのやり取りを実現するとともに、信頼性を向上させ、Hadoopのより容易な導入および活用を可能にする。

Hadoopは、非構造化データのビッグデータ分析に適したミドルウェアとして注目されている。変わり続けるビジネス環境で、ビジネス・チャンスを探し続ける企業は、現在、ビッグデータ分析に競争優位性を見出している。Hadoopをベースにした大規模な構造化および非構造化データのバッチ処理が汎用ハードウェア上で実行可能になったことで、分析の世界は大きく変化した。生成された非構造化データ内に含まれる情報を抽出できるようになるため、組織は、売上の増加、サービスの向上、コストの削減につながる的確な意思決定を行えるようになる。このHadoopと100%の互換性を有するGreenplum HD EEにより、現在利用しているApache Hadoop環境でのツールや、ソリューションが引き起こすシステムの負荷や複雑さが排除され、ビッグデータを有効活用できるようになる。

さらにGreenplum HD EEは、HDFS、MapReduce、Zookeeper、Pig、HiveおよびHbaseを含むApache Hadoopと100%のインタフェース互換性を有している。これにより、大規模な組織で必要とされる高度な機能を提供すると同時に、現在利用しているApache Hadoopの環境から、シームレスにアプリケーションの移植を行うことができる。具体的な機能は次の通り。

◆スナップショットやワイド・エリア・レプリケーションなどのデータ管理機能

◆ネイティブのNFS（Network File System）インタフェースを使用したシンプルなデータ・ロードおよびアクセス

◆シンプルなクラスタの導入、自動障害検出／通知、マルチサイト管理、ローリング・アップグレードなどのエンド・ツー・エンドの管理性

また次の機能により、Greenplum HD EEは、標準的なApache Hadoopに比べて２～５倍のパフォーマンス向上を実現している。

◆各プロセスの再設計、最適化による高速化

• データルーティング・テーブルによるロック競合の除去
• ステートマシンによるアプリケーション・スレッド競合の除去
• ロックおよびLinuxページ・キャッシュの不使用によるシャッフル処理の高速化
• 分散NameNodeによる性能改善
• ビルトイン圧縮機能によるI/O処理の削減
• C/C++実装によるJavaガベージ・コレクションの削減

なお、Greenplum HD EEは、2011年９月にリクルートが先行導入している。