情報システム基盤へのオープンソースの活用を推進する以下の10社（敬称略）は、ミッションクリティカル性の高いエンタープライズ領域へのPostgreSQLの普及を推進することを目的に、「PostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアム」（以下、本コンソーシアム）を４月11日に設立し、活動を開始した。

【共同発起人および理事企業】

SRA OSS, Inc. 日本支社、NEC、NTT、日立製作所、日本ヒューレット・パッカード、富士通

【共同発起人企業】

アシスト、NECソフト、日立ソリューションズ、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ

設立の背景

安心・安価な情報システム基盤の実現に向けて、様々なところでオープンソースの活用が進められており、情報システムの重要構成機能であるデータベースにおいてもオープンソースであるPostgreSQLが活用されている。しかし、よりミッションクリティカル性の高いエンタープライズ領域への適用に向けては、本体のみならず運用を中心とした周辺ツールに関する技術ノウハウをIT業界全体で共有し、さらなる機能改善を図っていくことが必要だ。

このような状況の中、既に幅広いPostgreSQLの導入実績を持つ発起人企業が、ビジネスの垣根を越えて技術ノウハウを持ち寄り、また、必要に応じてオープンソースで不足している周辺ツールを各社の商用製品で補完することによって、オープンソースを核としたエコシステムを構築しながらPostgreSQLの普及を推進することが重要であると認識し、今回のコンソーシアムの設立、並びに活動に至った。

活動方針／活動概要

本コンソーシアムの活動方針と活動概要は次の通りだ。

【活動方針】

エンタープライズ領域へのPostgreSQL普及活動に注力

大規模・高性能・高可用等に着目した情報や適用領域の判断に役立つ情報など、エンタープライズ領域に必要な情報を整備していく。また、周辺ツールについて、オープンソースを軸に保管する商用製品も対象に情報を整備していく。

【活動概要】

◆活動情報の集約と発信：本コンソーシアムの会員がこれまで導入してきた実績を基に、実績のある周辺ツールに関する活動情報を集約し、情報発信サイトやセミナー等を通じて提供していく。

◆共同検証：エンタープライズ領域の適用に向けて不足している情報については、本コンソーシアムの会員が必要なリソースを提供することにより、共同検証等を実施して、情報を充実していく。

◆開発コミュニティへのフィードバック：よりミッションクリティカル性の高い領域へのPostgreSQLの適用に向けて、技術的な課題を集約し、開発コミュニティに要望を発信していく。

◆開発プロジェクト支援：本コンソーシアムの会員間での機能拡張に関する連携開発や、PostgreSQLの普及に必要な周辺ツールの開発プロジェクトを支援していくことにより、エンタープライズ領域におけるPostgreSQLの普及に貢献していく。

今後、本コンソーシアムでは、より多くの技術ノウハウや課題を集約するために、他の企業・団体からも会員を広く募っていく予定だ。