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ICTソリューション総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

ビジネスコミュニケーション

「G3ファクシミリの国際標準化」の功績が世界的に権威のある“IEEEマイルストーン”に認定

~G3ファクシミリの国際的普及と情報伝達の革新を評価~

日本電信電話

NTTとKDDIが共同で開発・普及推進した「G3ファクシミリの国際標準化(1980年)」の功績が、世界規模での急速なファクシミリの普及に貢献したとして、技術分野における世界最大の学会であるIEEEより、世界的に権威のある「IEEEマイルストーン」に認定された。

「IEEEマイルストーン」は、IEEEにより、電気・電子・情報・通信分野における画期的な技術革新の中で、開発から25年以上にわたり国際的に高い評価を受けてきた技術革新の歴史的業績を称える表彰制度として1983年に設立されたもの。

過去の受賞例では、19世紀における電話やエジソン研究所、マルコーニの無線通信など、近代化の基盤となった歴史的施設・技術や、20世紀では、テレビ、コンピュータ、インターネットなど情報通信を支える技術が認定されている。


写真1 IEEEより贈呈された記念の銘板

写真1 IEEEより贈呈された記念の銘板


ファクシミリは、コミュニケーション手段として潜在的な可能性に着目されながらも、簡易に英数文字の通信が可能なテレックスが欧米を中心に発達したため、世界的な開発・普及が進まない状況が続いていた。

一方、漢字・ひらがな・カタカナといった複数の文字形式を使う日本においては、文字を画像として認識するファクシミリの有効性が高いことから、1970年頃より当時郵政省が中心となり、学会、通信事業者や通信機器メーカーも含め、ファクシミリの普及推進を図っていた。

このような中、NTT(当時日本電信電話公社)とKDDI(当時KDD)は、それぞれ独自に開発した符号化方式の特徴を融合した符号化方式「READ方式」を日本統一の符号方式として開発し、国際標準化機関CCITT(現ITU-T)に提案した。READ方式は、KDDが開発した変化点相対アドレス符号化(RAC:Relative Address Coding)方式とNTTが開発した境界差分符号化(EDIC:Edge-Deference Coding)方式の双方の特徴を生かした符号化方式で、各々の最初の2文字を組み合わせた、Relative Element Address Designateを略した名称である。

当時世界で最も先進的であったREAD方式に、若干の修正を施すことで各国から要求のあった装置化の容易性を実現したModified READ(MR)方式が、G3ファクシミリの規格として国際標準化された。

この国際標準化を契機とし、日本の通信機器メーカーの優れた技術力によるファクシミリ端末の機能向上とコストダウンも相俟って、日本のファクシミリが世界を席捲した。 G3ファクシミリは現在でも世界中の多くの企業や家庭で利用されており、「G3ファクシミリの国際標準化」は、世界的な普及の過程で、社会の情報伝達方法のカタチを変え、様々な産業や文化の発展にも大きく貢献してきたといえる。


NTTとKDDIは、今後も世界をリードする技術を通じて、社会や産業、学術の発展に寄与していくとともに、安心・安全で豊かな社会の創造に貢献していくとしている。

なお、アジア地域での「IEEEマイルストーン」の受賞は日本のみで、今回の受賞を含めで合計17件となっている。


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