ITS（Intelligent Transport Systems）は、最先端の情報通信技術を用いて人と道路と車両とを情報ネットワークで連携し、交通事故、渋滞などといった道路交通問題の解決を目的に構築する新しい交通システムである。ナビゲーションの高度化、自動料金収受システム、安全運転の支援、交通管理の最適化、道路管理の効率化、公共交通の支援、商用車の効率化、歩行者等の支援、緊急車両の運行支援といった開発分野ごとに、各利用者のニーズおよびそのニーズが発生する状況を考慮して構築される。

2000年にはVICS等による交通関連情報の提供により、渋滞情報や最適経路等がナビゲーションシステムに表示されるようになった。2005年頃からはITSの様々な利用者サービスが順次導入され、目的地に関するサービス情報、公共交通情報など、利用者に提供される情報内容が拡充され、より一層のサービス向上が図られるようになってきた。

今後はインフラの整備と車載機等の普及に加え、ITSを社会システムとして定着させるための法的、社会的制度の整備が実施される。また、さらに高度な機能の実現により、車内を安全で快適な空間とするためのさらなる取組みが進められていく。