ICTソリューション総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

ビジネスコミュニケーション
第115回 Archimate 2.0のゴール指向要求国立大学法人 名古屋大学 情報連携統括本部 情報戦略室 教授 山本修一郎

国立大学法人 名古屋大学 情報連携統括本部 情報戦略室 教授
(前NTTデータ フェロー システム科学研究所長)山本 修一郎

本稿では、オープングループのアーキテクチャ記述言語であるArchimate[1](アーキメイト)の概要と、そのゴール指向要求モデルを紹介する。

ArchiMateの経緯

ArchiMateの起源は、2002年に始まったオランダの産官学連携プロジェクトArchiMateファウンデーションである。その後、このプロジェクトの成果がオープングループのArchiMateフォーラムに引き継がれて、2009年2月にArchiMate1.0として標準化された。その後、2012年1月に改訂版のArchiMate2.0が発表されている。

オープングループのアーキテクチャ記述言語Archimate(アーキメイト)では、ビジネス層、アプリケーション層、テクノロジ層に基づいて階層的にアーキテクチャを対応付けて記述できる(表1)。

表1 ArchiMate階層(クリックで拡大)

表1 ArchiMate階層

また、ArchiMateモデリング言語の拡張として、動機(モチベーション)拡張と実装移行拡張がある(表2)。

表2 ArchiMate拡張(クリックで拡大)

表2 ArchiMate拡張

動機拡張の概念要素には、ステークホルダ、ドライバ、アセスメント、ゴール、要求、制約、プリンシプルがある。したがって、ゴール指向要求モデルは動機拡張で表現できるようになっている。動機拡張の概念要素はコア要素のビジネス主体、値、意味と関係づけられる。実装移行拡張の概念要素には、ワークパッケージ、デリバラブル、プレート(Plateau,プラトー)、ギャップがある。実装移行拡張は、コア要素のビジネス役割と位置に関係づけられる。したがって、この2つの拡張はビジネス層のコア要素と関係づけられている。

ArchiMateを編集するために、Archiというフリーソフトが公開されている[2]。Archiでは、日本語名をノードに付与できるので便利である。

以下では、動機拡張のメタモデルとその図式要素について述べるとともに、具体例を紹介する。

動機拡張のメタモデル

Archimateの動機拡張のメタモデルを図1に示す。

図1 ArchiMate動機拡張に対するメタモデル

図1 ArchiMate動機拡張に対するメタモデル(クリックで拡大)

動機拡張の概念要素にはステークホルダと動機概念要素がある。動機概念要素には、ドライバ、アセスメント、ゴール、要求、制約、プリンシプルがある。制約は要求の下位概念である。

動機拡張の概念要素のうち、ステークホルダ、ドライバ、アセスメントは、システムの外部環境にあって、システムのアーキテクチャに影響を与える概念である。外部環境概念要素と記号および例をまとめると表3のようである。

表3 動機拡張の外部環境概念要素(クリックで拡大)

表3 動機拡張の外部環境概念要素

アーキテクチャに対する興味や関心事を持つ個人、チーム、組織の役割などがステークホルダである。CEOやCIO、顧客などがステークホルダの例である。

組織変革を生成し、動機付け、加速する何かしらの事柄がドライバである。ドライバには内部ドライバと外部ドライバがある。内部ドライバはステークホルダに関連する。外部ドライバは環境変化である。顧客満足や制度変化がドライバの例である。

ドライバに対する活動分析の結果がアセスメントである。アセスメントでは特定の関心事に対する、強み、弱み、機会、脅威を明確化できる。不完全な顧客情報がアセスメントの例である。

動機拡張概念要素のうち、ゴール、要求、制約、プリンシプルは、システムが実現すべき状態やニーズ、原則を表現してアーキテクチャが達成すべき条件を与える概念である(表4)。

表4 動機拡張のゴール指向概念要素(クリックで拡大)

表4 動機拡張のゴール指向概念要素


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