ICTソリューション総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

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第78回 ゴール指向で考える競争戦略ストーリー国立大学法人 名古屋大学 情報連携統括本部 情報戦略室 教授 山本修一郎

国立大学法人 名古屋大学 情報連携統括本部 情報戦略室 教授
(前NTTデータ フェロー システム科学研究所長)山本 修一郎

最近になって、昨年出版された「ストーリーとしての競争戦略」を読んだ。今年1月の週刊東洋経済でも特集されたので、ご存知の方も多いかもしれない。この本のポイントは、成功したビジネス戦略には、ビジネス・ゴールに向けた構成要素間の因果論理(因果関係)を論理的なストーリーとして分かりやすく説明できることにある。つまり、ゴール指向でビジネス戦略を説明できると主張していた。実際、この本ではサッカーをたとえに使って、ゴールへパスをつなぐことを因果関係とみなして説明している。500ページほどもあったが、ゴール指向の本だということが分かると、それからは実に読みやすかった。

そこで今回は、戦略ストーリーをゴール指向要求工学の視点から考えてみる。

まず、戦略ストーリーの構成要素を整理して、ユニクロの競争戦略を図解してみよう。次に、前回紹介したバランス・スコアカードの戦略マップと比較してみよう。

また、戦略ストーリーを用いて戦略を構想する上での留意点についてもまとめる。

戦略ストーリーとは

優れた戦略ストーリーを構成する基本概念には、表1に示したように、競争優位(Competitive advantage)、コンセプト(Concept)、活動要素(Component)、重要要因(Critical core)、評価基準(Coherency)がある[1]。これらが戦略ストーリーの5Cである。

優れた戦略ストーリーには、利益を創出する競争優位性が必要である。優れた戦略ストーリーには、顧客価値を創造するためのコンセプトがある。優れた戦略ストーリーには、戦略的位置の選択と組織能力の形成という2つの活動がある。優れた戦略ストーリーには、重要要因としての競争戦略の一貫性を実現する方式が必要である。優れた戦略ストーリーの構成要素間の因果関係が、成立する確率が高いことが確実性である。

また優れた戦略ストーリーの因果関係が、量的に多いことが豊富性である。さらに、優れた戦略ストーリーの構成要素間の因果関係の連鎖が長いことが拡張性である。

このように戦略ストーリーの5Cを用いることで、優れた戦略ストーリーをわかりやすく説明できる。戦略ストーリーを図解するときには、評価基準以外の最初の4Cを用いる。評価基準は、戦略ストーリーの因果関係を評価するために用いる。

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第59回以前は要求工学目次をご覧下さい。


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