NTTデータ

グリッドデータバンク・ラボ

グリッドデータバンク・ラボの共同設立 電力×異業種データの利活用に関する実証開始

(2019年10月号掲載)

東京電力パワーグリッド株式会社様(以下、東電PG様)、中部電力株式会社様(以下、中部電力様)、関西電力株式会社様(以下、関西電力様)、NTTデータの4社にて運営している「グリッドデータバンク・ラボ有限責任事業組合」。社会課題の解決や新たなビジネス価値を創出すべく、電力データと異業種データを掛け合わせ、さまざまなユースケースを検討、有用性を検証しています。

グリッドデータバンク・ラボ設立の背景

さまざまな業界でデータを活用した価値創出に期待が高まる中、電力業界でも電子データ活用の議論が始まり、経済産業省資源エネルギー庁において制度検討が進められています。こうした背景のもと、2018 年 11 月に東電 PG 様とNTT データは「グリッドデータバンク・ラボ有限責任事業組合(以下、ラボ)」を設立しました。2019 年 3 月には、関西電力様と中部電力様も組合参画し、現在に至っています。

ラボ設立の目的

ラボ設立の目的は、電力データと異業種データを掛け合わせによる社会課題の解決や新たなビジネス価値の創出です。会員の皆様とユースケースの検討や実証を行い、制度上の課題が顕在化した場合は国への提言も行っています。公益ニーズやビジネスニーズを創出、社会的コンセンサスを形成し電力データ活用市場の創造を目指します(図)。

 

図 グリッドデータバンク・ラボの役割

 

 

スマートメーターとは

今回、ユースケース創出の中心となっているスマートメーターは、30 分毎の電力量情報と設置した位置情報から構成されています。従来は月 1 回・1 カ月間の検針で、電力総使用量を測定していましたが、スマートメーターの導入によって日々 30 分毎の使用量が把握できるようになります。国のエネルギー基本計画に基づき、2020 年代早期に全世帯・全事業所に設置される予定です。

 

データ活用の制度検討状況

現在は、電気事業法第 23 条の規定で、電気の供給に係る業務以外の目的でスマートメーターデータの利用ができませんが、第 11 回電力・ガス基本政策小委員会において、統計化されたデータの活用を一般送配電事業者が情報提供の主体を担い、個人の同意取得なく活用できる方向で検討されています。これにより、さまざまな業種・分野での電力データ活用の推進が期待されています。

 

スマートメーターデータの活用

スマートメーターデータは、全国約 8,000 万台(全数設置完了後)のスマートメーターから収集されるビッグデータです。統計化したデータ、プライバシーを保護した匿名加工データ、本人同意取得を前提としたパーソナルデータへの活用が考えられています。

 

スマートメーターデータの特徴

スマートメーターデータが持つ特徴には、以下の4つがあり、従来の統計情報では解決できなかった課題を解決できる可能性があります。

1.高い鮮度

当月の世帯数と前月からの世帯数の増減がわかるので、月毎の世帯数の遷移が把握でき、“街の変化” をタイムリーに捉えることが可能です。

2.高い精度

住民基本台帳では住民票を出していない世帯は把握できない一方、スマートメーターデータなら、単身赴任、下宿生なども含む “リアル” な世帯数を捕捉できます。

3.柔軟なエリア(商圏)設定

スマートメーターデータは、設置されている位置情報を保持しているため、利用シーンに合わせて柔軟にエリア設定(集計)することができます。

4.30 分毎の傾向分析が可能

昼間の在宅傾向、帰宅ピークの時間帯など、従来は定量的な把握が困難であった時間帯別の外出や帰宅などの世帯活動の分析ができます。

 

 

スマートメーター統計データの活用例

 

 

電力データと異業種データとの掛け合わせの例

 

 

ラボの4つの提供サービス

ラボでは、以下の 4 つのサービスメニューを通じて、アイデア誕生から実証の企画、推進までトータルサポートいたします。

【Showroom <発見>】

・各種セミナーやデモ等、電力データ活用関係の情報提供

【MarketPlace <交流>】

・さまざまなデータと会員同士をつなげる場の提供

【Business Design <実証>】

・電力データを活用したビジネスプロセス変革や新規サービス創出に向けての実証

【Incubation Support <共創>】

・電力データを活用した新しいサービスアイデアの共創

 

ラボイメージ

 

 

グリッドデータバンク・ラボ 有限責任事業組合
ラボ・スタッフ

当ラボは共創を推進するために、オープンかつ法整備や個人情報保護に留意した異業種間データを適切に処理するセキュアな環境を実現しています。幅広い業種の参画者様(データ保有者、エンドユーザー、スタートアップ企業やサービス提供者等)を常時募っておりますので是非お問い合わせください。

お問合せ先

グリッドデータバンク・ラボ 有限責任事業組合
〒 102-0082 東京都千代田区一番町 13-1 新半蔵門ビル 1 階
E-mail: support@gdb-lab.jp
URL:https://www.gdb-lab.jp/