スーパーキャッシュ


はじめに


平成11年4月14日に開始した電 子マネー「スーパーキャッシュ」の 共同実験は、参加銀行24行、参加 利用者数約10万人、参加加盟店数 約1,000店という世界最大級の、N TTグループの技術を用いた電子マ ネー共同実験である。

電子マネー「スーパーキャッシュ」 とは、銀行のキャッシュカードにお 金を電子情報化した、電子マネーを ICチップに搭載したもので、新宿 地区の実際の店舗だけでなく、イン ターネットの利用(買物決済、電子 マネーのチャージ[充填])や、ス ーパーキャッシュ対応公衆電話から 電子マネーのチャージや通話が可能 といった特徴を持っている。バーチ ャル利用(インターネットでの利用) とリアル利用(実際の店舗での利用) の双方を、同一のICカードにより 行うことができる世界初の本格的な 実験である。

実験の目的


電子マネー利用の可能性を検証

スーパーキャッシュ共同実験は、 新宿という非常に活性度の高いリア ルフィールドとインターネット上の バーチャルフィールドの両フィール ドで銀行のキャッシュカードと電子 マネーの機能を一体化したICカー ドの利用を通して新しい決済ツール 「電子マネー」利用の可能性の検証 を行っていく。

ネットワーク上での安全・確実な 決済を目指す

新しい流通の形態「エレクトロニ ック・コマース」の普及を見据えて、 世界最先端の利用によりネットワー ク上での安全・確実な決済を実現す る。

実験の特徴


バーチャルフィールド、リアルフ ィールド両フィールドでの実験

インターネット上(バーチャル) 店舗とリアル店舗での売買を1枚の ICカードで行なう実験(バーチャ ル、リアル両フィールド対象)店舗 とリアル店舗での売買を1枚のIC カードで行なう実験(バーチャル、 リアル両フィールド対象)としては 世界最大規模のものである。

@リアル実験

・新宿地区の店舗においてスーパー キャッシュにより、商品の代金を 支払うことができる。

Aバーチャル実験

・インターネット上の店舗におい て、スーパーキャッシュによりデ ィジタルコンテンツヤ商品の代金 を支払うことができる。
・家庭のパソコンからインターネッ トを介してスーパーキャッシュの チャージができる。

セキュリティーの高い電子マネー 技術の採用

NTTグループは、従来から電子 マネーに関する研究を行なっており。 95年には追跡可能型電子現金方式、 96年には日銀金融研究所との共同開 発の成果を取り入れた発行機関分離 型電子現金方式の発表をしている。 スーパーキャッシュは、これらの技 術蓄積の成果を反映して、NTTグ ループが設計・開発したものである。

個別銀行発行型の電子マネーの相 互流通

実験に参加する銀行が個別に発行 する電子マネーが相互に流通する 「個別発行型電子マネー」を採用し ている。

銀行キャッシュカード(磁気)と 電子マネーの機能(ICチップ) を一体化した接触型ICカード

・電子マネーチャージ上限額…10 万円
・ICカード機能…バランスリーダ ーによりICチップ用の暗証番号 を入力すると、ICチップに鍵が かかった状態になり、支払いやチ ャージができなくなる(ICカー ド)。他人に勝手に使われないよ うにしておきたい時などに、必要 に応じて利用可能
・ポイント機能…利用促進を図るた め、スーパーキャッシュでの支払 いに応じて、ICチップにポイン トを蓄積し、同ポイントに応じて 検証プログラムを実施(リアル実 験のみ)。

クローズドループ型

電子マネーを他人へ譲渡すること ができない、いわゆる「転々流通性」 のない「クローズドループ型」の電 子マネーである。

公衆電話、自動販売機の利用

新宿地区のスーパーキャッシュ対 応の公衆電話機でもチャージするこ とができる。新宿駅周辺を中心に約 50台設置している。

スーパーキャッシュの流れ


チャージ

利用者は銀行の利用者口座から預 金を引き出すと共に、同額のスーパ ーキャッシュをICカードにチャー ジする。

支払い

利用者は、加盟店でスーパーキャ ッシュにより商品の代金を支払う。

加盟店入金依頼

加盟店は、利用者から支払われた スーパーキャッシュを銀行に引き渡 すことにより、スーパーキャッシュ による売上金額に口座に入金するよ うに銀行に依頼する。

不正検証

加盟店から引き渡しを受けたスー パーキャッシュについて、SCセン ターは直ちに二重に引き渡しされて いないことま確認および偽造やコピ ーの有無などの不正検証を行なう。

銀行間清算

加盟店宛て入金にあたって自行以 外の発行したスーパーキャッシュの 清算金額を参加銀行の間で清算す る。

加盟店入金

参加銀行


銀行は加盟店口座へスーパーキャ ッシュによる売上金額を入金する。 リアル、バーチャル実験両方に参 加する銀行(17行)は以下のとおり である。

あさひ銀行、さくら銀行、三和銀 行、住友銀行、第一勧業銀行、大和 銀行、東海銀行、東京三菱銀行、富 士銀行、常陽銀行、スルガ銀行、千 葉銀行、横浜銀行、東京相和銀行、 日本興行銀行、住友信託銀行、三菱 信託銀行。

バーチャル実験のみに参加する銀 行(7行)は以下のとおりである。 静岡銀行、広島銀行、北陸銀行、 名古屋銀行、中央信託銀行、東洋信 託銀行、三井信託銀行。



加盟店

リアル加盟店は、高島屋、東急ハ ンズ、マイシティー、紀伊国屋書店、 ビックカメラなど新宿地区の約 1,000店舗である。

バーチャルモールは、N T T SuperCash Experimental site、 BIGLOBE Web Shop、ECダイレ クト、Media Galaxy、メディアポ ート日本など7つの有名バーチャル モールが実験参加。

バーチャル加盟店は約50店舗と なっている。



実験期間

4月14日から来年5月31日まで

今後の展開


実験開始後は、スーパーキャッシ ュ協議会において、商用化・拡大展 開をにらんだスキームの検証などを 行なっている。主に、次のような点 が検討の対象である。

●電子マネーの市場性
●銀行間の相互流通性
●コストの把握
●NTT電子マネーの技術確認
●勘疎を含めた電子現金機構の確認
●商用化を見据えたシステム化に関 するノウハウの獲得


お問い合わせ先
スーパーキャッシュ推進協議会事務局
TEL(03)3593-4161
FAX(03)3593-4174
スーパーキャッシュのホームページ
URL:http://www.s-cash.gr.jp/