NTTコムウェア、チャットボットとAIを組み合わせ業務の効率化・生産性向上を実現する業務支援AIプラットフォームを販売開始

NTTコムウェア 2018年3月27日

NTTコムウェアは3月27日、チャットボットを介して業務支援を行う「業務支援AIプラットフォーム」を5月1日から販売開始すると発表した。

「業務支援AIプラットフォーム」は、チャットボットを介して業務サービスとAI機能、ユーザーインタフェースをつなぎ、正確かつ簡潔な作業の支援と同時に、チャットの対話分析によって得られるナレッジを事業運営で有効活用してもらうことを目指している。このAIプラットフォームは、NTTグループのAI「corevo®」を構成するNTTコムウェアの技術である。

背景

近年、働き方改革に代表されるように、企業では業務の効率化や生産性の向上が求められている。一方で、長年の業務で培われた従業員のノウハウは、組織知としての蓄積と活用が進まず、サービスレベルの維持や新規採用者のトレーニングにかかる負担などの課題が懸念されている。

概要

業務支援AIプラットフォームは、同社がセキュアな法人向けモバイルアプリケーションとして提供している「シャナイン®」が実現するコラボレーション環境にチャットボットを配し、従業員との自然な対話を介して、作業代行やスケジュール・リマインドなどの業務支援を実現する。

また、サービスゲートウェイとして業務サービスと接続するとともに、同社の画像認識AI「Deeptector®」のような認識系AIや、機械学習による分析系AI、NTTコミュニケーションズが提供する「Communication Engine “COTOHA®“」 の自然言語処理機能など、多様なAIエンジンを装備・連携し、かつチャットボットとの対話にて収集したデータを認識・分析することで、従業員の作業環境情報を簡単に収集し、画像やテキストを統合的に活用した事業運営上のレコメンデーションを行う機能を実現する。

以上の機能によって、

・チャットを介した会話からノウハウを抽出してナレッジとして蓄積できる

・会話から抽出したノウハウをオフィス文書などのコンテンツと連動させて活用できる

・担当者やマネージャー、事業責任者など様々な立場の業務を支援できる

という点に特長を有している。

主要機能

①チャットボット基盤

チャットボットエンジンが業務システムやAI機能、ユーザーインタフェースの間をつなぎ、データのやり取りをするサービス・オーケストレーションの実行を担う。また、スクリプト言語によってチャットボットの振る舞いを記述する開発基盤も兼ねている。

②ユーザーインタフェース接続アダプタ

簡単な操作性と法人企業が求めるセキュリティ機能を有するビジネスメッセンジャー「シャナイン®TALK」、および社内のナレッジポータル「シャナイン®BOARD」や、一般的なWebブラウザなどのユーザーインタフェースと接続し、チャットボットとの対話インタフェースを実現する。

③インサイト・エンジン

全文検索エンジン。デジタル化されたオフィス文書などのコンテンツ検索をはじめ、社内ヘルプデスクをチャットボットによって実現する際のFAQデータベースの検索など、企業内の様々なデジタル・データの検索に力を発揮する。

④対話効率化エンジン

チャットボットにコンテンツを探させる場合に、類似のコンテンツを探すコツを学習し、回数を重ねるごとにターゲットコンテンツの絞込みにかかる対話の回数を短縮する機能。よく問われる要求とその回答となるコンテンツの関係を、社内ナレッジとして蓄積する。

⑤関係度推定エンジン

グラフ理論に基づいてデータ間の関係性を見出す機械学習エンジン。数値などの構造化データとテキストなどの非構造化データを統合的に扱うことができる。材料と製品の需給調整や新製品を市場投入した場合のマーケット・シェア予測など、大量かつ多様なデータを統合的に分析して傾向を見出したい場合に効果的である。

業務支援AIプラットフォームの概要

今後の展開

NTTコムウェアでは、業務支援AIプラットフォームがつなぐ、業務に役立つサービスやAI機能は順次追加予定である。同社はこれまでにも「Deeptector®」をはじめ、法人事業におけるAIの活用支援を進めてきた。今回の業務支援AIプラットフォームも合わせて、今後もさらにAIサービスの拡充を図るべく、2018年4月からAIの専門部署としてAIビジネス推進担当をビジネスインキュベーション本部に設置し、顧客の業務生産性の向上や新たな価値の創出を推進していくとしている。

詳細はNTTコムウェアによるニュースリリースを参照
http://www.nttcom.co.jp/news/pr18032702.html