NTTコムウェア株式会社
第三者検証サービス
テストプロセス高度化によりシステムの 品質向上に貢献する「第三者検証サービス」
(2024年9月号掲載)NTTコムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)の「第三者検証サービス」は、2014年の提供開始から約10年、通信業界のみならず、保険・金融・食品・物流等さまざまな領域のお客さまのシステムを検証し、品質担保に貢献してきました。本サービスを提供しているのは、NTTコムウェアのSoftware Test Innovation Center(以下、STIC:エスティック)。エンジニアとしてさまざまなシステムを開発してきた経験、ノウハウをもつメンバーで構成される組織です。パートナー企業との連携やAIなどの先端技術も活用しながら、テストのプロフェッショナルとしてお客さまのシステム開発を成功に導きます。
第三者の視点に立ち、システム開発の
上流から下流まで全工程の検証を実行
一般的なシステム開発で用いるウォーターフォールモデルでは、要件定義→外部設計→内部設計→プログラム設計→コーディング→単体テスト→結合テスト→総合テスト→受入テストと、いわゆる上流工程から下流工程のプロセスを辿ります。
システム開発の成否に大きく影響するのが上流工程である設計の品質です。テスト工程など下流工程になればなるほど、欠陥を発見した際の手戻りが多く、修正に時間やコストがかかります。米国立標準技術研究所(National Institute of Standards and Technology:NIST)のレポートには、要件定義からコーディングまでの工程で欠陥を発見した際にかかる修正コストを1とすると、最終工程の受入テストにおける修正コストはその30倍になるとも例示されています。いかに上流工程の早い時点で欠陥を検出し対応するかが、試験コストのみならずプロジェクト全体のコスト低減において重要となります。
システムの品質向上という面でも上流工程からの検証が効果的です。開発に従事していた担当者がテストを行う場合、「思い込み」による検証となるリスクがありますが、本サービスでは第三者の視点で要件定義と設計書のレビュー(インスペクション)を行い、テストの設計や計画を策定することで、テストプロセスの高度化、品質向上を実現します。(図1)
STICは、重大な欠陥の抽出を主目的としてドキュメントのインスペクション※1に注力しています。「要件定義書内の記載内容に矛盾がないか」、「要件定義書と外部設計書に矛盾がないか」、「外部設計書間で矛盾がないか」といった確認を上流工程で行うことにより欠陥を早期に発見します。システム開発の工程において、より上流(左側)で対策を講じるという意味で「シフトレフト」と呼ばれています。(図2)それ以外にも、テスト設計や検証実施、テストの自動化・効率化の支援といったテストそのものの品質を向上するサービスメニューも多数提供しており、高い評価をいただいています。
開発者目線とテスト実務者目線を兼ね備えた
充実した検証体制
STICは、株式会社べリサーブと協業し、両社の強みである開発者目線(プロジェクトマネジメントスキル)とテスト実務者目線(テストスキル)を活かし、NTTコムウェアの開発標準とベリサーブのプロセス基準を融合させ高度な検証サービスを提供しています。
エンタープライズ領域での大規模システム構築や、多くのプロジェクトマネジメントの経験を基に、開発工程でのPMO(Project Manegement Office)支援といった価値も発揮しています。サービスの提供対象も通信業界をはじめ多岐にわたっています。例えばビール飲料などを手掛ける大手メーカーや、求人・人材のサービス事業を展開する大手企業等において、大規模バックヤードシステム全体を海外パッケージ製品へ切り替えるといった難易度の高いプロジェクト支援で実績を重ね、特に前述の大手飲料メーカーからは本サービスの功績を認められ感謝状を受領しました。
3つのメリット
「第三者検証サービス」のメリットは以下の3点にまとめられます。
■「どんなテストをどこまでやればいいか?」を解決
・JSTQB※2に準拠したテストプロセス基準や、多様なテスト技法を活用し、システムごとに最適なテストを代行します。
・テストの計画や実施をお任せいただくことで、お客さまは新規ビジネス企画などの上流工程にリソースを集中させることができます。
■「システムリリース直前/直後にバク発覚」のリスク低減
・上流工程の設計書など成果物の品質をテスト専門家の視点でチェック、早期に欠陥を検出し対処します。システムリリース直前/直後でのバグ検出といったビジネス停滞のリスクを低減させます。
■開発プロジェクト全体の品質と生産性の向上へ
・スピーディーなビジネス展開にあわせたソフトウェアの開発・改善において高い品質が求められる中、上流工程から一貫したテスト方針をたて、効率的なテストを実現することで開発品質の向上を支援します。
人材育成への取り組み
JSTQBの指針とSTICの知見をベースに、体系的なSTICメソッドを整備しています。研修への参加、スキルの活用、ナレッジの交換、スキル向上をめざしたアクションのサイクルを回すことで、STICメンバーの育成、ナレッジの均一化、スキルのレベルアップを図っています。
今後の展開
「第三者検証サービス」では、ミッションクリティカルな品質重視の大規模システムをはじめ、業界を問わずさまざまな開発案件への対応が可能です。現在、システム開発検証のさらなる効率化をめざし、ドキュメントチェック等の工程においてAI活用の検討も進めており、効果が現れつつあります。今後一層、お客さまのビジネスの発展と変革を最新の技術でサポートいたします。
システム開発全体に精通したテスト専門家集団だからこそ、実現できることがあります。システム開発におけるテストはもちろん、PMOや品質向上等でお困りの際もぜひご相談ください。
※1 ソフトウェア開発におけるテスト工程の一種。仕様書やソースコード等成果物を人の目で見て問題点が無いか検証する作業
※2 Japan Software Testing Qualifications Board。ソフトウェアテスト技術者認定組織。ソフトウェアテスト業界の国内スタンダードとして認知されている
NTTコムウェア株式会社
経営企画部 Software Test Innovation Center
(左から)担当課長 久保田 敬 氏
スペシャリスト 青山 侑己乃 氏
所長 田村 季之 氏
お問合せ先
NTTコムウェア株式会社
経営企画部 Software Test Innovation Center
https:// www.nttcom.co.jp/stic/