●NTTドコモのモバイルソリューション動向
 株式会社イトーキ
 営業推進本部
 情報通信全国推進室 室長
 井福 公一氏


FOMAの高速通信を活用し社内LANに接続
内蔵カメラで撮影した画像もその場で送信
−株式会社イトーキ導入事例−

オフィスをはじめ、商業施設や公共施設など、様々な領域であらゆる活動を幅広い視点から捉えた“コーポレイト・デザイン”を推進する株式会社イトーキ。全国に広がる同社の営業担当者と、本社との密接なデータ通信に、FOMAの高速データ通信や、内蔵カメラが活躍している。

システム概要

 現在、株式会社イトーキでは、営業担当者を中心にFOMAの高速通信を活用して社内LANに接続し、外出先からの社内電子メールの閲覧、スケジュール確認、デジタルカメラで撮影した画像の送信等を行っている。またFOMA内蔵のカメラを使い、クライアント先のオフィスレイアウト状況や、オフィス家具設置状況などを撮影し、納入時期の把握、またオフィス環境に応じたオフィス・デザイン構築に役立てている。

 一般的に、オフィスビルでは、着工から、実際の竣工までおよそ1年程かかるが、オフィス家具を扱う同社では、その施工段階に応じた納入状況の確認等を行う。その際に、デジタルカメラや、FOMA内蔵カメラで現場の状況を撮影し、撮影した画像を本社宛てに送信。状況把握を行っている(図参照)。


図 イトーキのシステム構成図

高速通信だけでなく内蔵カメラも活用し、業務効率化を推進

 イトーキでのFOMAの本格導入は2002年6月末。「リモートLANアクセスの高速化」を目指し、同年5月にリモートLANアクセス環境を構築、6月に端末を配備して本格稼動を開始した。

 FOMA導入以前には、PHSを活用したリモートLANアクセスを行っていたが、さらなる通信速度の高速化を目指し、FOMA導入を決定。従来デジタルカメラを使い、現場でのオフィスビル工事施行状況を撮影し、外出先から撮影した画像を本社宛てに送信していたが、画像の容量が重いため、通信速度向上へのニーズがあった。そのため、第3世代携帯情報端末という先進性はもちろん、FOMAでの高速通信を活かして、デジタルカメラで撮影した画像をスピーディーに送信できるという点が今回の導入を決定した要因といえるだろう。

 実際に業務で日常的にFOMAを活用し、業務効率の向上を図っている営業担当者からも、デジタル画像送信時での通信速度が向上したという点を評価する声が多い。

 営業推進本部 情報通信全国推進室長 井福 公一氏は「情報システム部門、販売部門等、社内の部門間での連携を図りながら、FOMA導入へ向けた準備を進めました。当初は、FOMAというこれから発展するサービスを導入するという事に対して、懸念もありましたが、このソリューションを導入することで、業務効率を図り、よりスピーディーに最適なサービスを実現することができるという点を評価していました。実際に導入してみて、“便利になった”“業務効率が上がった”という声が多く聞かれます」と語る。

 現在では、FOMAの内蔵カメラで撮影された静止画を送信することで社内での会議で活用したり、現場での状況をTV電話機能を活用し、伝達したりするなど、クライアントへのスピーディーな対応が求められている昨今のニーズに即応している。

快適なオフィス環境の構築を目指し、社内においては、モバイル・オフィス推進へ

 快適なオフィス環境の提供を推進している同社では、モバイル・オフィスの活用も社内において展開。首都圏における営業部では、現在100%モバイル・オフィス化達成を目指している。モバイル・オフィスの進展には、社内文書の電子化に伴い、LANにさえ接続できる環境があれば、どこでも快適に業務を遂行できるようになってきたという背景がある。固定の席に縛られず、誰もが好きな場所に座ることが可能となるため、例えばオフィスが広く、全ての人とコミュニケーションを図ることが難しいような環境であっても、社内でのコミュニケーションの活性化が実現される。その結果として情報交換の場が増えるため、モバイル・オフィス導入に伴って、業績の向上を達成している企業が増えてきている。

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(こちらは2002年12月号になります)

(この続きの内容)
FOMAの高速通信を活用した新たなサービス展開へ期待

 

 


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