●NTTドコモのモバイルソリューション動向
 日本メドトロニック株式会社
 フィールドシェアードサービス
 セールスサポートマネージャー
 三吉 伸一氏


全営業支援ソリューションとしてiモードを活用
社内データベースに接続し、
スケジュールの共有化を達成
−日本メドトロニック株式会社導入事例−

植込型医療機器およびインターベンション療法を専門とする世界有数の医療機器メーカーであるメドトロニック。その日本法人である日本メドトロニックでは、iモードを利用した社内データベース接続を導入し、営業担当者のスケジュール管理やリアルタイムでの売り上げ実績の把握などに活用し、業務の効率化を実現している。

システム概要

 現在、日本メドトロニック株式会社では、全国およそ250名の営業担当者が、iモードを利用して社内データベースに接続して、スケジュールの共有化を図り、同時にそれぞれの営業担当者と連携しながら効率的な営業活動を展開している。

 また営業実績をi モードを利用して社内データベースにリアルタイムに送信。社内での営業サポート担当者は、送信されたリアルタイムの営業実績に基づいた分析を行い、営業戦略の策定や競合他社等の市場分析を行っている(図参照)。


図 iモードを活用したシステム概要

直行直帰にとどまらない営業活動効率化の要望

 同社では医療機器という取扱製品の性質上、営業担当者は、その適切な使用、および患者の安全確保のために手術時には立会いを行っている。そのような事情もあり、i モードを活用した営業支援ソリューション導入以前の3、4年前から特に顧客との密接な関係と連携を図るため、直行直帰の営業スタイルが一般化していた。

 当時PCを介したグループウェアは既に導入されていたが、実際は、それぞれのスケジュール確認や個別連絡に関しては、電話での連絡に頼るケースが多く、煩雑な作業となっていた。ある営業担当者が急な用事で、顧客先に出向くことができないケースや、医療機器という製品の性質上、緊急に顧客先に出向かなければならないケースなど、それぞれの営業担当者のスケジュールを把握し、ニーズに応じて調整しながら適切な営業活動を進める必要があり、個々人のスケジュール把握へのニーズが高まっていた。

 また当時は、営業日報等も特に活用されていなかったことから、日ごろの営業活動や営業成績などもリアルタイムで把握することはできず、営業戦略を立てる上でも、最新の情報に基づいたデータ収集へのニーズがあった。

 直行直帰が推進され、営業担当者が顧客との時間を多く取れるようになり、顧客との物理的な距離は縮小されたが、実際の営業活動の生産性、効率化という部分に関しては、手付かずの状況であった。

コスト面、使いやすさを考慮してiモード導入を決定

 このような背景を受け、同社では、携帯端末を活用した営業支援ソリューションの導入を検討。実際に使用してみて、初心者でも抵抗なく使用でき、コスト的にも安価であるという部分で、iモードを活用した社内データベース接続を行う営業支援ソリューション導入を決定した。

 このソリューションの導入を決定した際には、実際のビジネスレベルでの使用を想定し、社内での厳しいチェックを実施。実際にメールの送受信等を行い、遅延の確認等も行っている。

 社内でのチェックを経て、2000年11月にテスト導入を開始し、2001年5月からiモードを活用したソリューションの本格導入を開始した。当時(2000年)は、NTTドコモのiモードユーザー数も1千万人を超え、インフラ部分でも整備されつつあり、また開発言語レベルでも既存のHTMLを有効活用することができるという点に関しても、同社は評価の対象としてあげている。

ユーザーサイドに立った閲覧型システムの構築を推進

 実際のシステム構築にあたり、同社では、閲覧を中心にしたシステムの構築を推進。スケジュールの記載など実際に営業担当者が入力する必要が生じる場合でも、プルダウンメニューを設け、できるだけユーザーの負担を軽減している。

 また今回のソリューション導入にあたり、従来社内での電子伝票および紙を介して行われていた経費清算なども、一括してi モードを利用して行うよう一本化された。このため、導入から6ヶ月後には、すべての営業担当者がiモードを活用し、効率的な営業活動の推進を実現している。

 今回のシステム導入にあたり同社では“iモードニュース”と題し、導入前のおよそ半年間、iモードの効果的な活用法や、近況のトピックスなどを紹介し、i モードの社内への浸透に努めた。

 セールスサポート マネージャーの三吉 伸一氏は営業戦略的な立場から今回のソリューションに関して「iモードを利用してリアルタイムで営業実績等を把握することができるので、営業戦略を立てる上でのデータ分析の大切さを改めて認識しました。例えば、営業活動に応じた営業成績を分析することにより、今後の戦略を立てることが容易になるなど、目に見える形で、業務の効率化に役立っています。特に営業活動を積極的に行っているにも関わらず実績に結びつかないケース等では、競合他社の動向の把握等も勘案することができるようになりましたので、市場戦略的にも有効に活用できるようになっています」と語る。

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(こちらは2002年12月号になります)

 

 


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