●理想的なビジネスプラットフォームを構築するEAIソリューション
 NTTコムウェア
 システム本部SE部EAIセンタ
 担当課長 落合 郁夫氏


【NTTコムウェア】
「EAI+BPM」でビジネスプロセス改善
NTTコムウェアのBPRソリューション


■ビジネスレベルで連携する「BPM」

 EAI(Enterprise Application Integration)は、当初、企業内のアプリケーション統合を目的として登場した。そのため、当時の製品には、アプリケーションやパッケージと接続するための「コネクタ」や「アダプタ」と、必要なデータ形式に変換する「トランスフォーマー」や「データマッパー」などを使用して、システムの統合のうちコネクティビティを実現する機能が実装されていた。このような機能に加えて、昨今の製品には、顧客やビジネスパートナーを含めた一連のビジネスフローの効率化を実現するために、パートナーやWeb アプリケーションとの連携機能(B2Bi)が実装されている。しかし、これらの製品は、データレベルの連携が主であるため、各社から個別に提供されている専用パッケージや機能を利用したほうが安価となる場合もある。そこで注目されてきたのが、BPM(Business Process Management)である。

■BPMにいち早く着目

 通常、サービスオーダ処理には、オーダ受付からクローズまで、多くのビジネスプロセス(ステータス)が存在する。サービスオーダのフロースルー化には、それぞれのオーダがどの状態に遷移しているかを正確に管理する必要があり、次の状態に遷移するためには、オペレーターの判断やアプリケーションの処理結果からの判断が必要である。このようなビジネスプロセスの流れを定義し、定義内容に基づき自動的にビジネスプロセスを実行するビジネスレベルの連携が求められてきた。さらに、EAIのコネクティビティだけによるシステム統合では、ビジネス上の効果は小さく、仮に、自動化することをGoalとしていたら、EAI導入は大きな誤りを生み、成功したとはいえない。自動化により、大幅なコストリダクションを図り、サービスグレードを向上させて、ROIを短期間で達成しなければ、EAIソリューションを導入する意味がない。このような課題を解決し、ニーズを実現する機能がBPMである。


図1 BPMの重要性

 NTTコムウェアは、EAIに取り組みはじめた1999年度後半からいち早くBPMに注目し、EAIを「単にシステム同士をつなぐもの」ではなく、インターネットを駆使した顧客中心のビジネスを展開する上での理想的なビジネスプラットフォームとして捉えてきた。そのため、BPM機能が充実したEAI機能とシームレスに一体化した製品をもつVitria Technology社とwebMethods社とのSIパートナー契約を2000年度に締結した。またEAIソリューションは、ビジネスプロセスのコンサルティングをはじめとしたさまざまなテクノロジーを組み合わせてインテグレートする技術力が必要なことから、システム導入にあたってのコンサルティングからカスタマイズ、導入後のメンテナンスまでをトータルにサポートする「EAIセンタ」を2001年度に開設した。以来、「EAI+BPM」のコンセプトのもと、20案件以上(図3参照)のシステム開発実績をあげている。これらの多くは、単にシステム間を接続したデータレベルでの統合ではなく、ビジネスプロセスレベルでの統合であり、レガシーシステム等のIT資産をプラス要素に変換するなど、EAIソリューション導入の目的である業務プロセスの効率化と顧客サービスの最適化を実現している。


図2 EAI+BPMとは?


図3 NTTコムウェアのBPM実績(2002年11月現在)

■「EAI+BPM」によるビジネス統合

 NTTコムウェア潟Vステム本部SE部EAIセンタ担当課長の落合郁夫氏は、「EAI+BPM」について次のように語っている。

 「EAI+BPMは、ERPやCRMに代表されるパッケージと比べて、その性格は大きく異なっています。アプリケーションパッケージは、基本となるロジックがあるため、カスタマイズしなくともデフォルトである程度動作しますが、EAI+BPMはインストールだけでは全く動作しません。EAI部分においては、最低限統合すべき各システムとのインタフェースを設計し、必要な部品を組み合わせる必要があります。パフォーマンス、コスト、既存システム側への影響度などを考慮した上で最適な方式を選択しますが、特定のベンダーにとらわれず、多くのアプリケーションパッケージ、プロトコル、ミドルウェアの実績、技術者などを数多く保有するSIer でなければ、最適な選択は不可能です。またBPM部分においては、現状の業務を分析し、モデリングする必要があります。つまり、各システムの個別最適解を目指すのではなく、ビジネスフローを横断的に分析するだけの業務知識が必要になります。このことからも、ターゲット顧客向けのSEやコンサルタントの存在が不可欠です。NTTコムウェアは、EAIソリューション専用の短期開発標準である『SPEEDY for EAI』を確立し、豊富な開発経験を積んだエンジニアを50名以上有して、BPMの効果を最大限引き出せる体制を整えています。」
 
 NTTコムウェアは、当初からBPMの有用性を強調してきたが、昨今、ようやく市場やEAIベンダーもBPMに注力するようになり、BPMに強いベンダーを買収したり、手持ちのワークフロー機能を強化するなど、実装を進めている。

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(こちらは2002年12月号になります)

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