●NTT 東日本ブロードバンドビジネス部の取組みPart 1

著作権保護技術を用いたコンテンツ配信の取組み


 法人営業本部ブロードバンドビジネス部では、ブロードバンドでの有望なアプリケーションである映像コンテンツの流通において、ビジネスモデルの構築に取り組んでいます。コンテンツを暗号化して安全に配信することのできる著作権保護技術を用いたコンテンツ配信プラットフォームを開発し、2002年8月1日から10月31日まで複数のコンテンツホルダ様とともに共同実験を行ないました。

■共同実験の背景

 ブロードバンドネットワークを介して映像コンテンツを視聴することは、極めて有望なブロードバンドのアプリケーションであり、各種イベントを始めとして大きな注目を浴びています。しかしながら、コンテンツが勝手に配布されかねない、お金を払ってコンテンツを見る人が少ない、PCで映像が見づらい等の問題から、現時点でビジネスとしては発展途上の段階に留まっており、市場を開拓するためには、コンシューマ向けに映像を配信する形態だけでなく、取引先企業や企業内で配信するなどの幅広い取り組みが必要となっております。

 また、著作権保護技術(DRMとも言われます)を用いてコンテンツを配信することにより、コンテンツが不正に流通することを防止することができます。著作権保護技術とは、映像コンテンツを暗号化して配信し、視聴する権利を持つ視聴者や端末に対して映像コンテンツを復号化するためのライセンスを発行して、ライセンスが有効な場合に限り映像コンテンツを表示する仕組みです。この技術を用いて安全にコンテンツを配信することにより、映像コンテンツのストリーミングによる配信に加えて、ダウンロードでの配信やCD-ROM等のメディアによる配布等の様々な形式でのコンテンツ流通も促進されるものと考えられています(図1参照)。


図1 著作権保護のイメージ

■共同実験の概要
 
 NTT東日本法人営業本部ブロードバンドビジネス部では、マイクロソフト社の著作権保護技術を利用し、B2B(企業への配信)、B2E(社員への配信)およびB 2C(コンシューマへの配信)という複数の配信モデルを実現するコンテンツ配信プラットフォームを開発しました。

 開発した配信プラットフォームを用いて、鞄本入試センター代々木ゼミナール様、鞄結档梶[ガルマインド様、学校法人瓜生山学園京都造形芸術大学様とともに、2002年8月1日(木)から10月31日(木)までコンテンツ配信の共同実験を実施しました(図2参照)。NTT東日本が配信代行サービスを提供するプラットフォーム事業者として、お客様がコンテンツを提供しサービスを運営するサービス事業者として、次のような実験を行ないました。


図2 共同実験イメージ

■お客様ごとの具体的な実験内容

(1 )代々木ゼミナール様
分校/提携高等学校向け配信(B2B、B2E)


 代々木ゼミナール代々木校での授業映像を、分校や提携高等学校に著作権保護された映像コンテンツとしてストリーミング、ダウンロードおよびCD-ROM等のメディア形式で配信もしくは配布しました。著作権保護技術を用いて、代々木校からの指定により各授業を視聴できる端末を各拠点の複数の端末に限定し、学校間での配信モデルを検証しました。

(2 )東京リーガルマインド様
モニター会員向け配信(B2C)


 ブロードバンドネットワーク利用者からモニター会員を募集し、東京リーガルマインド様の「宅建講座」「社労士講座」などの人気講義をストリーミングおよびダウンロードで配信しました(写真参照)。著作権保護技術により、ネットワーク上でモニター会員に応募された方に限り講義を視聴する場合の配信モデルを検証しました。

(3 )京都造形芸術大学様
通信教育生向け配信(B2E )


 学生の受講講座と端末を指定し、開設中のサイバーキャンパスにてストリーミングおよびダウンロードにより授業配信を行ないました。ネットワークを活用した遠隔教育における受講者を限定した配信モデルの著作権保護技術の有効性と、本実験プラットフォーム上で可能な芸術表現手法と学習効果を検証しました。歴史遺産学科の小川後楽教授による「煎茶」をテーマにした講義などを配信しました。

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(こちらは2002年12月号になります)

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