●注目を浴びる日本版ERPパッケージ/ソリューション−SCAW
 劾TTデータシステムズ
 取締役SCAW事業本部長
 佐藤 修三氏


インタビュー
平成18年までに累計1000社の導入を目指し
SCAWビジネス体制を強化

「NTT東京データ通信システムズ」は10月1日から「NTTデータシステムズ」と社名変更し、NTTデータのSCAWパッケージ開発部門と一体化した。これは、SCAW開発部門と販売・カスタマイズ部門の一体化により、日本版ERPとして近年伸び続けているSCAWビジネスを一段と強化するのが狙いだ。そこで、体制一体化によるSCAWビジネスの今後の展開について、SCAW事業本部の佐藤修三本部長に聞いた。

■パッケージ開発部門と販売・SI部門の一体化によりビジネス体制を強化


―10月からSCAWのビジネス体制を変更されましたが、SCAWビジネスの沿革と、新体制の枠組みからお聞かせください。

佐藤 平成11年にNTTデータのPI(パッケージインテグレーション)本部が名称を変更してSCAW事業推進本部を発足させ、日本版ERPパッケージとしてのSCAWビジネスを本格的に開始しました。また同時期に、インターネットの普及に合わせWeb対応を図り、パッケージとしての機能向上に取り組みました。SCAWビジネスは、これまでパッケージ開発をNTTデータが行い、販売・SIをNTTデータグループ及びパートナー会社が行ってきました。ビジネスの拡大に伴い、SCAW 事業推進本部を分離独立させるという動きもありましたが、結局SCAWビジネスの中核を担ってきた東京NTTデータ通信システムズに事業を営業譲渡して販売・SI部隊と一体化するとともに、「NTTデータシステムズ」に社名変更しました。今回の体制変更の狙いは、パッケージ開発部門と販売・カスタマイズ部門を一体化することによって、ユーザーやパートナーのニーズを迅速かつ効果的に開発に反映させるとともに、ユーザーやパートナーへのサポートを強化することにあります。SCAW事業本部の陣容は約100名です。

■自由度が高く各業態で柔軟に対応するERPパッケージ/ソリューション

―日本初のERPパッケージとして知名度の高いSCAWですが、その優位性や特長について教えてください。

佐藤 SCAWシリーズは財務管理・工事管理・人事管理・営業管理・生産管理のUF版/EX版の6つの基幹業務から構成されており、お客様のご要望に応じてさまざまな組み合わせによるシステムの実現が可能です(図1)。平成14年9月末時点で累計587パッケージの導入実績を有しています。主要ターゲットは、中堅企業が中心ですが、我々はミドルマーケットから大手企業まで幅広く手がけています。主な特長は、外資系ERPパッケージにはない、日本版ERPパッケージならではのきめの細かさです。例えば、日本の商習慣では、契約が決まったとしても、金額は後で交渉するということが頻繁にあります。そのために外資系のERPパッケージでは変更を迫られますが、パッケージ本体の規模が大きく、外部から手を入れることができないので、結果的に別システムを導入して、それを本体に連結するケースが多くなっています。また、「財務」と一口に言っても、管理会計の方式など各企業で違いますし、原価管理も現場の捉え方によって違うわけです。商習慣の違いや、各社の方式によって、どうしても修正やお客様ごとのカスタマイズが必要になります。SCAWシリーズは、フレキシブルで自由度の高いパッケージです。SCAWには拡張エリアがあり、システムに自由度を持たせることができます。場合によってはソースコードもオープンにして、業務に合ったカスタマイズができます。


図1 SCAWの商品体系

 我々がSCAWをお客様へ導入する際には、SCAW本体や関連したシステム構築に精通したパートナーが、お客様の経営課題、システム要件をもとに企画・開発作業を行います。また、SCAWシリーズの企画・開発を行ったスタッフが随時サポートする体制を整えていますので、最適なシステムの構築が可能です。


―販売実績の推移を見ると、平成12 年に急伸長しています。この要因はどこにあるのでしょうか。

佐藤 ERPパッケージとしての品質を大幅に向上させたことに加え、SCAW事業本部の中に直販部隊を置いたことも大きな要因と思います。SCAW推進事業本部は従来、パッケージを作る役割しかなかったので、販売はパートナー各社にお願いしていました。平成12年から新たに直販に乗り出すという決意をして、その意識改革が売上げに繋がったと思います。また、自分たちで営業することによって、さまざまなお客様の意見も聞けますし、パートナーと一緒になって市場開拓のためのいろんな方法を考えることができました。また、自らもSI(カスタマイズ)をしていく意識が芽生えました。実際にSIを手がけることで、パッケージに備えるべき機能が良く分かるわけです。


図2 SCAW販売実績(実績推移)

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(こちらは2002年12月号になります)

(この続きの内容)
パッケージの機能充実化とBPR人材の育成が今後の課題

 

 


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