●注目を浴びる日本版ERPパッケージ/ソリューション−SCAW
 九州旅客鉄道
 経理部会計課
 副課長
 戸田耕平氏
 九州旅客鉄道
 経理部会計課
 武内浩次郎氏
 九州旅客鉄道
 経理部会計課
 渡邊慎一郎氏


【導入事例:SCAW 財務管理システム】
債権債務が充実したSCAWで
連結会計システムDAISを構築
−JR九州グループ−



■単体財務から連結グループ財務を目指すJR九州グループのCATS構想


 九州旅客鉄道梶iJR九州)では、連結経営時代を迎えて、2001年度より3年を期限とする中期経営計画「G−Vision 03」をスタートさせている。これは、37社に及ぶグループ会社を含めJR九州グループとしての経営方針を定めたもので、「感動共有」「地域貢献」「自律経営」をグループ理念に掲げ、「ゆたかな九州創りに貢献し、お客様と感動を共有する信頼される企業グループを目指す」というものだ。

 JR九州では、グループの経営基本方針(顧客、地域社会、社員、株主の4つの価値の拡大)を踏まえ、グループ一体となったマネジメントの確立を図るため、単体財務から連結グループ財務を指向した財務総合システム「CATS」(Corporate Accounting Total System)を構築している。本システムは、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)、GETS(電子調達システム;General Electric Total System)、DAIS(連結会計システム;Digichain Accounting Integrated System)からなっている(図1)。


図1 JR九州グループ財務総合システム「CATS」構想

 「CATSは、JR九州グループの経営資源である“金、物、情報”の効率的管理を行うための財務総合システムです。各グループ会社の意向を尊重しつつ、逐次段階的構築を行っています。基本的に、パッケージソフトをカスタマイズする手法により、開発コストを極力低減する方向で構築を進めています。」(JR九州・経理部会計課 戸田耕平副課長)

■CATS構想の中核となる連結会計システムの構築にSCAWを採用

 会計ビックバンと称される連結決算、キャッシュフロー計算書、時価会計など新会計制度の導入に伴い、会計システムは非常に重要な役割を担うようになってきている。CATSの中核となるのが、グループ会社の連結決算処理の迅速化・深度化を可能にする連結会計システム「DAIS」である。グループマネジメント確立のためには、グループ会社の会計処理の標準化(勘定科目の統一/月次決算のルール化)、上場、新会計基準のための環境作り(四半期決算対応/月次決算管理体制の構築)、各々のグループ会社とのシステム結合に時間とコストを要する(グループ会社の信用確保に必須)といった課題の解決が不可欠で、そのためにはグループの統一的な会計システムの構築が戦略的にも重要であった。

 JR九州では、システムの構築に当たり、次のような機能要件に基づいて、複数社のERPパッケージを比較検討し、SCAW財務管理システムの採用を決定した。

@数十社の子会社の経理処理が行え、親会社で子会社の会計データが管理可能であること。
A子会社のクライアント(支店・営業所等)から会計伝票が入力可能であること。
B連結決算を前提とした、取引先別年間取引高の集計、取引先別債権・債務残高の集計が行えること。
Cグループ会社内の取引先と、取引高、債権・債務の自動照合が可能であること。
Dグループ内に関する債権の自動消し込みが行えること。
E親会社で子会社の決算整理伝票(決算振替伝票)が可能であること。
F独自の会計システムを運用している場合、当該会社の会計データは必要に応じて、統一会計システムにデータ接続が可能であること。
G親会社の連結決算システムに会計システムから決算データを自動接続できること。
H親会社で子会社の財務諸表等の帳票が出力可能であること。
I全マスタの管理は、親会社で保守・運用が可能であること。
J共通費等の配賦が可能であること。
K帳票以外でデータの提供が可能であること(Excel等)。


 SCAW財務管理システムは、一般会計、債権債務管理、資産管理、支払依頼の4つのサブシステムから構成される総合的な会計システムだ。日本独自の商習慣である締め請求や手形管理、日本の税法に準拠しているのはもちろん、連結会計インタフェースやキャッシュフロー計算書作成など、新会計制度に対応した機能を標準装備しているのが特徴である。

 「SCAWを採用した最大の要因は、総合的に見て複雑な連結業務の作業時間を短縮することが可能で、グループ全体の経営分析と意思決定により多くの時間を割くことができると判断したからです。特に、SCAWは債権債務機能が充実している点を高く評価しました。」(JR九州・経理部 会計課 武内浩次郎氏)

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(こちらは2002年12月号になります)

(この続きの内容)
■2002年4月より一次会社が稼動、年度内には連結対象会社全社に展開

 

 


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