●ネットワーク・アプライアンスの革新的ストレージ製品戦略●
INTERVIEW NetApp社SiSBU担当副社長に聞く エンタープライズ・ストレージの課題解決に向けた ネットワーク・アプライアンスの革新的ソリューション 1993年に業界初のNAS型アプライアンス製品を市場投入して以来、96年には業界初のネットワークベースのバックアッププロトコルであるNDMPを標準化するなど、常に業界をリードしてきたネットワーク・アプライアンス(NetApp)社が、2002年10月1日に業界初のSAN/NAS統合アプライアンスの出荷を発表した。これは、エンタープライズ・ストレージ市場の拡大に対応して、真にユーザーに最適なソリューション提供を目指す同社の新たなビジネス戦略に則ったものだ。今回のSAN/NAS統合製品の総括責任者であるSiS(SAN/iSAN)ビジネスユニット担当副社長のR.クリフトン氏が日本ネットワーク・アプライアンス社のパートナー向けセミナーの講師として来日した。そこで、今後のビジネス戦略も含め、最近の状況を聞いた。 ■5年間で年平均成長率87%と急成長を続けるNetApp ――貴社はNAS及びキャッシュ分野のマーケット・リーダーとして良く知られていますが、まず貴社の概要と最近の経営状況からお聞かせください。 R .クリフトン 私どもネットワーク・アプライアンス(NetApp)社は1992年に創業し、95年11月にNASDAQ市場に店頭公開しました。店頭公開は、一つの大きなマイルストーンだったわけですが、その段階で全社員(当時100
人足らずでしたが)が集まり、5年後の目標に向けた意識合わせを行いました。それは、1996年から2001年の間に年間純利益を2倍ずつ増やす。その間に、NetApp製品の優位性を実証することでアプライアンス・モデルへの移行を市場にもたらし、世界のNAS
(ネットワーク接続型ストレージ)市場でナンバー・ワンのシェアを獲得することを目指すというものでした。結果は5年間で87%のCAGR (年平均成長率)で急成長し、2001会計年度には10億ドルの収益を達成しました(図1)。そして、S&P500及びNASDAQ100指標にも登録されました。市場でのシェアもガートナーグループやIDCの調査結果でも明らかなように、IPプロトコルのNAS市場、さらにHTTPのキャッシュ市場においてそれぞれマーケット・リーダーのポジションを確立しました。 ■エンタープライズ・ストレージ市場で上位3社の一つを目指す ――今年度は、どのような目標を掲げているのですか。 R .クリフトン NASだとかSANだとかのアーキテクチャーによらないエンタープライズ向けのストレージ市場の中で、上位3社の一つに入ろうという具体的な目標を掲げています。現在、エンタープライズ・ストレージ市場は、急成長していますが、ギガバイト当たりの単価が下がっているために、売上ベースではほぼ横這いの状況にあると思います。最新のIDCのレポートによると、2001年から2002年にかけて金額ベースではほぼ横這い、その後微増ししていき、2005年には2500億ドルに達すると予測しています(図2)。その内訳を見てみると、筐体内蔵型のディスクアレイを除き、FCベースのSAN
が25%、IPベースのNASが32%と非常に高い予想伸び率を示しています。つまり、直付け型のDASの市場がSAN及びNASに食われると予測しています。ここで重要なのは、エンタープライズ市場では、製品の技術を売るのではなくて、お客様が抱えている課題に対するソリューションを提供していくことが必要であるということです。そのためにNetApp社では、オラクル社をはじめとするデータベースベンダー、SAPやSASを含めたアプリケーションベンダー、さらにはシステムインテグレータ、BMCやVeritas、CA
などのデータ管理ソフトのベンダー、システムインフラベンダーなどと広範囲なパートナーシップを結んでいます(表1)。データ管理の分野では、我々は強力なAPI
を用意して、各データ管理ソフトのベンダーと協力してAPIイニシアチブの活動を展開しています。つまり、単一の管理ツールにより、サーバーや異機種間ストレージの管理を実現するための管理フレームワークの提供です。 ――表1の中で、貴社のビジネスの1/3以上がデータベースに関係しているとありますが…。 R .クリフトン これまで、NASはデータベースの分野では余り使われていないと言われていましたが、実際はすでに我々のNAS
製品のビジネスの1/3以上はデータベース絡みで、その内の大部分はオラクルベースのシステムになっています。ミニデータベースからTB級の大型のデータベースシステムまで、非常に幅広い実装実績を有しています。 R .クリフトン 確かにその通りです。企業に最適なストレージ・ソリューションを提供するという我々の最重要目的からも、SAN
やNAS といったストレージインフラの統合は不可欠です。企業にとって、アプリケーションごとにSANとNASの世界が別々に存在するというのは、運用管理やコストの面からも非常に問題です。したがってNetApp社としては、NASの世界に閉じこもっていたのでは、エンタープライズ向けストレージの分野で、お客様に最適なソリューションを提供できなくなります。 R .クリフトン 10月1日に製品発表したSAN/NAS統合ソリューション、すなわちユニファイド・ストレージ・ソリューションは、DASからネットワーク型ストレージへと市場のニーズが変わっていく中で、私どもがベストなソリューションだと信じている製品群をご提供できるように、ストレージ業界で初めてFCPであれIPであれ関係なく対応できるようにしたものです。製品ブランドもこれまでの「Filerシリーズ」ではなく「FAS(ファブリック接続型ストレージ)シリーズ」にしました。FASというのは、ガートナーグループが付けた表現です。 R .クリフトン 確かにその通りです。企業に最適なストレージ・ソリューションを提供するという我々の最重要目的からも、SAN
やNAS といったストレージインフラの統合は不可欠です。企業にとって、アプリケーションごとにSANとNASの世界が別々に存在するというのは、運用管理やコストの面からも非常に問題です。したがってNetApp社としては、NASの世界に閉じこもっていたのでは、エンタープライズ向けストレージの分野で、お客様に最適なソリューションを提供できなくなります。 R .クリフトン SAN及びiSCSI対応のSAN、すなわちSAN/iSANを指しており、今回の新しいストレージソリューションをプロモートする極めて戦略的な組織と言えます。 R .クリフトン これまでの製品はイーサネットを介してサーバーと接続するNASということで、NFSやCIFS、HTTP
といったプロトコルが走っていました。新しく提供するSAN機能は、Brocade社のFCスイッチを介してSANに接続し、FCPやiSCSIが走ります(図3)。今回新たに提供するストレージ・ソリューションで我々が一番付加価値があると考えているのは、統合ストレージであるという点です。これによりアプリケーションに関係なく、SANの環境でもNASの環境でもストレージを共有でき、ファイルサーバーの集約化が実現できます。 R .クリフトン まずお客様がこれまで投資された資産をそのまま活用することができるという点です。そして、単一のアーキテクチャーにより、非常にスケーラビリティに富んでおり、しかもWindows環境での堅牢なアプリケーションのスケーリングと構成が可能になります。DR(デイザスタ・リカバリー)システムも極めてシンプルに低コストで実現できます。もちろん、独自のSnapShot機能によって迅速なリカバリーを実現しています。さらに、Clients &運用管理、利便性が向上するため、TCOを削減することができます。 この続きをお読みになりたい方はこちらから雑誌をお買い求めください。 (この続きの内容) |
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