●新たなIPサービス創出に向けたNTTCom・先端IPアーキテクチャセンタの戦略
 NTTコミュニケーションズ
 先端IPアーキテクチャセンタ
 第1アーキテクチャPT・第1P
 /第2 アーキテクチャPT・第2P
 担当部長
 小谷野 浩氏


Media Collaboration Architecture


■高度ネットワーク機能による
 IPコラボレーションの具現化を目指す


 インターネット技術の進展に伴い、これまでの電話網を中心としたコミュニケーションの世界から、IPを活用してライフスタイルやワークスタイルを含め、まったく新しいスタイルのインタラクティブなコミュニケーション環境が実現されようとしている。番号や帯域など、電話網の制約に縛られない、これまでにない発想の人と人とのコミュニケーションやコミュニティをベースとした、新しいコラボレーションスタイルへと変化することが予想される。

 変化に伴い発生するニーズに対応すべく「Media Collaboration Architecture」の開発を進めている。担当しているのは、第1アーキテクチャPT の第1プロジェクトだ。

 図1にMedia Collaboration Architectureの概要を示す。本アーキテクチャは、セッション制御やネットワーク制御、メディア処理など、高度なネットワーク機能を駆使して、ネットワークと端末が連携して新しいコラボレーションサービスを実現しようというものだ。


図1 Media Collaboration Architectureの概要

 すなわち、異なるロケーション、端末で様々な社会活動へのアクセスや、移動中もシームレスな通信が可能となるユビキタス・コラボレーション、音声・映像・データが柔軟かつリアルタイムに連携したネットワークならではのIPコラボレーションを、リアルなビジネスプロセスやインタラクティブな情報流通などと融合させた新たなサービスによるIPコラボレーション社会の実現である。

 「新しいコミュニケーション方式を普及させることによる社会基盤の実現、通信キャリアとしてIPコラボレーションをベースにした新サービスの創出による新たな収入源の確保、さらには、ライフスタイルやワークスタイルの多様化に向けて、ネット上での時空間を超えたコミュニティ形成ツールを提供することが狙いです。ネットワークの価値を最大化するため、新しい視点によるコミュニケーション形態の開拓をはじめ、社会環境や市場ニーズを社会科学的分析も含んだ形で分析し、先端IP 技術を駆使した、Media Collaboration Architectureの開発に取り組んでいます。」(第1アーキテクチャPT・第1P 小谷野担当部長)

■Media Collaboration Architectureの主な機能

 Media Collaboration Architectureに基づくサービスの利用例としてIPコールセンタ、テレワーク、遠隔医療、遠隔教育、フィールドコラボレーション、映像会議、テレマティクスなどが考えられる。これらを実現するために基盤となるMedia CollaborationPFが提供する主な機能は、以下のようなものである。

・プレゼンス管理サーバによるプレゼンス情報制御機能
・SIP(Session Initiation Protocol)サーバによる高度セッション制御機能
・メディア処理サーバによるメディア処理制御機能
・STUN(Simple Traversal of UDP Through NATs)サーバによるアドレス問題の解決
・コミュニティ管理サーバによるコミュニティ情報制御機能

 これら機能の中で、特に注目したいのが「プレゼンス情報制御」である。これは、利用者の状態情報を赤外線センサや、移動している場合はPHSやGPSなどにより自動的に取得して相手に知らせる機能である。機能の実現にあたっては、プライバシー、情報の利用形態を考慮した表示方法にも取り組んでいく方針だ。

 開発状況について、前出の小谷野担当部長は次のように語っている。

「当面の目標としては、平成15年度には、開発した機能を搭載したアプリケーションを用い、トライアルを行えるようにしたいと考えています。」

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(こちらは2003年1月号になります)

(この続きの内容)
Advanced IP Network
■IPネットワークの高度化に向けさまざまな領域を追求

 

 


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