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●新たなIPサービス創出に向けたNTTCom・先端IPアーキテクチャセンタの戦略●
Secured Archive Architecture ■秘匿性の高いデータのセキュアな保管・検索・閲覧等を保障 インターネットの利用拡大に伴い、不正アクセスや改竄、情報流出、ウィルスなどの犯罪が増加している。政府が進める電子政府・電子自治体の実現に向けた取り組みや、企業活動を活性化させるネットビジネスの基盤として、情報セキュリティの重要性が叫ばれている。情報は、重要な資産であり、企業や組織はその価値に応じて適切な方法で資産を保護することが必要で、サイバーテロに対する対策のみならず、万一の災害に対するディザスタ・リカバリー（災害発生時の復旧）対策が不可欠と言える。しかも、物理的・環境的なセキュリティ管理から、個々のコンテンツに対するセキュアなマネージメントが必要とされてきている。 このようなニーズに対応すべく、秘匿性の高いコンテンツの保存・管理に着目し、電子決済、取引、電子カルテ、ゲノム情報等、秘匿データのセキュアな保管・検索・閲覧等を保障するコンテンツセキュリティ共通基盤として、「Secured Archive Architecture」の開発を進めている。 セキュアなコンテンツマネージメントを実現するためには、以下のような課題の解決が必要である。 ・時刻証明や非改竄証明などがなく、データ内容の保証が乏しい ・電子署名は有効期限があり、定期的な維持手続きが不可欠 ・バックアップデータの機密維持環境が不十分 ・運用受託者の機密漏洩防止機能が不十分 ・暗号化や電子署名等、PKI（公開鍵暗号に基づく認証基盤）鍵運用が顧客負担となる場合がある ・長期のデータを預かり、速やかに閲覧可能にする機能が未整備 ・EC等で取引Web画面を保管しても、現状、完全再生不可 ・長期保管の際に必要となるアクセス権の変更・管理が煩雑 図１ にSecured Archive Architectureの概要と目的を示す。本アーキテクチャは、セキュリティ基盤としてこれらの課題を解決するのが狙いである。担当しているのは、第２アーキテクチャPTの第５プロジェクトだ。 
図1 Secured Archive Architectureの概要と目的 「現在、セキュアデータセンタやネットストレージといったサービスが提供されています。しかしこれらのサービスは、定期診断から予防保全、常時監視、緊急対処といったサイクルに基づく“安全な環境”にフォーカスしたものです。これに対し、我々は、個々のコンテンツごとに、“安全な環境”の中で、真正性・信頼性、完全性・機密性、可用性、説明・追跡性といった保管データのマネージメントサイクルを実現するSecured Archive Architectureの開発に取り組んでいます。」（第２アーキテクチャPT・第５P 諏訪担当部長） ■ECOMガイドラインに基づく電子署名文書の長期保存技術を実装 Secure Archive Architectureの中核となるのが、電子署名文書の長期保存技術の実装と、耐タンパ（不正侵入防護）環境におけるデータの分割・分散保管技術である。 電子文書に電子署名を施し、電子証明書を添付して送るといった方法が、行政や産業・金融分野で導入され始めている。しかし、暗号解読技術の進展等により、長期保存に耐えられなくなることや、電子署名には有効期間があり、有効期間が過ぎた後も有効性の検証を行わなければならないといった事態が発生することが想定される。このような状況を踏まえ、ヨーロッパのETSI（European TelecommunicationStandards Institute）標準をベースに経済産業省の電子商取引推進協議会（ECOM）は2002年３月、推奨する署名フォーマットとして「電子署名文書長期保存に関するガイドライン」を作成している。 同プロジェクトでは、ECOMガイドラインに則した電子署名の有効性延長技術をネットワークサービスに最適なシステムと化し、実装している。また、デジタルデータを自動的に分割・秘匿化し、秘匿データを分散して保管。万一、どこかの保管センタがダウンしても、残りの保管センタのデータから元のファイルを復元できる画期的な技術を開発している（特許申請中）。 この続きをお読みになりたい方はこちらから雑誌をお買い求めください。 （この続きの内容） |
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