●新たなIPサービス創出に向けたNTTCom・先端IPアーキテクチャセンタの戦略
 NTTコミュニケーションズ
 取締役
 先端IPアーキテクチャセンタ所長
 飯塚久夫氏


INTERVIEW】
セキュアな環境で、使いやすく、魅力ある新しいIPサービスの創出を目指す

インターネットの質的大転換期に向けたアーキテクチャ構築を推進するため2002年5月に発足した、NTTコミュニケーションズのR&D組織「先端IPアーキテクチャセンタ」。
新しいIPサービスの実現に向けて邁進する同組織のコンセプト、狙いを含め現在の状況について、同センタ所長の飯塚久夫取締役に聞いた。


■将来指向と全体思考で、新たなIPサービスを創出


―R&D 組織を再編し先端IPアーキテクチャセンタを設置されましたが、背景及び主要ミッションをお聞かせください。

飯塚 先端的IP サービス領域での開発機能をより一層強化するため、2002年5月に、新しいR&D組織として先端IPアーキテクチャセンタを設置しました。NTTコミュニケーションズの技術戦略は、将来指向と全体思考の2 つがキーです。つまり、将来を見据え、ネットワークや設備、サービス等をトータルに考える。これを我々はアーキテクチャと称しています。このような視点で、最先端の技術力と開発力を維持し、NTTグループのR&Dや世界中のパ
ートナーと連携を取りながら、新たなIPサービスを創出することが主なミッションです(図1)。背景には、“インターネット”が質的大転換期を迎えていることがあげられます。ご存じのように、インターネットは、そのオープン性、自由な拡張性により爆発的に普及しました。一方で、生活基盤への浸透に伴い、信頼性・安全性への不安も増大しているし、多くのマスユーザにとっては、未だ生活必需品の域には達していません。


図1 先端IPアーキテクチャセンタのミッションと位置付け

―質的転換を図らないと、さらなる発展は望めない…。

飯塚 IPサービスの利用上の問題によって魅力あるサービスの創出や生活インフラとしての発展が停滞する恐れがあります。

―新しいIPサービスの目指す方向性は?

飯塚 サービスの方向性を表すキーワードは、「安心」「快適」「簡単・便利」「魅力」、安心して使える安全なサービス、快適に使える高品質なサービス、簡単・便利で生活インフラ化し得るサービス、魅力を感じる価値あるサービスの4 つです。つまり「オープンなインターネットをセキュアな世界へ」をスローガンに、ネットならではの高付加価値サービスを提供し、より快適なネットセントリックなライフスタイルを実現することです。これを具現化するために、市場動向を踏まえた最先端の技術評価を実施するとともに、最先端アーキテクチャの創出、パイロットプロダクトの開発に取り組んでいます。

■垂直・水平統合モデルによるセキュアなアーキテクチャ

―新しいIPサービスの目指す方向性は?

飯塚 サービスの方向性を表すキーワードは、「安心」「快適」「簡単・便利」「魅力」、安心して使える安全なサービス、快適に使える高品質なサービス、簡単・便利で生活インフラ化し得るサービス、魅力を感じる価値あるサービスの4つです。つまり「オープンなインター

―センタの体制は、どのようになっているのですか。

飯塚 内部組織として、IPサービスの開発に取り組む第1アーキテクチャPT(プロジェクトチーム)、IPネットワークの開発に取り組む第2アーキテクチャPT、全社セキュリティの検討・推進に取り組むセキュリティマネジメント室、開発企画部門の4組織からなり、第1・第2 アーキテクチャPTは、主なサービス開発分野ごとにそれぞれ5つのプロジェクトで構成しています(図2)。


図2 先端IPアーキテクチャセンタの体制

―新サービスの実現に向けたアーキテクチャのコンセプトは?

飯塚 NTTコミュニケーションズでは、これまでネットワークサービス、オペレーション、プラットフォーム、アプリケーションまで多くのプロダクト群を提供するとともに、これらの領域をつなぐマネージドサービスやソリューションサービスを提供してきました。我々は、これらを垂直・水平統合するセキュアな新しいアーキテクチャの構築を目指しています。垂直統合に関しては、アクセスからネットワーク、プラットフォームまでの垂直連携と機能分担による最適化を行います。特にプラットフォーム領域については、各プラットフォームをクラスタリングし、コア機能の連携・共用によるフレキシブルな新サービスの創出と全体の最適化を図ります。

―ネットワーク基盤については、いかがですか。

飯塚 すでにバックボーンを含め大規模なIPネットワークを構築していますが、現在のIP網は、制御性の弱いネットワークです。ネットワーク制御とかトラフィック制御といったファンクションをもっと強く意識してリファインしていく必要があります。これをリニューアルし、マネージャブルな高信頼性と拡張性を備えたネットワーク基盤が必要であると考えています。

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(こちらは2003年1月号になります)

(この続きの内容)
■セキュアな環境での使いやすいIPサービスの提供が主眼

 

 


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