確実な監視・的確な判断・迅速な対応で安心と満足を提供する
NTTファシリティーズのO&Mソリューション
 劾TT ファシリティーズ
 オペレーション&
 サービス事業推進本部

 本部長 上野 晴夫氏


【インタビュー:O&M事業戦略】
セキュリティサービスなど新分野を含め
事業領域の拡大を目指す


■マネジメントサービスを含む
アグレッシブな戦略組織


―ブロードバンド化や移動体通信の進展など、情報通信市場が急激に変化しつつありますが、このような市場に向けたNTT東日本・法人営業本部のビジネスの方向性からお聞かせください。

上野
 オペレーション&サービス(O&S)事業推進本部は、従来から通信用電源・空調設備の保守運用を行ってきた保全部門を中核として発足しました。本部内には、事業を推進する事業企画部・全国の技術支援と品質管理を行う技術支援並びに監視オペレーションを全国的に行っている3センタ(東日本オペレーションセンタ・西日本オペレーションセンタ・カスタマセンタ)があります。従来はNTT再編4社の設備を保守管理する業務が中心でしたが、NTTドコモ各社の設備が増えてきたことに加え、一般市場のお客様の増加などから、事業領域の拡大も視野に入れた保守ビジネス全体の推進機能を強化するため新体制に移行しました。

―O&S 事業推進本部の主要ミッションは。

上野
 組織名称の「オペレーション」は、施設の運用全般(ファシリティオペレーション)を意味し、また「サービス」には、故障修理などの保守サービスだけでなく設備管理やエネルギー管理などのマネジメントサービスを含んだ幅広い意味を持たせました。

 O&S事業部門は、お客様設備を単に監視・保守するだけでなく、お客様設備の運用全般に責任を持ち、現場から得られる保守データ等の情報を分析し、改善提案を積極的に実施することによって、お客様が望むサービスレベルを確保する「能動的かつ戦略的な組織」です。私どもO&S事業推進本部は、NTTファシリティーズグループ全体のO&S事業推進と各ブロックをまたがる横断的な監視業務などを行っています。事業部門全体ではNTTファシリティーズ・NTTファシリティーズエンジニアリングあわせて約2,000名が、通信用電源や空調設備の保守を中心に行っています。

■OLA/SLAに基づく品質確保を第一にアウトソーシングに取り組む

―付加価値マネジメントサービスへとアウトソーシング市場も変化してきましたが、どのようなお考えで事業展開されていますか。

上野
 私どもが、マネジメントサービスを強調している大きな理由は、付加価値追従型のアウトソーシングのニーズが増えてきたからです。設備を保有している会社はすべて設備管理(マネジメント)を行っています。アウトソーシングという形態は、ビジネスの変化に伴う新サービスの提供、技術革新への迅速な対応、経営資源のコア業務への集中など、企業の抱える課題を解決するための一つの結果です。このようなアウトソーシングのニーズに対し、私どもではOLA(オペレーションレベルアグリーメント)やSLA(サービスレベルアグリーメント)に基づく品質の確保を第一に、お客様個々のご要望に的確に応えていく必要があると考えています。

 保守する設備も複雑化・多様化しています。こうした流れのなかで、能動的かつ戦略的なビジネスを展開するために、設備マネジメント機能がますます重要となってきます。ハイレベルな設備管理には、システム化と同時に担当者一人ひとりがマネジメント意識を持つことが重要です。

―設備監視・設備管理のために、どんなシステムをお持ちですか。

上野
 設備監視は、ALICE(電力保守総合監視システム)を構築していますし、設備管理はALICEと連携したSOPHIA(電力業務サポートシステム)を導入しています。このSOPHIAは、設備情報管理・顧客管理・保守契約管理機能等の単なる固定データだけでなく、計測値管理機能・蓄電池寿命管理機能・故障情報管理機能等、日々の設備状況データを蓄積する機能が盛り込まれています。これらの機能は、高信頼が求められる設備を保有するお客様が、私どものグループに安心して保全部門をフルアウトソーシングしていただくための強力なツールと位置付けています。このため、東西オペレーションセンタには各ブロック支店等の設備管理業務の支援活動を行うマネジメント担当を設け、サービス品質の向上に努めています。

■カスタマセンタを核に、全国の保守拠点と専門家集団の強みを生かし、事業領域の拡大を目指す

―O&S 事業の展開にあたって、貴社の強みは。

上野
 私どもの強みは、全国の保守拠点と、通信ネットワークを支えるインフラ設備やエネルギーに関する企画・設計から維持管理までを一元的に手がけてきたことです。これら万全の保守体制と監視・保守の先進ノウハウを最大限に活用しつつ、事業領域の拡大に向けた展開を図っているところです。

―新たな事業展開の核となるのが、「カスタマセンタ」ですね。

上野
 NTTファシリティーズでは、会社発足以来、NTTグループ以外のお客様に対しても監視サービスの提供を行ってきましたが、それはNTTグループの設備を管理するオペレーションセンタに併設されたものでした。様々なお客様に柔軟に対応できるようカスタマセンタは、NTTグループ以外のお客様の設備監視と建物セキュリティ管理の一環である建物等トータルセーフティシステム「WAKENET」の運用を行う全国センタとして200年に発足しました。

 このカスタマセンタを核として通信用電源で培ったコア技術を活かしたデータセンタ等の電源及び空調設備監視サービスを提供してきましたが、更なる事業領域の拡大を図るため『監視・保守サービスビジネスユニット』を設置し、O&M(オペレーション&メンテナンス)ソリューションとしてネットワーク監視サービス・データセンタ監視サービス・監視センタ(コールセンタ)代行サービス・中規模ビルの保守監督サービス・他社製UPSの保守サービスなどをシリーズ化して精力的に業容拡大を図っています。2003年6月にアメリカの代表的な電源メーカであるAPC社の日本法人APC Japanと大型UPSの販売と保守サービスにおいて業務提携を行いました。

■プラス1 のスキルアップと努力で新しいパワーを発揮したい

―今後の抱負を含めたビジネス展開についてお聞かせください。

上野
 市場的には、データセンタなどのIP系サービスを提供するサイトの電源・空調設備の監視保守ビジネスは、今後必ず伸びていく事業分野であり、私どもがこれまで培ってきた技術をそのまま活かすことのできるアドバンテージを持った市場であると捉えています。

 また、WAKENETなどのセキュリティサービスも業容拡大の新規分野として大いに期待できる市場だと思っていますし、環境・エネルギー分野も伸びることを願っている分野です。太陽光発電やマイクロガスタービン、燃料電池などの分散発電ビジネスが伸びれば、それに伴って、監視保守サービスのニーズが高まってくるはずです。

 しかし、データセンタ等で、ネットワーク機器を含めたフルアウトソーシングのニーズに応えるためには、プラス1・プラス2のスキルを身につけることが必要で、そのための人材育成にも取り組んでいます。アウトソーシングサービス事業の経営資源は、人材です。2,000名の社員がプラス1の資格取得と1割努力を重ねることができれば、そこに2,000人以上のエネルギーが集積され、パワーとして発揮されるのです。皆様方にもNTTファシリティーズのO&Mソリューションを活用頂けたら幸いです。

―本日は有り難うございました。

(聞き手:本誌編集長 河西義人)

 

 


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