●レポート


企業の未来は“知る力”の中に
SAS Intelligent Enterprise2003開催


■各社の成功事例と最新のソリューションを紹介


 去る6月5日、東京全日空ホテルにて、日本国内で1,500社2,300サイト(2003年4月末現在)の導入実績を誇るビジネス・インテリジェンス・ソリューション分野のリーディングカンパニー、SAS Institute Japan梶i以下、SAS)主催による「SAS Intelligent Enterprise 2003」が開催された。「SAS Intelligent Enterprise 2003」は、ビジネスリーダーに向けてSASの多彩なビジネス・ソリューションを紹介するプライベートセミナーで、第2回目となる今回は、申込者数が1,800にものぼり、当日は1,000名を超える参加者が集まった。

 今回のテーマは「企業の未来は“知る力”の中に」。企業を取り巻く環境が激変している中で、成功している企業は積極的に変化のために投資を行い、ビジネス・インテリジェントに基づいた新たなソリューションを導入している。その中でSASは、ビジネス・インテリジェンスを創造するために必要不可欠なIntelligence Value Chainを提供できる唯一のベンダーとして、バランス・スコアカードを実現する「SAS Strategic Performance Management」や、マーケティング・オートメーションを可能にする「SAS Customer Intelligence」などの業種横断的ソリューションの提供とともに、それらを包括・統合した業種別ソリューション「SAS Telecommunications Intelligence Solutions」や「SAS Banking Intelligence Solutions」などを提供。これらの最新のインテリジェンス・ソリューション群の紹介並びに導入企業からの成功事例が紹介された。

■環境の変化に柔軟に対応する「Adaptive Enterprise」を目指す

 当日は、SASの堀昭一社長の挨拶にはじまり、基調講演、ユーザー企業特別講演、プレゼンテーションが行われた。

【基調講演】
企業価値向上を目指すビジネス・インテリジェンス戦略

ガートナージャパン梶@ジャパンリサーチセンター
リサーチデレクター栗原 潔氏

ビジネス・インテリジェンス(BI)の最新動向について講演。「BIとは、企業のデータ資産から競合優位性を得るための知識を獲得するプロセスであり、経営環境の不確実性が高まっている今こそ求められているIT投資である」と栗原氏。BIプロジェクトを成功させるためのプロセスについて、左脳型IT(効率性優先)への投資効果と右脳型IT(ビジネス効果優先)への継続的投資の効果の比較や、BI(知識の構築プロセス)へのアプローチ等について解説した。


ガートナージャパン鰍フ栗原氏

【ユーザー企業特別講演】
世界で最も顧客志向なビジネスを支えるビジネス・インテリジェンス

アマゾン・ジャパン梶@代表取締役社長
ジャスパー・チャン氏

 書籍、CD、DVD等の購入方法をドラスティックに変革したオンラインストア、Amazon.com。「顧客の需要を予測できる能力が高まるほど、より迅速で質の高いサービスを提供できる」とチャン氏。BI を駆使して、ますます増加・複雑化しているデータの中からナレッジやインテリジェンスを獲得し、“世界で最も顧客志向なビジネス”と高い収益性を実現しているAmanon.comの戦略について講演した。


アマゾン・ジャパン鰍フチャン氏の講演

【SASプレゼンテーション】
The Intelligent Enterprise

 27年間にわたる豊富な経験とノウハウによって体系化されたインテリジェンス創造への標準化手法「SAS Intelligence Value Chain」について、そのコンセプトと最新ソリューションによる活用事例を紹介した。

【セッション】
 午後から4つの会場で行われた成功事例発表セッションでは、カテゴリーごとにさまざまな事例が紹介された。各セッションのタイトルと企業・団体名は次の通りである。

◆カテゴリー1「Enterprise」
 「リアルタイム経営とKPIに基づく社員の意識統一の実現」−住商情報システム梶|
 「日本経済逆風下の快進撃をサポートするBI のチカラ」−アールエスコンポーネンツ梶|
 「コンシェルジュバンクとBSC」−スルガ銀行−
 「バランス・スコアカードを使った実践的ケーススタディで、実際のビジネスプロセスを追体験」−玉川大学工学部−

◆カテゴリー2「Customers」
 「これからの通信業界における課題と施策」−エイトプランニング−
 「ヨーロッパ金融機関による顧客情報活用事例」−SAS International−
 「イタリア移動体通信に見るカスタマー・インテリジェンス」−SAS International−
 「顧客志向戦略の推進により実現した音楽ビジネスの新局面」 −Sony Music Entertainment Inc.−

◆カテゴリー3「Organization」
 「日本企業におけるグローバル臨床開発のあり方」−武田薬品工業梶|
 「Basel U以降に対応する銀行のリスクマネジメント」−SAS International −

◆カテゴリー4「Suppliers」
 「洋酒の在庫適正化に向けた需給計画システムの構築」−キリンビール梶|

◆カテゴリー5「Intelligence Architecture」
 「証券投資における運用手法の開発事例」−叶V光総合研究所−

 基幹システムへのアクセスから、データウェアハウス、データマイニング、BIアプリケーションまで、SASソリューションが世界のトップ企業で採用され、すべての企業活動に求められるインテリジェンスを提供していることを証明した1日であった。

 

 


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