NTTグループのソリューションガイド
ビジネスコミュニケーション

エンタープライズICT総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

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【INTERVIEW】
「統合VPN」を核に、これまでにない
応用分野の開拓に注力

4つのコアなVPNサービスに加え、高付加価値アプリケーションからマネージドサービス までをワンストップで提供するトータルサービス、「統合VPN」ソリューションを展開す るNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)。付加価値サービス強化により、ユーザー 企業のさらなる業務の効率化、コスト削減と信頼性向上に貢献する「統合VPN」の取組み をブロードバンドIP事業部の西郷英敏事業部長に伺った。

NTTコミュニケーションズ ブロードバンドIP事業部長 西郷 英敏氏
NTTコミュニケーションズ
ブロードバンドIP事業部長
西郷 英敏氏

「適材適所」のVPN 化を実現する「統合VPN」ソリューション

―多様化する企業ネットワークのニーズに対応した「統合VPN」ソリューションを昨年より展開されていますが、「統合VPN」ソリューションのコンセプトからお聞かせください。

西郷IP 化とブロードバンド化という大きな流れの中で、各企業は、IP-VPN、広域イーサネットなどのネットワークサービスをプライベートネットワークに積極的に導入して きました。弊社の「Arcstar IPVPN 」、「e-VLAN」、「OCN-VPN」 などもおかげさまでそれぞれのジャ ンルで昨年度の導入実績No.1 とい う評価をいただいています。しかし こうしたネットワークサービスの導 入が進むにつれ、それぞれのサービ スのスペックを超えた利便性とコス トパフォーマンスへのニーズの高ま りを感じるようになってきました。 こういったニーズを、1つのVPN サービスだけで満たすのは難しいと いえます。そこで、先の3 つの VPNに加えて、昨年サービスを開 始した廉価なブロードバンドサービス「Group-VPN」の4つのコアな VPNサービスを自由に組み合わせ て、お客さまに最適なVPNネット ワークの構築をご提案できるように しようという考えに基づいて生まれ たのが「統合VPN」です。

―1つのVPNサービスの場合、例え ば支店・営業所を含めた全拠点で高信 頼のVPNサービスを導入しようとする とコスト負担が大きく、低価格のVPN サービスでは信頼性に不安が残るとい ったように、コストと品質・信頼性・ 機能とのトレードオフがあり、同時に 実現するのが難しい。そこで、4つの VPNサービスを適材適所に活用するこ とで、この課題を解決されたのですね。

西郷そうです。これまでは、4つ のサービスからご希望に合ったものを 1つ選択していただいていたのです が、上手に組み合わせることでお客さ まにとって全体最適なサービスがご提 供できると考えています。それには、 各々のネットワークサービスを各ジャ ンルでのトップブランドとして育てて きたノウハウが大きく活かされると思 っています。しかも、お客さまの様々 なニーズにお応えするために、各種の 高付加価値アプリケーション、アクセス回線、端末レンタルさらには保守・ 監視サービスまでを一元的に提供する トータルなソリューションサービスと して展開しています。

中小規模事業所/SOHO 向けの高付加価値サービスの開拓・提供に注力

―IP Centrex やWeb 会議をはじめ とする高付加価値アプリケーションを 豊富にラインナップされていますが、 多様化するユーザーニーズに対応する ために、新たなサービスとしてどのよ うなものをお考えですか

西郷高付加価値アプリケーショ ンにつきましては、これまでにも統 合VPN上で、IP Centrex やTV会 議、Web会議などのアプリケーシ ョンをご提供してきましたが、オフ ィスでの生産性向上のためのトータ ルソリューションとして新たに、ネ ットワーク電話帳を利用しクリック 通話ができる「Click to Connect」 サービスやWebカメラによる映像 モニタリングサービス、さらには IPv6 を使ったM2M(Machine-to-Machine)サービスなども追加して いるところです。

「統合VPN」ソリューション

―SOHO市場向けのサービス提供についてはいかがですか。

西郷最近になって、中堅・中小企 業の方々に対するIPネットワークサ ービスの市場が急速に立ち上がり始 めています。ここでは、大掛かりな VPNサービスとまで行かなくても良 い場合も多いので、「OCN-VPN」や 「Group-VPN」を核に、各種サービ スを用意していきたいと考えていま す。VPNサービスというよりも使い 方(アプリケーション)のご提案こ そが重要と考えるからです。

すでに、簡易かつ低価格でインタ ーネット経由での映像モニタリング が行える、ネットワークとWebカ メラのレンタルをセットにしたパッ ケージサービス「OCN for モニタ リング」及び「Group-VPNモニタ リングパック」をこの7月から提供 しています。また、IP 電話サービ スとIP 電話端末などをパッケージ 化した「Centrex バリューパック」 も提供開始しました。セキュリティ 関連のサービスとしては、オフィス 内のパソコンのインターネット・セ キュリティ向上を低廉かつ簡易に実 現する「PCパトロール」や迷惑メ ール防止サービスといったサービス も用意しています。

―「統合VPN」ソリューションの普及状況は、現在どれくらいですか。

西郷「統合VPN」ということで現 在お使いいただいているお客さまの数 は20万回線以上となり、かなり裾野 が拡がってきていると思っています。

光アクセスの能力を最大限に活かせるアプリケーションを提供

―アプリケーションの拡充など、今 後の強化の方向性についてお聞かせく ださい。

西郷NTTグループは、2010 年に は3,000 万の光加入を目指していま すので、ベースとなる光アクセスの 能力を最大限に活かせるような画 像・映像系のサービス拡充に力を入 れていきたいと思います。当然、 VODなどコンテンツの配信もあり ますが、どこでも手軽に作り出せる コンテンツとして例えば、カメラで 撮影した動画像をリアルタイムで見 ることができるようなサービスもあ ります。例としては、先日のロンド ンのテロ事件では、監視カメラの映 像が捜査に威力を発揮しました。こ れまでのコミュニケーションネット ワークは、音声を中心とした“話す ネットワーク”として大きく発展し てきましたが、人間の五感で言うと 聴覚の世界です。至るところにコン テンツ=話題が転がっていたために ニーズを捉えることができたのだと 思います。今後期待されるのは、視 覚的に情報を得るとか、センサによ り状態を知るといった“見る(知る) ネットワーク”なのではないかと想 像しています。さらに、固定通信と モバイル通信の融合という観点で、 FMCによる高付加価値サービスの 開拓にも取り組んでいます。

これまでにない応用分野を開拓し、ビジネスを拡大

―最後に、ビジョンも含め、今後のビジネスに対する抱負をお聞かせください。

西郷ビジネス向けの各種ネットワークサービスの提供が私どものミッ ションであり、使いやすくしかも非 常に効率の良い、広帯域なVPNサー ビスに対するお客さまのニーズは今 まで以上に増大すると考えています。 そのために、「統合VPN」ソリュー ションを軸に、ビジネスを展開して いきたいと考えています。また、も う1つの柱として、中堅・中小のお 客さま向けにさらに利便性の高いサ ービスを提供していきたいと考えて います。いずれにしましても、通信 の用途が、単なるコミュニケーショ ンツールとしてだけでなく、リアル タイムで見たり・知ったりすること ができるような利用法へと拡大する ことでビジネス活動もきっと視界が 開けたようになり、それに伴って私 どものビジネスも発展すると考えて います。そのために、これまでにな いような応用分野を開拓していきた いと考えています。

―本日は有り難うございました。

(聞き手・構成:編集長 河西義人)


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