2006年１月18日、オラクルはCEOのラリー・エリソン氏が主催したイベントで、「Oracle Fusion Architecture」と「Oracle Fusion Applications」の進捗報告を行い、さらなる詳細を明らかにした。また、オラクルのリーダーたちは、多様で幅広い顧客との関係に注力することを表明し、Oracle Fusion Applicationsへのアップグレードを見据えた新機能のロードマップをより詳しく説明した。

「Oracle Fusion Applicationsの開発プロセスは、既に道程半ばまで達しており、提供目標である2008年に向けての進捗は順調です」とオラクルの社長であるチャールズ・フィリップス氏は述べている。また同氏は「今回のFusion Customer Councilに参加されているお客様、そしてパートナーの皆様は、このような短期間で私たちが大きな進展を成し遂げたことに驚かれています。オラクルは、Oracle Fusion Architectureの定義を済ませ、Oracle Fusion Applicationsの開発に使われている成熟したツール群が含まれる世界随一のOracle Fusion Middleware上で、全てオラクル・アプリケーションの検証を終えました。また、データモデルの定義も完了し、Oracle Fusion Applicationsの将来のリリースに向けて計画する機能を決定しました」。さらに「フュージョンの開発プロセスにはお客様にも参加いただいていますが、お客様の80％がOracle Fusion Applicationsへのアップグレードが可能であるとの確かな感触を得ています。こうして、これまでのアプリケーションから引き継ぐ機能と、他のアプリケーションから導入する新たな機能を計画できるまでに至っています」と語った。

オラクルのアプリケーション開発担当シニア・バイス・プレジデントであるジョン・ウーキー氏は、オラクルが2006年にリリースを計画している新機能について、「これらの新機能は、Oracle Fusion Applicationsへのアップグレードを選択するお客様にとっての土台となるものです」と語った。またウーキー氏は、分散したシステムを標準に基づく方法で統合し、既存のアプリケーション内でビジネスプロセスを定義、拡張を容易に開発できるようにする「Web Services Repository」について、「Web Services Repositoryを活用することで、お客様は、Oracle PortalもしくはJSR168準拠ポータルを用いてカスタム・コンポジット・アプリケーションを構築可能となります。スタンダードに基づく現実的なビジネスプロセスを設計、実装する際にWeb Services Repositoryの力を引き出すのがOracle BPEL Process Managerです。さらにWeb Services Repositoryは、Oracle Fusion Applicationsの統合ポイントを明示することにも寄与します」と語った。また同氏は「Oracle XML Publisher」を使い、既存のアプリケーションである「Oracle E-Business Suite」、「PeopleSoft Enterprise」、「JD Edwards EnterpriseOne」と連携可能な、新しいレポーティング機能を紹介。「2006年にダウンロードが可能となる予定の新レポート・ライブラリは、これまでのレポーティング機能を一層高度にします。これらは、Oracle Fusion Applicationsに合わせてリリースが計画されるレポートと同じく、ユーザーはその業務／アプリケーション・システムの主要な要素をオラクルのフュージョン・アーキテクチャに移行させることができるのです」。そして最後に「Oracle Fusion Applications」へのアップグレードを容易にするために行った作業について触れ、「私たち既にアップグレード・アーキテクチャを開発しています。今年の後半から顧客による諮問機関との作業を開始して、アップグレード・プロセスの自動化と簡便化にとってベストな手段を決定していきたい考えです。アップグレードを可能な限り自動化し、コストとダウンタイムを抑えることを重要課題としています」と語った。