富士通とシスコシステムズは、共同ブランドのハイエンドルータ「Fujitsu and Cisco XR 12400」シリーズ（4モデル）の日本国内での販売を5月25日より開始した。同製品は、2004年12月6日に発表した両社の戦略提携によって実現した最新の製品となるもので、2005年5月より提供している「Fujitsu and Cisco CRS-1」と同様、次世代ハイエンドルータ向けOS「Cisco IOS XR」を搭載している。

Fujitsu and Cisco XR 12400シリーズは、セキュアな仮想化、システムの常時稼動、マルチサービスの拡張性を実現し、スロットあたり毎秒2.5ギガビットから10ギガビットまで対応できるインテリジェントなルーティングソリューションを提供することで、次世代IPネットワークやMPLSネットワークの構築を可能にした。またFujitsu and Cisco CRS-1は、マルチシェルフシステムの追加による機能強化を行うことで、トラフィックの増大に応じたネットワークの拡張を可能にした。これにより両社は、日本の通信事業者向けに、豊富なラインナップの中から最適な機種を提案することが可能となった。

今回強化されたポイントは次のとおり。

(1)「Fujitsu and Cisco XR12400シリーズ（4モデル）」を提供

Fujitsu and Cisco CRS-1と同様、次世代ハイエンドルータ向けOSであるCisco IOS XRを搭載し、高性能、高信頼性と優れた柔軟性および拡張性を備えた。スイッチング容量は、80ギガビットから320ギガビットまでをカバーする4モデルがあり、スロットあたり10ギガビットまで対応。さらに、今後Fujitsu and Cisco XR 12000シリーズの各モデルを提供し、スロットあたり数10ギガビットまで対応する予定である。

(2)「Fujitsu and Cisco CRS-1」の機能強化

Fujitsu and Cisco CRS-1にマルチシェルフシステムを追加することにより、スイッチング容量毎秒2.5テラビットが実現可能となった。将来的には、2～72台のラインカードシェルフと1～8台のファブリックシェルフで構成され、スイッチング容量を最大で毎秒92テラビットまで増強する。

(3)次世代ハイエンドルータ向けOS「Cisco IOS XR」の機能強化

Fujitsu and Cisco XR 12400シリーズ（4モデル）、およびFujitsu and Cisco CRS-1に搭載されるCisco IOS XRの最新リリースは、GMPLS機能や、装置のハイスケーラビリティを提供するSDR機能（＊）のサポートを実現した。

富士通とシスコシステムズは、日本のハイレベルなキャリアグレードに対応するために、Cisco IOS XRの共同開発を進めてきた。本リリースにおいて、SLA確保に欠かせないトラフィック状況の分析機能など、日本の通信事業者の要望に対応した。

＊SDR（Secure Domain Router）機能：1台のルータを複数の独立したルータに分割する機能。SDRは1台のルータを分割したものが、それぞれにリソースが割り当てられているため、高可用性を実現できる。SDRに分割するには、専用のルートプロセッサとラインカードが必要となる。

---

富士通とシスコシステムズでは、日本における共同マーケティング活動により、通信事業者等の顧客の要望に対応したソリューションを提供するとともに、両社共同で実施している品質管理活動や、万一の障害時における迅速な対応についても引き続き強化を進めていく。

また富士通では、最先端技術とノウハウやリソースを組み合わせたトップレベルのサービスを提供できるよう、人材育成に努め、富士通グループにおいて、現在60名を超えるCCIE取得者を有するに至っている。