屋上サツマイモ栽培によるヒートアイランド対策効果の実証実験
~芝を用いた屋上緑化に比べ蒸散量で約1.5倍の効果を発揮~NTT都市開発・NTTファシリティーズ
NTT都市開発とNTTファシリティーズは、オフィスビルの屋上において、サツマイモの水気耕栽培システム(以下、本システム)導入によるヒートアイランド対策の効果を検証する共同実証実験を実施している。
サツマイモは葉面が蒸散することにより気化熱(水が水蒸気に変わる際に必要な熱)が発生し、大量の熱を吸収することから周辺の空気の温度上昇を抑制できる。
システム概要
本システムは、植物が必要とするミネラルなどの成分を含んだ肥料を水に溶かした“液肥”を栽培ユニットに循環させることにより、土を使わずにサツマイモを栽培するものである(図1参照)。
図1 水気耕栽培システムの構成
土が不要かつ簡易なシステムで屋上緑化が導入できることから、既存ビルに容易に導入することが可能である。
サツマイモ水気耕栽培の特徴
(1)優れた生成性
- 1㎡のユニットが約25倍の面積を緑化する。
(2)栽培が容易
- サツマイモは暑さや風雨など環境の厳しいところでも育成でき、病気にも強い特徴がある。
- 栽培管理は容易で専門家でなくても育てることが可能である。
(3)優れた蒸散量
- 葉面が蒸散することにより気化熱が発生し、周辺から大量の熱を吸収する。
- さつまいもの葉は大きく、また幾重にも重なり合っている為、芝生・セダムより単位面積あたりの蒸散量が期待できる。
写真 水気耕栽培システムの全景
(4)優れた遮熱効果
- さつまいもは40~50cmの高さがあり、また葉が幾重にも重なりあっているため、大きな遮熱効果が期待できる。
(5)植物に触れる癒し効果
- サツマイモを収穫することができるため、収穫の喜びや植物に触れる癒し効果が得られる。
効果検証(モニタリング)
サツマイモ緑化区と緑化されてない無処理区を比較して測定している。
これまでの測定の結果、本システムは芝を用いた屋上緑化に比べ蒸散量で約1.5倍の効果が確認された。また、温度測定の結果、緑化されていない無処理区の屋上表面温度は最大55℃、サツマイモ緑化区では最大30℃となっており、最高で約25℃の差が測定され、高い遮熱効果も確認された(実証実験の最終結果は収穫(11月)後に公表予定)。
今後展開
システムの改良、コストダウンの検討を行い、市場から広く受け入れやすくヒートアイランド対策に有効なソリューションの一つとして開発を進め、他の対策と合わせ、各々のビルに最適なヒートアイランド対策を提供していきたいと考えている。
お問い合わせ先
株式会社 NTTファシリティーズ広報室
TEL:03-5444-5112
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