特定業務分野で使われ始めた映像コミュニケーション
NTTレゾナント
かつて「ワークスタイルを変える」と言われ、テレビ会議やコラボレーションなど日常業務での活用が期待された映像通信だが、現在では意外なところで使われ始めている。今回は、そんな特定業務密着型の映像通信活用法を、実例を交えつつ紹介する。
遠隔医療(Warp Vision)
ソフトウェア型と言われる、PCにインストールして使う映像通信システムがある。手軽で導入が簡単というイメージのあるソフトウェア型だが、その最大のメリットはPCアプリケーションや汎用的なPC周辺機器との連携にある。
東北のある病院では、検体(患者から採取した組織)を病理医のいる大病院に送ってガンなどの検査をしていた。しかし、NTTレゾナントのソフトウェア型映像通信サービス「Warp Vision」と、PCに接続された電動顕微鏡を組み合わせることで、病理医は遠隔地から顕微鏡を操作し、Warp Visionで病変の映像を確認出来るようになった。これにより、患者の診断に要する時間が劇的に短縮している。
このような事例は、地方の中核病院とその系列病院、周辺の医院を巻き込んで広がっている。また、Warp Visionは次期リリースでハイビジョン対応を予定しており、より精緻な診断が可能になると期待されている。
遠隔相談(Warp Vision)
金融業界では、経営の効率化を目指したメガバンク統合が一段落し、現在では地銀・信金等、地方での動きが活発化しつつある。その結果、窓口は統廃合が進み、高度な金融商品を説明出来る行員がいない店舗が生じている。ある銀行ではWarp Visionの資料共有機能を活用して、投資信託や各種ローンなどの説明から申し込みまでを実施している。Warp VisionをインストールしたPCに、カメラ・マイク、プリンタ、スキャナを組み合わせた「相談カウンター端末」を設置、来店した顧客は本店にいる専門家の説明を遠隔で受け、出来上がった申込書をプリントアウトして持ち帰る。後は捺印して郵送すれば申し込みは完了する。Warp VisionはWindows 2000/XP上*で動作するため、Microsoft Word、Excel、Power pointファイルを顧客と一緒に閲覧し、その場で編集ができる。もちろん画像やPDFも共有可能で、コンテンツ制作が手軽に出来るのが特徴だ。
※次期リリースでWindows Vista対応予定。
同じ相談用途では、自治体での採用も増加している。四国のある自治体では市町村合併による窓口効率化ニーズに応え、窓口相談員を本庁舎に集中配置し、遠隔地からの窓口相談をWarp Visionで受け付けている。
情報配信・広告(Rena Cast)
街頭の大型ディスプレイから量販店店頭の小型ディスプレイまで、企業CMを映像で流すケースは多い。NTTレゾナントの映像配信サービス「Rena Cast」は、これをオンラインで実現している。
首都圏のある自治体は、駅前の大型ディスプレイにRena Castを用いてコンテンツを配信し、市民に情報を伝えているが、二つのメリットがあるという。一つは、放映スケジュールを秒単位で設定できるため、TPOに応じた情報を的確に市民に伝えることが出来ること、もう一つは緊急情報が差し込めることだ。
緊急情報は、文字テロップであれば携帯電話(iモード)からでも投入できるため、地域特化の速報ニュースを流すなどの活用法が想定されている。
オンラインのメリットは他にもある。大規模量販店の場合、店舗数は数千に及ぶが、これだけの数の端末の媒体を人手で交換するのはかなりのコストがかかる。それがRena Castでは、センターPCの操作で全端末のコンテンツが更新可能だ。端末へのコンテンツ配信自体は夜間など放映時間外に非リアルタイムで行われるため、通常の映像配信のような広帯域回線は必要ない。PHS等のデータ通信でも対応可能だ。
お問い合わせ先
NTTレゾナント株式会社コミュニケーション事業本部
URL:http://www2.packages.jp/warpvision/
http://www2.packages.jp/renacast/
NEWS(2007年11月)
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