映像特化型のクラウドコンピューティング技術を用いた高速トランスコードシステム「VAT-100」の提供開始
~高品質な映像配信サービスを、高速かつ少人数で経済的に運用が可能~NTTアドバンステクノロジ
NTTアドバンステクノロジ(以下:NTT-AT)は、AVC/H.264 HDTVソフトウェアエンコーダ「HDVE-100」SDKとUbitus, Inc.(以下:ユビタス社)*1の映像に特化したクラウドコンピューティング技術を用いた高速トランスコードシステム「VAT-100」の提供を2010年4月1日(木)より開始した。
本システムの利用により、MPEG-2からH.264への映像符号化変換を高速かつ少人数で実行でき、加えてハードディスク増設、回線等に掛かるコストを低く抑えられるため、高品質な映像配信サービスを経済的に提供することが可能になる。日々増え続ける膨大な量のデジタルコンテンツを保管・配信する必要がある教育機関やISPなどに最適なシステムである。
ユビタス社は、2009年10月にNTTと映像配信ビジネスの協業を推進することで合意*2している企業である。NTT-ATでは、かねてより提供しているAVC/H.264 HDTVソフトウェアエンコーダのさらなる高速化を図っており、その検討過程の中でユビタス社のクラウドコンピューティング技術に注目していた。今回、その両者を組み合わせることにより、高速トランスコードシステムの提供が可能になった。
今回提供を開始する、高速トランスコードシステム「VAT-100」は、NTTぷららが運営する映像配信サービス「ひかりTV*3」へ採用され、MPEG-2からIPTVフォーラム仕様H.264への高速トランスコーダとして利用されることが決定している。
高速トランスコードシステム「VAT-100」の特長
- 映像品質を落とさず、MPEG-2からH.264への高速変換が可能。
- ハードディスク増設、回線等のコストを抑制(1/2以下に)。
- リアルタイムでの変換ができるため、同一コンテンツの複数種の端末へ提供可能。
NTT-ATでは、この他に4K映像をリアルタイムでJPEG 2000方式によりIPネットワークで配信できるコーデック装置「JPEG 2000リアルタイムコーデック」、映像入力から出力まで最短1msecの低遅延で伝送できる非圧縮方式のHDTV映像IP伝送装置「XG-2」など、ネットワークを活用する様々な映像配信系ソリューションを、コンサルから保守・運用まで含め提供している。
今後は、さらに、映像配信市場における高速トランスコードシステムの普及促進、同一コンテンツの複数種端末への提供が可能なマルチデバイス向け映像配信市場の活性化、海外の先進技術とNTTの研究開発成果を組み合わせた新たな映像ソリューション・ビジネスを強化、展開していく。
- *1:Ubitus, Inc.(ユビタス社)
- FMCアプリケーション分野のソフトウェア・プラットフォーム企業。主にデジタル機器メーカーや通信事業者向けに、リッチメディアのためのクラウドコンピューティング・ソリューションを開発提供。2007年設立、台湾本社のほか、中国、韓国にも事業所がある。
http://www.ubitus.net/ - *2:2009年10月のNTTとユビタスのプレスリリース
- NTTとユビタス、マルチデバイスでの映像配信ビジネスの推進に関する戦略的提携に合意
http://www.ntt.co.jp/news/news09/0910/091002a.html - *3:ひかりTV
- NTTぷららが運営するTV向け映像配信サービス名。NTT東日本・NTT西日本の「フレッツ 光ネクスト」およびNTT東日本の「Bフレッツ」、NTT西日本の「フレッツ・光プレミアム」「Bフレッツ(フレッツ・v6アプリの契約が必要)」に対応したTV向け映像配信サービス
http://www.hikaritv.net/
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