サイベースは、金融市場向け高速データ分析プラットフォームの最新版「Sybase RAP-The Trading Edition R3（Sybase RAP R3）」の提供を開始した（Sybase RAP R3は日本語版での提供）。

Sybase RAPは、金融市場の膨大なリアルタイムデータと履歴データを保管・分析するためのプラットフォームで、特定のルールに基づいてコンピュータが自動的に注文を実行するアルゴリズム取引などに最適である。最新版のSybase RAP R3では、従来製品に相当するStandard版に加え、豊富な機能を持つEnterprise版が新たに製品ラインアップに追加された。

Sybase RAP R3 Enterpriseでは、大量データの格納と高速な分析・検索を行うデータベース「RAPストア」に金融工学に基づく数値計算ライブラリを含み、ユーザー定義関数として使用できるようになった。これにより、金融市場特有の複雑な計算処理をデータベース内で高速に実行することが可能になった。また、時系列処理において実績のあるVisual Numerics社製の数値計算ライブラリがRAPストア内に組み込まれ、ARMA（自己回帰移動平均統計学において時系列データに適用されるモデル）、欠落値の推定、異常値の検出、VWAP（出来高加重平均価格）などの時系列関数・予測関数が使用可能になった。この機能により、金融サービスに必要な時系列分析のニーズにも柔軟に対応できるようになった。