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ICTソリューション総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

ビジネスコミュニケーション

屋外型の広域無線LAN基地局を販売開始

~半径1kmを超える広範囲のエリアから接続可能~

CTC

伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は、GO Net Systems社(以下、GONET社)と販売代理店契約を締結し、最長で半径約1kmを超える広範囲な通信範囲を持つ、GONET社製の広域無線LAN基地局製品「MBWシリーズ」の販売を開始した。

昨今、スマートフォンなどのモバイル端末が普及し、室外で無線端末を使用して動画や業務上の情報を閲覧するなど、無線を使用したデータ通信量が急増している。これに伴い、飲食店や公共施設等の人が密集する屋外エリアでの無線LANの需要が高まっている。

これまで、一般的に、屋外無線LANの通信距離は半径数十から数百mである。GONET社のMBWシリーズは、LTEなどで使用されているアダプティブビームフォーミング(※1)技術を無線LANに適用し、見通しの良い場所では、約1kmを超える広範囲な通信を実現することができる。また、マイモ(※2)技術を使用して、市街地での電波干渉などへの耐性を高めている。これにより、アクセスポイントの数を従来の約4分の1にまで減らすことが可能だ。一つのアクセスポイントで円滑に接続できるユーザー数は、従来の屋外型製品では100ユーザー程度といわれる中、最大500ユーザーまで拡張している。現在策定中のメッシュネットワーク(※3)の規格IEEE 802.11sにも対応しており、メッシュネットワークにおける異なるベンダーの製品との相互接続も可能だ。

CTCは、MBWシリーズの販売開始にあたり、横浜港近隣の公園や市街地などで、通信可能距離、スループット、電波の干渉状況などを測定する屋外検証を実施しており、ノートPCやスマートフォンを使用してアクセスポイントから約1,300m離れた地点でも実用的な無線通信を確認した。また、2010年11月3日に開催されたサンポート高松トライアスロンでは、香川大学工学部の土井健司教授、垂水浩幸教授らの地域貢献プロジェクトによる当大会のUSTREAM配信実験に参加し、GONET社MBWシリーズの性能を確認している。

通信事業者およびISP事業者では、無線LANを使用したデータオフロード(※4)施策や、キャリアグレードの屋外無線LANサービスでMBWシリーズを活用することができる。CTCは、これまでの無線LANやWiMAXなどの基地局設置支援および無線設備の運用支援の経験を生かし、無線LANを含めた無線ソリューションを展開していく。また、無線LANタグを使用したRFIDなどの位置情報ソリューション(※5)と組み合わせることで、工場・構内物流の現場で業務を可視化したり、GONET社MBWシリーズの広範な通信範囲を有効活用して、災害現場で臨時の通信網を形成するなど、様々な用途で活用することができる。

※1 アダプティブビームフォーミング:電波に指向性を持たせることで長距離をエネルギー効率よく伝送する後術。複数の内蔵アンテナ素子を位相制御(フェーズドアレイ方式)することで、広範囲なカバレージを実現しつつ電波干渉を避け、マルチパスが発生しやすい場所でも高品質な伝送が行える。

※2 マイモ(MIMO):Multi Input Multi Outputの略。複数のアンテナで同時に通信データ送受信を行い、障害物への耐性を高めたり、帯域を拡張したりする無線通信技術。

※3 メッシュネットワーク:無線LAN端末同士の通信により、通信範囲外の端末同士を通信させる無線LANにより形成されたネットワーク。

※4データオフロード:携帯通信網における渋滞を回避するために、モバイル端末が利用するデータ通信を無線LANなどのネットワークを使用するように管理する技術。

※5 位置情報ソリューション:スマートフォンなどのWi-Fi端末のGPS情報やセンサー情報をLANと組み合わせて活用し、あらゆる企業活動を可視化するソリューション。

お問い合わせ先

●伊藤忠テクノソリューションズ
TEL:03-6203-4100

NEWS(2011年5月)

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