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ICTソリューション総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

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東工大・大学ベンチャーのCBAジャパンが同社の光学式指紋センサーの採用をApple社に競合する世界メーカーに提案

CBAジャパン

バイオメトリクスのパイオニア企業であり、東京工業大学のベンチャー企業であるシービーエージャパン(以下CBAジャパン)は、本年8月1日に、世界のアンドロイド系のメーカーおよびマイクロソフト陣営の全てのメーカーに対して、以下の2つの提案を行った。

①アンドロイド、マイクロソフトでの光学式指紋センサーの独占的採用

②タブレット、ノートパソコンでの光学式指紋センサーの採用

この提案の背景は、米Appleによる指紋認証技術の米AuthenTecの買収がある。この買収が明らかになって以降、CBAジャパンには国内外の大手メーカーから今回の買収劇の意図などにつき、問合せが殺到している。米Appleの指紋認証技術の米AuthenTec買収は、7月26日(現地時間)にAppleが米証券取引委員会(SEC)に提出した報告で明らかになった。AppleはAuthenTecに1株当たり8ドルを支払い、買収総額は約3億5,000万ドルに上る。


AuthenTecは1998年創業で、米フロリダ州メルボルンに拠点を置く指紋認証技術プロバイダーだ。2007年にはNASDAQへの上場を果たしている。同社では、PCやモバイル端末向けの指紋認証に関連するハードウェア/ソフトウェアを中心としたセキュリティ製品を開発・製造している。指紋センサーは、中国レノボや米ヒューレットパッカード(HP)のPC、富士通のスマートフォンREGZAシリーズなどで採用されている。

Appleからの公式発表はないが(2012年8月1日時点)、同社のモバイル端末に指紋認証技術を利用したモバイル決済機能などが組み込まれるのではないかとみられている。今回の買収でAppleは、オンラインや従来型のお買い物、Webへのログイン、デジタル署名などに利用できる指紋認証を主とする生体認証技術を得ることができる。


一方、今回の買収によって、Googleとそのアンドロイド系企業、マイクロソフトとそのOEMハードウェア企業、Appleのライバル企業にネガティブな影響が及ぶと見られている。AuthenTecの指紋センサーは、エイサー、デル、レノボ、ASUS、サムスン、東芝など、Appleの競合企業の間でスタンダードとなっている。AuthenTecはかつて、そして今も、HPと強い提携関係にあり、HP SimplePassと呼ばれる主力製品の一つを提供している。この指紋認証を利用したソリューションはHPのノートブック全機種に採用されている。


Appleのライバル企業は、Appleから部品提供を受けられない。そのため、シャープ携帯電話で100万台の販売実績を持つCBAジャパンが提供可能な光学式指紋センサーの採用が唯一の選択肢になっている。こうした背景を踏まえ、CBAジャパンは全世界のアンドロイド系のメーカー、およびマイクロソフト陣営の全てのメーカーに対して、AppleによるAuthenTec買収の対応策として、光学指紋センサー並びに指紋アルゴリズムに基づく前記の2つの提案を行った。これにより、全世界の多くの企業がAppleとAuthenTecを凌ぐビジネス展開が可能になる。


今回の提案についてCBAジャパンの國枝博昭代表取締役は「当社は、日本発の指紋認証技術、光学式指紋センサーの全世界のメーカーへ提供することで、対AppleとAuthenTecへの明確な対応策として、世界の指紋認証技術の普及に貢献できることを誇りに思います」と語っている。

お問い合わせ先

●CBAジャパン
URL:http://www.cba-japan.net/jp/

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