NTT-ATのHEVCソフトウェアコーデック 最新動向
~「RealFeel FileConvert 4K」を利用したクラウドトランスコーダーシステム~NTTアドバンステクノロジ
NTTアドバンステクノロジ(以下、NTT-AT)では、従来から映像圧縮技術を生かしたソフトウェアコーデック「RealFeel」シリーズを販売しているが、今回は今年8月に発売した最新の映像符号化技術H.265/ HEVC(High Efficiency Video Coding)の、ソフトウェアコーデック「HEVC-1000SDK」を用いた新しいソリューションを紹介する。
H.265/HEVCコーデックの課題
H.265/HEVCは、今年1月に策定されたばかりで、H.264と比べて2倍の圧縮が可能な符号化標準規格だが、高解像度の処理を行う場合は演算量が多く、処理時間が長くなることが課題とされている。この課題に対するソリューションとして、NTT-ATはクラウドトランスコーダーシステムをInterBEE 2013に参考出展した。
図 クラウドトランスコードのイメージ(クリックで拡大)
クラウドトランスコーダーシステムの概要
クラウド環境に、NTT-ATのHEVCトランスコーダーアプリケーション「RealFeel FileConvert 4K」をインストールした数十台のマシンを配備した環境で、ソース映像である4K映像を時間でセグメントに分割し、セグメント毎に各マシンで並列にエンコードすることで、処理速度を短縮することができる仕組みだ。
例えば、1時間の4K(60フレーム/秒)のコンテンツをPC1台でエンコードする場合、従来では処理に数十時間かかるが、このシステムを利用することでエンコード時間を数十分に短縮できる。
新商品「RealFeel File Convert 4K」
このソリューションのトランスコードを行う「RealFeel FileConvert 4K」は、「HEVC-1000SDK」を組み込んだNTT-ATの新商品である。多様なファイル形式の入力に対応し、さまざまな符号化条件で4Kに対応したHEVCストリームを作成できるため、HEVC用の再生端末や配信サーバの検証、ネットワークの検証、VoDサービス検証などが可能だ。
NTT-ATでは、2014年にスタートする4K試験放送に向けて、今後も最新の映像圧縮技術を提供していく。
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