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ICTソリューション総合誌 月刊ビジネスコミュニケーション

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電気光学結晶KTNを用いた革新的光デバイス

NTTアドバンステクノロジ

NTTアドバンステクノロジ(以下、NTT-AT)は、カリウム(K)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)から成る電気光学結晶であるKTN結晶(図1)の「電圧を加えると屈折率を自在に変えられる」という性質を利用し、入射したレーザー光の進む方向を自由に変えることのできる光デバイスを2009年より販売してきた。(図2)

図1 KTN結晶(30×30×50㎜)
図1 KTN結晶(30×30×50㎜)
図2 KTN結晶を用いた高速光偏向素子
図2 KTN結晶を用いた高速光偏向素子

KTN結晶を用いた光デバイスは従来デバイスの100倍の速度、1/100の小型化に加え、省電力化、低コスト化が可能で、さまざまなレーザー産業分野への適応が期待できる。

KTN結晶光デバイスの特長

・従来デバイスの100倍の速度

従来製品のような可動部分がなく、電気光学効果を利用しているため、光の進む方向を高速に制御可能。

・ランダムスキャン機能

従来技術では難しかったランダムスキャンが可能。動く物体を一瞬でイメージングすることやターゲットを追いかけながらレーザー照射をするなどさまざまな動きに対応。

・従来デバイスの1/100の大きさ

大きい電気光学効果を持つため素子の小型化が可能。

・鉛フリーの材料

高効率の電気光学結晶でありながら、鉛を含まない環境にやさしい材料。

今後の展開

NTT-ATは2013年より浜松ホトニクス株式会社と医療用の画像診断に使用する「OCT 用波長掃引光源」を共同開発・販売しており、KTN結晶光デバイスの医療分野への応用を進めている。この光源は、KTN結晶の高速応答特性を生かした200kHz掃引を実現し、診断時間の短縮による患者への負担を軽減している。

今回NTT-ATは、NEDO※1の「クリーンデバイス社会実装推進事業※2」におけるテーマ「電気光学結晶KTNを用いた革新的光デバイスを活用しレーザー産業分野における幅広い領域で新規市場を創出」において委託先に選定された。

今後、KTN結晶を用いた光デバイスを生物用多光子吸収レーザー顕微鏡や医療用診断装置などのユースケースで省エネルギー実証実験を実施し、新規市場の創出を検証していく予定。

※1:NEDO…国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

※2:省エネルギーに資するクリーンデバイスがさまざまな製品へ用途を拡大することで省エネルギー効果を最大限に活用することを目的に2014年より開始された

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