マーケティングテクノロジの進化

  昨今、マーケティングテクノロジ(MarTech)の進化が著しい。2011年に150程度しか存在しなかったマーケツールは、2018年に約5000、2019年現在7000以上と爆発的に増加している(図1)。

図1 マーケティングツールの増加傾向
(Marketing Technology Landscape Supergraphiを元にNTTDが作成)

 これら大量のツールの中からクライアント自身が適したツールを選定し、最大限に活用していくことは現状、難しいのではないか。そこでNTTデータは、各クライアントにあったツールを選定し、適した形に組み合わせ将来像の実現を支援している。

デジタルマーケティングトレンド

 近年、デジタルマーケティングの領域のトレンドは「One to One」、「チャネル横断」、「リアルタイム」の大きく3つだといえる。これらは小売り・流通などのデジタルマーケティングが進んでいるBtoC業界から、我々のようなシステム開発などのBtoB業界まで幅広く、共通のトレンドではなかろうか。

 これらを取り入れたマーケティング施策を行うことは、どのマーケターにおいても目指すべき姿といえるし、最近ではその実現は経営課題になる企業もある。

 そして、これらのトレンドを取り入れた、「お客様1人1人に寄り添い、リアル・デジタル双方のチャネルにまたがった、即時性のあるマーケティング施策」を実施するためには、上記のツール群を組み合わせて、業務やデータの品質(Quality)・業務及びシステムのコスト(Cost)・施策実行までのスピード(Delivery)を最適なバランスで組み合わせていく必要がある。

トレンドを踏まえたマーケティング施策に取り組む際の課題

  さらに、トレンドを踏まえたデジタルマーケティングの施策に取り組む前に、現在のマーケティング施策を実施している現場においては、ツール・データの乱立やその運用面において、多くの問題・課題が発生している(図2)。このような課題に対し、NTTデータの「マーケティング・グランドデザイン」が力を発揮する。

図2 トレンドを踏まえたマーケティング施策に取り組む際の課題(例)

課題解決につながる「マーケティング・グランドデザイン」

 「マーケティング・グランドデザイン」とは、ユーザ体験・業務・データ・システム観点から全体の将来像とロードマップを策定していくコンサルティングサービスである。

 トップダウンで新たなユーザ体験・業務改革推進案を策定し、ボトムアップでデータ・システムの課題を抽出していき、改善に向けたデータモデルの策定、ツールを組み合わせたシステム全体をデザインしていく。ここで重要なことは、クライアント毎にKPI、予算、マーケティング組織の成熟度などの特性を見極め、実行可能な将来像とロードマップに仕立てていくことである。

 先に上げた3つのマーケティングトレンドを実現するためには、1つのツールを導入しただけでは実現できず、最適なマーケティングツールの組み合わせが必要になってくる。NTTデータは、ベンダフリーな立場からマーケティングのQCDの観点でクライアント企業の最適なグランドデザインを描く。最近の実行プロジェクトの事例を見てみるとデータマネージメントプラットフォーム(DMP)やマーケティング・オートメーション(MA)、ビジネス・インテリジェンス(BI)を組み合わせることが多くなってきている。

 さらにリアルタイム性にこだわる企業においてはTealiumのような「データハブ」を活用し、データをリアルタイムに連携し、マーケティング施策を実現する例も増えてきている。NTTデータではTealium社との協業を2017年から開始し、より一層クライアント企業の目指すマーケティングの実現に貢献している。 NTTデータのサービスは、マーケティング・グランドデザインを用いたコンサルティングサービスだけではなく、それにより整理されたマーケティングツールの導入支援、さらにはその施策の実行、実行した施策の効果を検証し、改善していくプロセスまでクライアント企業と一緒にやりきる、一気通貫のサービスをご提供している(図3)。

図3 マーケティング・グランドデザインのイメージ

 次回以降で、NTTデータがマーケティング領域で提供しているサービスの全体像とクライアント規模にあったツールの組み合わせ例などを紹介していく。

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多田 健一 tadak@nttdata.co.jp URL:https://digital.nttdata.com/