会員基盤を軸とした事業運営へ

2018年5月、ドコモは会員プログラム「dポイントクラブ」をリニューアルし、会員を軸とした事業運営へ舵を切った。その推進を目的として、経営企画部で会員基盤構築の準備をしていたチームと情報システム部で全社のデータ活用支援をしていたチームが合流し、7月デジタルマーケティング推進部はスタートした。

ドコモ回線をお持ちの方はもちろん、お持ちでない方にも、いずれは海外の方々にもdポイント会員となり、ネットや加盟店を介してdポイントを楽しく貯めて便利にお使いいただきたい。その機会をパートナーと共に増やしながら、会員の皆様と「もっとつながり・深め・HAPPYを広げていく」をめざし、尽力している。

図1

つながる機会をいろんな場所で

dポイントクラブは2015年12月にスタート。2018年度末に会員数は7,000万を超えた。日本最大級の会員基盤であることは、加盟店、パートナーにとっての大きな魅力となる。

2018年度第3四半期において、dポイントの提携先は380社、68,600店舗までに拡大し、dポイントの利用は1,186億ptと対前年同期で35%増と大きく伸びている。特に、加盟店での利用が545億ptと全利用の約半数まで伸びている(図2)。

図2

従来、回線契約のお客様とドコモとの接点は機種を購入される機会が主であり、街のドコモショップ等にご来店いただくのは概ね2〜3年に1度と決して多くはない。一方、会員のお客様は全国に広がる街の加盟店やネットでdポイントを日常的に貯めて使っていただくことができる。

多彩なパートナーの店舗・サービスと共に新たな価値を創造し、会員のお客様の日々の生活において、つながる機会を広げていきたい。

安心への期待を大切にして絆に

今や、多くの方がスマートフォンを目覚ましに使われているように、モバイルは今や生活者のそばにもっとも長く寄り添うツールとなっている。だからこそ集まるビッグデータの活用は、お客様の安心への期待を裏切らないように十分配慮しながら、価値や感動のご提供につなげることが必須だ。その大前提を守った上で、お客様をより深く知り、日々の生活に便利・お得・楽しいをお届けすべくチャレンジしている。

今後、パートナーとの連携やAIエージェントサービス「my daiz」等からあらたな情報が加わっていく。

お手元にあるモバイルだからこそ、お客様のその瞬間にとって価値ある情報となるよう、最新のデジタル技術を駆使して取り組む。

AIは過去の莫大なデータからお客様に「ぴったり」な情報を見つけ出すことは得意だ。しかし、そればかりでは新たな感動は生まれない。お客様に新しい「ワクワク」をお届けするシナリオを描きながら、「あぁ、助かった。これは嬉しい」と感じていただける瞬間を創出したい。

デジタルのチカラと人間の情緒・感性を総動員し、お客様との絆を強める努力を続けていく。

HAPPYを広げていく

会員数は順調に拡大しているものの、ドコモの回線をお持ちでない方にはdポイントはドコモユーザだけのものだという誤解も少なくない。

dポイントはいつでも、どこでも、どなたでもご利用いただけることを広くお伝えすることが重要課題である。そのために、現在全国のドコモショップなどでは、会員獲得の工夫を切磋琢磨しているが、従来ドコモショップにご来店いただけなかった方々へのアプローチ強化が必要だ。

ひとつの取り組みとして、新たな顧客体験価値提供の実証実験店舗「d garden五反田店」を2019年4月18日にリニューアルオープンした。コンセプトは、ドコモのケータイの有無を問わずどなたでも立ち寄りやすく、やさしい、楽しい、開かれた空間である。

加盟店での会員獲得促進も欠かせない。加盟店での会員獲得優良事例などを共有するとともに、広くさまざまなお客様につながるチャネルでの発信を強化していく。

パートナーと共に春夏秋冬通してお客様に寄り添う提案を続け、dポイントを通じてお客様にHAPPYを広げていきたい。そして、パートナー、ドコモにとってもHAPPYなエコシステムを構築していく(図3)。

図3

 

会員基盤を軸とした事業運営を支えるDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組み

dポイントクラブ会員基盤を拡大し、エコシステムを循環していくには、DX推進が重要な鍵となる。

DX推進では、①現場オペレーション業務へのデータ活用推進、②顧客分析力の向上、③システム基盤強化を3つの軸としている(図4)。①では全国の現場における会員獲得活動をはじめビジネスのPDCAをサポートするデータ可視化基盤の構築・活用促進、②では広がるビッグデータ・AIなどを駆使した顧客理解深化、③では①の現場のDX推進と②を活用したお客様お一人おひとりに寄り添う提案実践を支えるMA(マーケティングオートメーション)基盤整備を進める。

これらの技術、仕組みは全社で効果的に活用してこそ意味がある。

図4

次回はドコモのデータを全社のオペレーション業務に活用し、働き方改革推進に役立ている、データ可視化基盤の構築とその活用促進活動についてご紹介する。


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