NTTデータのデジタルマーケティング・コンサルサービスの全体像

NTTデータのデジタルマーケティング領域のコンサルティング・サービスは大きく3つある(図1)。1つ目は前回もご紹介した主要サービスである「マーケティング・グランドデザイン」である。これはマーケティング領域でも重要な「データ」と「システム」を理解した弊社だからこそできるサービスであり、競合他社との差別化要素になっている。

2つ目は、「マーケティング・グランドデザイン」から繋がる「ツール選定・導入コンサル」である。この領域は広告代理店やマーケティング領域のシステムベンダが競合関係であり、各社のツール導入実績・ノウハウが重要になってくる。NTTデータでは、マーケティング領域のデータハブである「Tealium」やビジネス・インテリジェンス(BI)の「Tableau」、マーケティング・スイートである「Adobe Experience Cloud」、昨今導入企業が増えている「Sales Force Marketing Cloud」等に強みがある。

3つ目は、システム・ツールを導入した後の「業務設計・運用改善コンサル」である。これは現場のマーケッターと共にマーケティング施策の企画・実行・検証のPDCAを回し、マーケティング効果を向上させていくサービスである。NTTデータではこれら3つのサービスを一気通貫で提供することにより、クライアント企業のマーケティング・イノベーションに貢献している。

図1 マーケティング・コンサルティングサービス全体像

具体的なコンサルティング事例

◆BtoC向け事例

まずは、数千万人の大規模な顧客基盤を持つBtoC企業A社のグランドデザイン事例を紹介する。

A社では、複数ある事業部門ごとの個別マーケティング体制から、顧客を一元的に捉えた全社横断のマーケティングへの変革・それを支える新たなしくみの構築を検討していた。

今回NTTデータが重要だと捉えたポイントは、A社の顧客コミュニケーションの中核となるマーケティング・オートメーション(MA)と顧客データなどを保持する既存システムとの連携である。

A社では施策のリアルタイム性が重要なユースケースがあった。実現に向けては顧客データが蓄積された「データレイク」からMAへのデータ連携をする必要があるが、データ連携時のタイムラグが大きく、求めるリアルタイム性を満たす施策の実行が難しいことが分かった。そこで、NTTデータは“個客”行動を即座に捕捉し、MAへアクション指示する「データハブ」の導入を提言し、非常に高いリアルタイム性を持った施策の実現へ導いた(図2)。

図2 BtoC向けマーケティング全体像

◆BtoB向け事例

次に、BtoB向けにコールセンタ業務の運用受託を主要事業とするB社の事例を紹介する。ここでも重要なのは「リアルタイム」である。

B社はコールセンタ運用受託事業の拡大を経営方針として掲げており、見込が高い企業に対するアウトバウンド・アプローチの強化を最優先としていた。B社のWebサイトを閲覧したユーザ企業を外部情報を活用することにより特定し、その企業へコール・訪問するといった活用の構想である(図3)。

図3 BtoB向けマーケティング全体像

ここでのリアルタイム性はBtoC企業ほど高くはない。しかし、ユーザが競合のサービスと比較しているようなタイミングにおいて、営業担当者が直接、電話や訪問できるようになることは非常に効果的であると考える。BtoBの領域において、メール以外のマーケティングアプローチは珍しい。今回のWebサイトのデジタル行動の検知とコール・訪問のリアルアクションとの融合は、正にマーケティング・イノベーションの1つであると考える。

リアルタイムマーケティングを実現するデータハブ「Tealium」

ここまで、BtoCとBtoBの事例を紹介してきたが、両者ともに共通していたことは「リアルタイム」のマーケティングの実現であった。NTTデータでは、このリアルタイムの実現において、データハブである「Tealium」というソリューションを提供している。

これまでNTTデータでは「リアルタイム」を実現するためにシステム機能をスクラッチで開発をしてきた。しかし、Tealiumの提供により、個別に開発するよりも迅速かつ低価格でプラットフォーム構築が実現可能となった。これはユーザ企業のマーケティング・イノベーションに向けて、非常に強い追い風であると信じている。

次回は、その「Tealium」の具体的な機能と効果、その活用事例について紹介していきたい。

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