NTTPCのビジネスプロセスサポートサービス

第1回の記事でサブスクリプションビジネスには4つのプロセス(1.受注〜発注/2.デリバリー/3.課金計算〜請求/4.カスタマーサポート)が存在し、「売切り型」から「サービス型」へビジネス転換を図る上での各プロセスにおける課題を述べた。

NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)ではサブスクリプションビジネスに取り組む事業者に対し、上記プロセスの課題を解決するソリューションとして「ビジネスプロセスサポートサービス」を提供している。このサービスは、セールスに関わるプロセスを支援する「セールスサポート」機能と、提供サービスの運営に関わるプロセスを支援する「カスタマーサポート」機能をクラウドサービスとして提供している。サブスクリプションビジネスの上流から下流までをカバーしているのが特長だ(図1)。

図1 サブスクリプションビジネスの各プロセスにおける課題を解決する「ビジネスプロセスサポートサービス」

今回は「セールスサポート」で提供される特徴的な機能について紹介する。(「カスタマーサポート」は、第3回の記事で説明する。)

受注〜発注/デリバリープロセスにおける課題

このプロセスの特徴は、とにかく頻繁に発注行為が発生する点だ。

サービスはID単位で販売されることが多く、その追加・変更・廃止が頻繁に発生する。この発注行為を「紙の申込書受け渡し」や「手動によるサービス開通」で対応した場合、お客さまの数が増えれば増えただけ(売れれば売れただけ)、受注する側の作業量は大きくなり、お客さまにサービスを提供するまでのリードタイムも長くなる。

クラウドサービス利用による業務の効率化

サービスの受発注・デリバリー業務を効率化するには「システム化」が最も適切な解である。しかし、システムを自ら開発・導入・維持するにはコストと時間が多くかかる。また、スモールスタートでビジネスを開始したい場合、自社でのシステム開発投資の判断は難しい。

これを解決するのがクラウドサービスの利用だ。「ビジネスプロセスサポートサービス」は、サービスの受発注やデリバリープロセスを効率化する機能を備えており、クラウドサービスとして提供しているため安価かつ即座に利用できる。

従来の「紙の申込書」による受発注ではエンドユーザーが記載した内容をサービス提供事業者側で精査する稼働が必ず発生するが、システム化されていればチェックロジックを利用して間違った情報の受け取りを防げる上に、紙の受け取りやその後の管理稼働もなくすことができる。

エンドユーザーによるサービスの直接購入機能

また、頻繁な受発注による課題を解決するには、エンドユーザーが直接サービスを購入できる「サービス申込サイト」の利用が有効だ。

「ビジネスプロセスサポートサービス」のサービス申込サイトでは、エンドユーザーに提供するサービスのカタログを具備しており、エンドユーザー自身が購入したいサービスを検索・選択できる。サービスを選択したら、いわゆるECサイトで購入するように買い物カゴに入れ、必要情報を入力すればサービスの申し込みが完了する。この機能により、エンドユーザーがシステムから直接購入をしてくれるため、サービス提供事業者の稼働を劇的に減らすことができる。

さらに、APIを活用したサービスの即時開通機能を実装しており、エンドユーザーのリードタイムをゼロにできるほか、サービス提供事業者のデリバリーにかかる稼働も大きく削減可能だ。

複雑な課金計算・請求

売切り型ビジネスが中心の事業者が、サブスクリプションビジネスを行う上で一番の問題となるのが課金計算・請求プロセスだろう。

課金計算にはサービスのプラン(初期・月額・定額・従量・段階)、契約期間(最低利用期間・自動更新の有無・休止・再開)、違約金、割引など様々なパラメータが複雑に絡み、かつ毎月決められた日時に確実に計算する機能が必要となる(図2)。

図2 複雑な課金計算

また、エンドユーザーの支払方法も多様化しており、従来の請求書払いや口座振替に加え、最近は企業における支払いもクレジットカードで行うケースが増えている。

「ビジネスプロセスサポートサービス」では、エンドユーザーとの契約情報をもとに、販売したサービス毎の様々な条件を加味して課金情報を毎月自動的に計算する機能を具備しているほか、決済代行サービスを提供する事業者とのデータ連携機能を有し、クレジットカードや口座振替による支払いにも対応可能だ。さらに、入金確認までシステムから確認できるため、サービス提供事業者にとっても稼働の削減につながる。

幅広いプロセスをカバーするソリューション

サブスクリプションビジネスを支援するシステムは海外では比較的早くから提供されてきた。元々はマイクロソフトやアマゾンなど複数のクラウドサービスを一元的に発注・管理する仕組みから発展したケースが多く、様々なクラウドサービスを自動開通させる仕組みが豊富に用意されているのが特長だ。しかし、販売するサービスによってはモノの発送や人による工事手配が必要なケースが多々あり、これらのプロセスを自動化・可視化するソリューションは少なく、実際には個別のカスタマイズ開発で対応しているのが現状だろう。

NTTPCの「ビジネスプロセスサポートサービス」では今回紹介した機能を実装・提供しており、サブスクリプションビジネスのプロセス効率化を幅広く支援している。

次回はお客さまとのリレーションを継続させる上で重要なカスタマーサポートのプロセスを支援する「オペレーションサポート」の機能を紹介する。

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